こんばんは!お知らせを忘れてしまっていたのですが、実はここ数日家を空けていまして記事の更新が出来ない状況でした。報告が遅れてしまいすみません・・。 もう既にベスト4が決まってしまっている状態ですが、ここまでのトップ選手の状況をざっくり紹介してから、準決勝プレビューの方に移りたいと思います。 王者ジョコビッチは苦しみながらの勝ち上がりとなりました。4回戦のアグート戦では2セット目を取られて怒りをあらわにする場面も見られました。それでも第3、4セットを取って約3時間の接戦を乗り越えました。アグートに4回ブレークされたジョコビッチですが、それを上回る7回のブレークに成功して勝利を手にしています。 続く準々決勝のロペスでも2セット目を落としたジョコビッチですが、3セット目、4セット目をしっかり取りきり準決勝へと進みました。苦しい場面でもしっかり勝ちきるのは本当に流石ですが、シーズン前半のような絶対王者的な強さは少しなくなってきているかもしれません。やはり慢性的な疲労が溜まって来ている可能性はありますね。ただ昨年は悔しい思いをした準決勝。もうここまで来たら疲労のことはあまり気にならずに、優勝へ向けて突き進んでくることでしょう。 昨年覇者のチリッチも苦しみながらの勝ち上がりとなりました。3回戦のククシュキンとは3つのタイブレークを含む4時間以上の接戦を制し、4回戦では同世代のシャルディに対して3-1、準々決勝のツォンガ戦では2セットアップから追い上げられ、フルセットにもつれたものの最後は逃げ切って勝利という試合でした。 準決勝でいまだ勝利経験のないジョコビッチと対戦するチリッチにとって、1つ鍵になるのは疲労でしょう。ここまでの試合時間がかなり長くなってきています。ただトップハーフの方に入ったチリッチは2日休めるので少し回復できるでしょうか。もちろんジョコビッチも同じ条件になりますけどね。 ワウリンカは2回戦でチュンに対しての接戦を強いられましたが、3回戦はストレート勝ち、4回戦のヤングに対しては1セット落としましたが約2時間程度で試合を終わらせ、また準々決勝のアンダーソンには快勝で準決勝まで進んできました。今季3度目のGSベスト4進出という素晴らしい成績を残している一方で、試合の内容としてはウィナーと同じ位UEも多かった試合もあり、全体的にミスの多い印象がありました。ワウリンカは勝ち上がった4人の中では唯一、シード選手との対戦が1回のみでここまで勝ち上がって来ており、ややドローにも恵まれた形となりました。 次のスイス勢対決、フェデラーとの試合ではプレーレベルをもう少し上げていく必要があるでしょう。 一方でここまで失ったセットは0で準決勝まで来たのがフェデラーです。シンシナティからの好調を意地しているフェデラーですが、3回戦のコールシュライバー戦では2度のブレークを許し、サービスゲームの安定感にも若干の曇りが見えました。しかし続くイズナー戦では第1セットはなんとタイブレークを7-0で取り(イズナーにとってタイブレークで1ポイントも取れなかったというのは自身初めてのことでした)、第2セットも接戦のタイブレークを取り、第3セットはイズナーのサービスゲームを遂に1回破って勝利し再び好調さをアピールしました。 この試合のフェデラーのウィナー数は55に対してUEは僅か16でした。準々決勝でもガスケに快勝しており、年齢的な不利点があるなかで、1セットも落とさずにここまで来たのは優勝を見据える上ではとても大きいでしょう。 トップ10選手が4人ベスト8に残りましたが、マレーとベルディヒは惜しくも4回戦敗退となりました。マレーがベスト8に進めなかったのは2010年の全米以来で、2013年の全仏欠場を除いたベスト8連続進出記録は18で止まることとなりました。 マレーは4回戦でアンダーソンに対して1セット目、2セット目を落とし苦しみました。しかし簡単に試合を終わらせないのがやっぱりトップ選手・・BIG4であり、3セット目のプレッシャーのかかるタイブレークを制し2-1となります。アンダーソンとしては全英のジョコビッチ戦が嫌でも思い浮かんでしまったのではないでしょうか。しかしアンダーソンは全く受け身にならず、積極的なプレーをし続けました。