日本にいるファン達が4位という前人未到の順位に踊らされる中、錦織は淡々と勝ち上がっていました。ドルゴポロフ戦後の会見では「(ランキングのことは)一度も考えていない。できれば上がりたくないので・・・」と発言して報道陣の笑いを誘った錦織。自然体で臨んだ準決勝のアンダーソン戦の序盤はまさに錦織ショーとなりました。 Watch: Kei #Nishikori sets his stall out. Early break for the top seed v #Anderson in Acapulco. Rock solid. #tennis http://t.co/4QaiCZMVPU— TennisTV (@TennisTV) 2015, 2月 28 Video: More devastating tennis from the back of the court from Nishikori in Acapulco. So solid. So precise. So good. http://t.co/2OWJzIHkea— TennisTV (@TennisTV) 2015, 2月 28  錦織は第1セットだけで15本のウィナーを叩き込みブレイクも2度奪って6-2で先取。圧巻だったのはサーブでした。エース4本DFゼロ、1stサーブは73%もの確率で突き刺さりポイント獲得率は実に88%(14/16)に達しました。逆にアンダーソンは1st41%と精細を欠き錦織に全く対抗できず。メンフィスに続く錦織の快勝は間違いなしと思われたのですが…  第2セット序盤で2BPを逃してしまった錦織。そのときはなんてことないだろうと思われたのですが、そこからアンダーソンのプレーがどんどん良くなってきたのです。錦織が常に支配してきたストローク戦になっても一歩も引かず逆に錦織のお株を奪うようなショットをどんどん打ってきました。ブレイクが遠くなってしまった錦織はせめてキープだけでも続けたかったところでしょうが、1stサーブが第1セットとは対照的に29%しか決まらず足を引っ張ります。第6ゲーム、この試合初めて与えたBPでブレイクされた錦織は第2セットを落としてしまいました。  第3セットになってもアンダーソンは止まりません。あっという間に錦織のサーブをブレイク、まさか負けてしまうのか?だがリードしたアンダーソンはほっとしたのかプレーが落ち、そこを逃さず錦織がブレイクバックに成功します。続くサービスゲームでは伝家の宝刀、バックハンドのDTLが炸裂し久し振りにいい形のキープに成功。アンダーソンも粘りますが、第4ゲームの30-40からのロングラリー、第5ゲームの15-40からのロングラリー。試合を分ける大事なポイントで錦織が踏ん張りました。ブレイク奪ってリードしたあと2BPを凌いでキープした錦織が4-1とリード!この後は一切アンダーソンに隙を与えず勝利を収めました。 錦織 6-2,3-6,6-3 アンダーソン  堂々の決勝進出。決勝ではフェレールとハリソンの勝者と対決します。 【追記】  第2シードのフェレールは、ディミトロフやカルロビッチといったシード陣を連破して勝ち上がってきたハリソンと対戦しました。その勢いに押されたかフェレールは第1セットを失ったものの、その後2セットをなんと6-0,6-0で制する驚異的な逆転劇で決勝進出を決めています。フェレールにとっては先週のリオデジャネイロに続く決勝進出。今シーズンはまだ全豪で錦織に一敗を喫したのみの17勝1敗という素晴らしい戦績をあげています。最近フェレールに5連勝中で最早彼にとっての天敵となりつつある錦織。9個目のタイトルを手にするには申し分ない好敵手との一戦は、日本時間明日の12時から始まります。