いよいよ、今季最後のグランドスラムが開催されます。錦織の初戦は、ブノワ・ペール(41位・フランス)。過去2戦2勝している相手です。しかし、初戦としては手ごわい相手だと考えた方が良いかもしれません。 休養を2週間ほど取っている錦織は、コンディションは良いと思うのですが、グランドスラム初戦ということもあり、精神面では多少ナーバスになるかもしれません。 ブノワ・ペールは長身を生かした角度あるサーブや、バックハンドを得意としており、時にドロップショットなども放って、流れを相手に与えないようなテニスをしてくることがあります。 錦織にとっては、大会に良い流れで入るためにも、大事な初戦となります。                                           錦織は今季3勝をあげていますが、ATP500が2回、250が1回となっています。 ちなみに、今季のマスターズ以上の成績は……、                                               マスターズ、四大大会の錦織の成績(2015年) 四大大会 ウィンブルドン:2回戦を棄権 全仏OP:準々決勝敗退(VSツォンガ) 全豪OP:準々決勝敗退(VSワウリンカ) マスターズ ロジャーズ・カップ:準決勝敗退(VSマレー) BNLイタリア国際:準々決勝敗退(VSジョコビッチ) ムチュア・マドリード・オープン:準決勝敗退(VSマレー) マイアミ・オープン:準々決勝敗退(VSイズナー) BNPパリバ・オープン:4回戦敗退(VSロペス)                                           ……となっています。マスターズでは、2度の準決勝進出がありますが、いづれも、マレーの壁にはばまれています。 四大大会では、ツォンガ、ワウリンカに敗れて、ベスト8が最高となっています。ですので、錦織はグランドスラムでは、今季は準決勝進出はまだありません。 また、昨年はマレー、ジョコビッチなどに勝利していますが 、今季は未勝利となっています。 昨季に比べ、錦織がトップ選手の仲間入りして、研究されたことが大きいようです。                                           アンディ・マレーが錦織と練習した時に、ビデオで録画して、それをデータ会社に入念に分析させて、対策を練ったことは以前に書きました。マレーはマドリードでは、自らのサーブの配球を研究してきて、コーナーを攻めてきました。ロジャーズ・カップでは、満を持してのぞんだ錦織に対し、錦織のサーブをかなり研究してきた印象がありました。マレーがかなり前から、リターンを決めてきて、錦織の出鼻をくじき、苦しめました。                                                錦織は持ち前のストローク力はもちろん、精神面、反応、サービス、リターン力など、確実にレベルが上がっていると思います。それが、44勝の勝ち星にもつながり、時にランキング・トップ20位台の選手に圧倒して勝つなど、トップ4の実力を示すこともありました。 しかし、一方では、トップ3のジョコビッチ、マレー、加えてワウリンカなどが、しっかり対策を練ってきていて、彼らに勝ちにくくなっている状況も生まれているように感じます。 ですが、大きい大会で彼らと戦うことで、より多くのことを経験し、糧にしていくことが、優勝への道だとも思います。ジョコビッチらを破って優勝するのは容易ではありませんが、クレバーな錦織は、経験を活かすことで、実力もアップしてきました。今大会の錦織のさらなる活躍に期待したいです。                                           また、日本勢で、予選から唯一、本戦出場となった西岡良仁(127位)の気になる初戦は、フランスのポール アンリ・マチュー(80位)、33歳のベテランとなりました。マチューは今季、錦織が全仏OPの初戦で、ストレートで破った相手です。 この時はマチューが、地元の声援を受け、時に素晴らしい強打を見せてきて、錦織も若干苦戦させられました。 ストローク力、スピードあるフットワークで勝負する西岡と、どのような対戦になるのか注目です。 ちなみに、西岡はベルディヒに1回戦で敗れた全仏OPに続き、今季、2度目の四大大会出場となります。四大大会で、初勝利を目指す大会で、勝利をあげられるのでしょうか!? そして、残念ながら、予選決勝で敗れたダニエル太郎ですが、ラッキールーザーの最上位なので、欠場が出れば、出場する可能性があります。