ふくらはぎ筋膜炎の疑いがあってウィンブルドンの2回戦を棄権した錦織が、約1か月ぶりに復帰しました。対戦相手は、ジェームズ・ダックワース。オーストラリアの若手で、ランキングは95位の選手です。 1回戦では、アメリカのライアン・ハリソンに対して、得意のサーブ、ネットプレーなども繰り出しストレート勝ちして、勝ち上がってきました。                                            試合の方は… 第1セット 錦織6-7ダックワース 第2セット 錦織6-1ダックワース 第3セット 錦織6-4ダックワース                                             となりました。 雨の影響もあり、夜10時過ぎに開始し、終わったのは12時過ぎでした。怪我あけ、1ヶ月のブランク、遅い時間帯の初戦、初対戦の相手…と錦織にとっては、難しい状況での対戦です。 しかし、第1セットは序盤、錦織が2ブレークするなど主導権を握ります。ダックワースは錦織のストロークのテンポにあっておらず、返すので精一杯、さらには、凡ミスも多かったです。 トッププレイヤーの強さを見せた錦織が、怪我あけということを感じさせない試合運びで、圧倒するかと思われました。 しかし、風向きが変わったのは、5-4で迎えた錦織のサービスゲームである第10ゲームでした。錦織に2つのDフォルトなど、集中力をやや欠いたプレーが出ます。 一方のダックワースは、徐々に集中力を高め、ミスが減ってきます。結局、このゲームをブレークしたダックワースは、勢いをつけ、第1セットをタイブレークの末、取りました。得意の角度とキレがあるサーブに加え、ストロークでも粘り強さを見せました。闘争心が溢れる良い選手だと感じましたが、第1セットの終盤は良いところが出ていました。                                            しかし、第2セットになると錦織のペースで、5ゲームを連続で取るなど、6-1で奪取。ダックワースは疲労も出たのか、さえませんでした。また、錦織が試合勘を取り戻し、本来の強さを見せたともいえるかと思います。錦織は1stサーブポイントwon%で、100%という数値を叩きだしました。                                           さらに、第3セットに入っても、錦織のプレーは安定感があり、流れも変わりませんでした。ダックワースは、攻勢に出て乗っていると手が付けられませんが、ここぞという時にミスを出すなど、好不調の波が激しく、粗さが目立ちました。 毛曲、第3セットも錦織が6-4で取って、日付をまたいだ試合をものにしました。                                                                                     錦織にとっては、難しいシチュエーションになりましたが、それでも、相手を見切って対応していき、自分の流れを作っていく粘り強さが錦織の特徴の一つ。そういった部分が出た試合だったと思います。 また、心配された怪我に関しては、試合を見る限り、問題がないように見えました。 ともかく、怪我なくこの大会を乗り切ってほしいと思います。