こんばんは!全米1回戦が全て終了しました。 昨年準優勝、今大会第4シードで迎えた錦織はペールと対戦しましたが、逆転で敗れて初戦敗退となりました。錦織がGSで初戦敗退するのは昨年の全仏以来、ただこれは怪我の影響もあったのでそれを除くと一昨年の全米以来となります。 錦織は第4セットのタイブレークでマッチポイントを握りながらも、ペールにそこからひっくり返されてフルセットにもつれると、最終セットで1回のブレークを許し錦織らしからぬ敗戦となってしまいました。試合前は自信を見せていただけに今回は残念な結果となりました。 ペールは波があり、ときに気性が荒い選手でもありますが、この日のペールはとにかく重要な場面での集中力がかなり高かったように感じました。第1セットペールのサービスゲームで0-40の場面がありましたが、このBPを防ぎキープ。対する錦織は4回のブレークピンチのうち3回は凌ぎましたが、1度ブレークされてそのまま錦織は第1セットを落とします。結果的にこのペールのブレークチャンスを逃したことが後々響いたように感じます。 第2、第3セットは錦織が気持ちを切り替えて取ります。第1セットブレークをものに出来ていればストレート勝ちの可能性もありました。 第4セット、流れ的にはこのまま錦織が勝ちそうな雰囲気もありましたが、ペールが踏ん張りました。このセットのペールは本当に頑張ったと思います。錦織にブレークチャンスを1度も与えずタイブレークまで持ちこみました。タイブレークで先に主導権を握ったのは錦織でした。いきなり最初のポイントでミニブレークをして、そのまま自分のサービスでお互いにポイントを取り遂にマッチポイント。しかしこの緊張する場面でもペールは強さを見せました。ストロークで粘り錦織のミスを誘うと、エースで6-6に。更にサーブでポイントを奪うと形成をひっくり返して今度はペールにセットポイント。最後は錦織がフォアをネットにかけてこれで2-2。痛いミスとなりました。 最終セットは流れが完全に変わり、ペールがかなりいきいきしてプレーしているように見えました。一方の錦織は表情が曇り始めました。錦織は遂に第5ゲームでブレークされると、その後ペールのサービスゲームを破ることができず、最後はペールがこの日最速のサービスエースを叩き込み試合終了となりました。 最終セットのペールは錦織に対してブレークのチャンスを与えず、またスタッツを見てもウィナー16に対して、UEは9。錦織のウィナー5、UE7に比べてかなり良い数字で、充実していました。 敗因を一言で言えば単純にマッチポイントを活かせなかったことだと思います。ただ何故すんなり取ることが出来なかったのかはしっかり考える必要があるでしょう。昨年のファイナリスト、過去最高第4シードなど色々なプレッシャーがもしかしたらよぎってしまったのかもしれません。昨年は挑戦者の気持ちでどんどんぶつかることが出来ましたが、今年はトップ選手の仲間入りをした関係で少し受け身になってしまった可能性もあります。 錦織のGSの今年の結果はベスト8、ベスト8、2回戦、1回戦とトップ10選手としてはやや物足りない結果となりました。錦織は500以下ではかなり良い成績を残しているものの、MS以上特にGSでの成績がもう少し欲しいところです。ただ錦織はそもそもGSでベスト4以上に進んだのは、昨年全米の準優勝1回だけであり、まだTOP10選手になってからの期間が短いことを考えてももう少し長い目で見る必要があるでしょう。とはいっても若手の期待選手も続々と出て来ている以上、ゆっくりできるわけでもありません。今後GSで上手くピークを合わせられるようにしてほしいですね。これも経験だと思います。 さてその他のシード選手は順調な勝ち上がりとなりました。ジョコビッチ、フェデラーはそれぞれ約70分という短い試合時間で快勝しました。肘の状態がやや不安視されてましたが、この調子なら大丈夫そうですね。大会開幕前にはジョコビッチは子供たちとダンスのパフォーマンスも見せており、かなりリフレッシュして全米に臨むことができていると思います。 今年の全仏覇者ワウリンカはラモスビノラスにやや苦戦するもストレート勝ち、ベルディヒも地元のフラタンジェロをストレートで下してそれぞれ2回戦に進みました。ディフェンディングチャンピオンとして臨むチリッチも2セット目、3セット目のタイブレークをしっかりものにしてストレートで勝利しました。 また全英前哨戦以来、2カ月以上ぶりの大会出場となったフェレールも復帰戦を勝利で飾りました。コンディション的にはまだまだ万全ではないと思うのですが、しっかり勝ちきるところは流石ですね。素晴らしいです。また復帰後苦しんでいたラオニッチも順調に初戦を突破しました。 注目の試合だったナダルVSコリッチ、マレーVSキリオスのBIG4VS若手対決は、それぞれセットカウント3-1でBIG4の2人が勝利しました。ただコリッチに関しては粘りのある良いプレーが随所に見られ、本当に楽しみな存在だなとまた改めて思えました。キリオスに関してはもう少し冷静さが欲しいところですね。色々問題にもなるようにすぐ口に出てしまうところもあるので、精神的に成長するとプレーの内容も大分変わってくると思います。 その他のシード選手もほぼ順当に勝ち上がり、32人中29人が初戦を突破しました。また日本人選手では西岡がマチューに対してフルセットで勝利し、GSで初めて初戦を突破しました。女子では奈良、土居もそれぞれ初戦を突破しました。奈良の相手は27シードのコルネでしたが、3時間近い接戦をものにしています。それでは勝ち上がりを見てみましょう。 ほぼ波乱なく順当に勝ち上がっています。今日個人的に注目の試合はラオニッチとベルダスコ、引退宣言をしているフィッシュとロペスの試合でしょうか。 それでは最後にランキングを見てみましょう。 錦織は初戦敗退となったので5位以下が確定しました。ベルディヒは4回戦進出、ナダル、フェレールは優勝でそれぞれ錦織を抜くことができます。 シモンは初戦敗退となりましたが、トップ10返り咲きの可能性が高いです。ただシモンはこのあとMS準優勝の失効が控えているため、またすぐに入れ替わるかもしれません。 錦織は今回残念な結果となりましたが、まだまだトップ選手はたくさん、そして日本人選手も残っています。全米3日目、楽しみましょう!