錦織選手がフルセットの末、ラオニッチを下し優勝という形で楽天ジャパンオープンが終わりました。 これにより 年間世界ランキングはベルディヒを抜き6位 レースランキングは5位(4255)で、4位バブリンカ(4795)と540ポイント差です。  全米準優勝後、私の周りに錦織を知らない人は居なくなりました。 ただ、それは、時の人を見るかの様で、どんな事を成し遂げたのかまでは理解してないでしょうし、又、それ以上の情報を望んでもいない様な、、、(勿論そういった人ばかりではないでしょうが)。  あえて例えるならば、2011年 FIFA女子ワールドカップで優勝〜2012年のロンドンオリンピック準優勝時の「なでしこジャパン」フィーバーを見ている時の様な、、、。  日本で人気のあるスポーツはテレビ放送しかり雑誌しかり、コンスタントにメディアで取り上げられ、その結果スポンサーにも恵まれて良い環境化の中、練習に励む事が出来ます。  私が仕事で携わっている種目ではそうは行きません。メディアが大々的に取り上げてくれるのはオリンピックの時位でしょう。さらに言えば、メダル有力者がいてこそです。メダル候補として考えるならば2、3人いても、メダル確実と呼ばれる選手はその中に1人いるかどうかです。 このような状況では勿論スポンサーなど満足に集まりません。 よって良い練習を積むのにも相当な苦労をします。いえ、大半の選手は満足な練習が出来てるとは言えません。当然のごとく、経験値を増やす為の遠征に行ける選手はごく少数です。 そんな苦しい状況の中、唯一注目されるオリンッピックでメダル獲得こそが、その種目の未来を変えてくれるかもしれない大舞台となるのです。 一回のメダル獲得では大きく状況は変化しません。厳しい状況の中、メダルを取り続けなければ未来は変化して行きません。  一選手が、自分を支えてくれてる人々、この競技を歩んできた諸先輩方、自分と同じ様な環境で練習出来ない仲間達の思い、そして今後の「未来」を背負う時。 結果を残せなければゼロからのスタート。結果を残しても、どう変化するのかは分からない未来。しかし結果でしか変わらない未来。 選手は勿論、4年間を共にしてきた皆もその時が迫れば様々な思いから、オリンッピックの話から逃げ出したくなる瞬間。    今現在、テニスも日本ではメジャースポーツとは言い難いでしょう。   もう一度、錦織選手がフルセットの末、ラオニッチを下し優勝という形で楽天ジャパンオープンが終わりました。 彼が試合後に見せた涙には様々な思いがあった事でしょう、彼にしか分からない涙です。 でも、きっと、その思いの一つに「錦織フィーバー」で終わらせる訳にはいかない、日本の更なるテニス界発展の思いが込められてた事に違いないと思います。  準決勝vsベッカー戦後、ベンチでタオルを顔に掛け肩を揺らしていた錦織選手が非常に印象的で、彼にとって今大会の勝利が、いかに重要かを物語いたかに思えます。 今回は少々重たい記事になって申し訳ありません。 一時的に注目されがちな競技、種目等の厳しい現状を少しでも理解して頂けたら幸いです。