ストローク戦でもマレーに対してひけをとらず、この日のプレーはとても素晴らしいものがありました。第4セット、アンダーソンにとってもプレッシャーのかかるこのセットで与えたBPは0。しかし後がないマレーもBPを与えずタイブレークに突入すると、リターンエースなどを決めてマレーとどんどんポイント差をつけます。最後はサーブでポイントを決めてなんと7-0で勝利。マレー相手にタイブレークで1ポイントも与えないという素晴らしい勝ち方でした。 その後のワウリンカ戦では完敗したアンダーソンですが、キャリア初のGSベスト8進出は自信にもつながったことでしょう。 一方マレーにとっては久々のベスト8進出を逃し、残念な結果になってしまったとは思いますが、それでも今季のマレーの活躍が素晴らしいという事はレースランキングを見れば一目瞭然でしょう。これからの残りのシーズンの活躍に期待です。 ベルディヒは3回戦のガルシアロペスにやや苦しみながらも見事な逆転劇を見せて4回戦に進出し、4回戦ではガスケと対戦しました。第1セットを取ったベルディヒでしたが、第2セット以降ガスケが調子を上げて来て2セット連取されると、第4セットでは3度のブレークチャンスを活かしきれずに敗退となりました。 GS3大会連続ベスト16は本人にとっては悔しいと思いますが、早期敗退のなかったGSという風に言う事もできます。ベルディヒは2013年までどこかのGSで1回初戦敗退というのが続いていましたが、昨年遂にその記録をストップさせました。昨年のベスト4が1回、ベスト8が2回という成績には及ばなかったものの、ここ最近コンスタントに結果を残すことが出来ていると言えるでしょう。 不調を訴える人もいますが、実際に今季早期敗退したのはモントリオールの初戦敗退の僅か1回のみ。不調というよりかはやや失速気味という風に私は捉えています。250の大会でもいいのでまずベスト4以上の成績を出して、徐々にまた調子を上げていくきっかけが欲しいところですね。 残りのシーズン頑張ってほしいと思います。 さてさて、準決勝プレピューに移りましょう。 ☆ジョコビッチVSチリッチ 対戦成績:ジョコビッチ13勝 チリッチ0勝 世界ランク1位と昨年覇者が準決勝で激突します。しかし対戦成績はジョコビッチが全勝。チリッチは未だ勝てたことがありません。 ただ今大会のジョコビッチは抜群の安定感がある、という感じには見えません。チリッチもつけいる隙はあるでしょう。しかしそのチリッチも絶好調で勝ちあがってきたというよりは、昨年覇者の意地でここまで来たという感じなのでチリッチにもかなりのプレーレベルが求められます。 ここまでの試合時間はジョコビッチが10時間52分、チリッチが14時間28分と、ジョコビッチがチリッチよりもかなり少ない時間で準決勝まで進んできてます。体力的に辛くなったときに、集中力をきちんと保つことができるかも1つポイントになるでしょう。 ☆フェデラーVSワウリンカ 対戦成績:フェデラー16勝 ワウリンカ3勝 もう片方はスイス勢対決となりました。対戦成績はフェデラーが圧倒しているものの、今年の全仏ではストレートでフェデラーを下すなど、GSでの勝利経験があるワウリンカ。フェデラーも油断は全くできません。 ここまでの試合時間はフェデラーが8時間16分、ワウリンカが11時間10分とフェデラーがかなり短い試合時間で勝ちあがっています。年齢的にセット落とすと勝ちあがりが厳しくなる可能性があるというハンデがある中で、1セットも落とさずここまで来たのは本当に流石ですね。 ワウリンカが勝てば全米では自身初の決勝進出、フェデラーが勝っても2009年以来、6年振りの決勝進出ということになります。通算20回目の対戦という節目の対戦でどんなドラマが待ち受けているのでしょうか。 ではランキングを見てみましょう。 フェデラーがベスト4進出したことにより、2位が確定しました。昨年と同じベスト4に残りポイントのキープにも成功しています。 ベルディヒは錦織を抜いて5位に浮上することも確定しました。あとはチリッチ次第となります。チリッチが準優勝で10位、優勝で9位となります。ベスト4ならばこのランキングのままとなり、シモンが久々にTOP10に復帰することになります。