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全米2015、ドラマの主役はセレナでなく・・・
全米オープン2015の準決勝は、世界ランク1位にして、今季3つのグランドスラムを全て制覇、優勝候補筆頭の
セレナ・ウィリアムズと、セレナの年間グランドスラムを阻む最大のライバルと目されていた、第2シードの
シモーナ・ハレプが順当に勝ち上がり。
世界中の多くの人々が、セレナとハレプの頂上決戦を予想していたことでしょう。
しかし決勝に勝ち進んだのは、世界ランク43位のノーシード、
ロベルタ・ビンチと、第26シードの
フラビア・ペネッタ。共に9歳からお互いを知るという32歳と33歳、伏兵のイタリア人選手たちが揃って、まさかまさかの大金星をあげたのでした。
そして迎えた決勝戦。
ペネッタが親友のビンチをストレートで撃破して、33歳の最年長グランドスラム初優勝者が誕生したのでした。
優勝スピーチで引退発表
さらにペネッタは優勝会見で「大会の1か月前に、人生の大きな決断しました。テニスに別れを告げることにしたのです」と、まさかの引退を発表。
世界をさらに驚かせました。
ざわつく会場。笑顔と涙の入り交じった表情で、感謝を述べるペネッタの映像がこちら。
テニス界で27年ぶりとなる、年間グランドスラムのかかったセレナに注目の集まった今大会。男子決勝より先に、女子決勝のチケットが売り切れたのは、史上初とも言われていました。
そんな中で、誰もがノーマークだったペネッタが優勝。ペネッタとは、一体どのような選手なのでしょうか。
イタリアテニス界を長年支えた偉大な存在
実はペネッタ、過去にはダブルスで全豪オープンを制し、世界ランク1位に輝いたこともあるほど、ダブルスを得意とする選手でした。
2006年の国別対抗戦フェドカップでは、今回決勝を戦ったビンチと共に出場して、イタリアの初優勝に貢献。長年に渡って、イタリアテニス界を支えてきた、偉大な選手なのです。
しかしシングルスでは、2009年にイタリア人選手として初の世界ランクトップ10入りを果たしますが、2012年には右手首を手術して半年間ツアーを離れるなど、大きく花開くことなく今日を迎えていました。
最後の大舞台として臨んだ全米オープンで、有終の美を飾ったペネッタ。
引き合わされるかのように、互いに快進撃を演じて決勝に勝ち進んだ2人は、準決勝が終わったあとのロッカールームで、ジュニア時代にペアを組んで優勝した、16年前の全仏オープンのインタビューを見返したのだと言います。
2人が歩んできたテニス人生は、まるで漫画のような、ドラマのような結末を迎えました。
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