いや、正直ジョコビッチが強すぎてどう記事を書こうと思ったか1日考えてしまいました。録画観戦で結果を知ってから見たというのもあるのですが、それを差し引いても強かった。  しかし圧倒的に終始強かったかというと、第2セットまでは正直互角でした。常にジョコビッチが押し込みそれにフェデラーが反撃する形だったIW決勝より接戦だったと思います。ジョコビッチは持てるすべてをぶつけてきたマレーに苦しみ、思うようにリードを奪うことができなかった。第2セット終了時にはボールボーイに怒鳴り声を浴びせたように見えた(ジョコビッチによると実際はスタンドにいた陣営とのやり取りだったそうなのですが、少年には謝罪済)。IWに続いて勝利への苦しみ、人間らしさを見せてしまったジョコビッチでしたが最終セットの強さは圧巻でした。1ポイントづつ着実にマレーを追い詰めていく、そしてその積み重ねで一つづつブレイクを重ねていった結果、6-0という結果になってしまったのです。 "I was prepared for a physical battle."—Miami champ Novak Djokovic, after his three-set win. http://t.co/LtTO1eVyhf pic.twitter.com/tqzWDUkBhz— TENNIS.com (@Tennis) 2015, 4月 5  そんなこんなで春のMS2連戦は終わりました。ジョコビッチが圧倒的強さを見せつけ、フェデラーとマレーも4位以下よりは確実に上であるとみなせる戦果を残した一方で、ヤングガンズの三人は苦しみました。ナダルの失速によって4位を手に入れた錦織もまた、結果としては不完全燃焼で大会を去ることになりました。  そんな今週のランキングを見てみましょう。  錦織はナダルを抜いて4位浮上。これにより、来たるバルセロナでの第1シードが決定しました!ナダルは果たしてクレーシーズンどうなってしまうのか。IWでラオニッチに敗れこそしたものの手ごたえを感じていた矢先のマイアミ早期敗退は本人にとってもショックだったかもしれません。そしてナダルに加えて気になるのがモンテカルロの1000pt失効が控えているバブリンカ。単純にここから1000pt引けばチリッチとほぼ変わりませんし表外のディミトロフとも400pt以下の差になります。上位9人という言い方をよくしてきたのですが、クレーシーズンの結果次第では上位8人になってしまうかもしれません。  11位以下を見てみるとトミッチの奮闘が目立ちます。このマイアミでは3回戦でベルディヒ相手にMPまで追い詰めたものの一歩及ばず敗退。しかしランキングのほうはさらに上がってついに27位まで来ました。天才少年トミッチが3年前10代にして達成していた最高位が27位でした。かつての自分についに肩を並べたのです!ちょっと感慨深いものがあります。ほかの若手陣ではコリッチが55位とし、今週も着実にランキングを上げ続けています、トップ50は目の前です。  下位では27歳のスマイチェクがキャリアハイを更新しました。聞き覚えのある方もいるかもしれません。全豪2回戦でナダルを崖っぷちまで追い詰めたあの選手です。全豪直後のダラスCHで優勝を果たし、こないだの記事で紹介したIW裏大会、アービングCHでも見事準優勝を果たし、一気にランキングを上昇。ナダルと対戦した当時は112位だったランキングをついに68位としています。あの善戦はナダルの変調によってのみもたらされたものではなかったのです。