“夏”ハードコートシーズンの展望
今後アメリカハードコートシーズンにおける、トップ10の動向を考えて見たいと思います。先ず、現状を確認しておきます。
【ランキング】
①ジョコビッチ(28) 13,845pt
②フェデラー (33) 9,665pt
③マレー (28) 7,810pt
④ワウリンカ (30) 5,790pt
⑤錦織 (25) 5,525pt
⑥ベルディヒ (29) 5,140pt
⑦フェレール (33) 4,445pt
⑧ラオニッチ (24) 3,810pt
⑨チリッチ (26) 3,540pt
⑩ナダル (29) 3,000pt
【USオープン終了までのディフェンドポイント】
①フェデラー (33) 2,320pt
②チリッチ (26) 2,270pt
③錦織 (25) 1,290pt
④ラオニッチ (24) 1,220pt
⑤フェレール (33) 1,215pt
⑥ジョコビッチ(28) 900pt
⑦マレー (28) 720pt
⑧ワウリンカ (30) 630pt
⑨ベルディヒ (29) 505pt
⑩ナダル (29) 0pt
フェデラー、チリッチはこのシーズン、大変です。フェデラーの場合は毎年このシーズンでこの位のポイントは獲得していたと思いますので、それ程多いと言えないかもしれません。しかし、チリッチは今年に入ってレースポイントでまだ965ptと他の選手達にかなり水をあけられています。一昨年迄であれば、1年かけて獲得するくらいのボリュームがありますから、トップ10をキープするのは非常に厳しい状況です。
ジョコビッチ、マレーは、意外と700~900pt程度しかありません。USオープンが終わる頃には、マレーとフェデラーの順位が入れ替わるかもしれません。さらにツアーファイナルが終わる頃には、いよいよ28才の2人がTOP2を形成している可能性もあります。
後、予想困難なワウリンカがどうなるか?苦手と思われていたウィンブルドンも、ガスケにこそ負けましたが、手堅く勝ち上がりベスト8でした。全仏でGS2勝目を達成し、本当に一皮むけたのかなと、思わせる雰囲気を感じます。
錦織選手のディフェンドポイントは、USオープン準優勝の1,200ptがありますが、昨年は故障の影響で、その前のマスターズ(MS)2大会(カナダ・シンシナティ)に出場していませんので、このシーズンはケガさえなければ、昨年並み、もしくはそれ以上の成績を残せる可能性が高いと思われます。この期間でGS、MSのどれか一つを獲ってほしいです!体力増強にも取り組んでいるとは思いますが、連戦のMSはやはり厳しい感じがしますので、USオープンの方が狙い目ではないでしょうか。それまでの大会で無理をしないで、USオープンには出来るだけフレッシュな状態で臨んでほしいものです。巡りあわせも大きな要素になると思います。又、逆説的な言い方になりますが、MSは2週連続になりますので、出場選手がばらけるかもしれません。それを考えると後半のMS上海、パリよりはチャンスが出て来るかもしれませんね。昨年はツアーファイナルで決勝ラウンドまで進みましたので、次のステップアップといえば「MSチャンピオン」とか「GSチャンピオン」といった称号を取る事になると思います。
しかし、今年のトップ3のコンディションを改めて思い返すと、やはり昨年以上に困難である事は、誰が見ても明らかな状況と言わざるを得ないでしょう。
昨年のジョコビッチも強かったですが、GS、MSでの強さは今年の方が格段上、独壇場になっています。又、昨年はカナダ、シンシナティで早期敗退、結果その後のUSオープンSFで錦織選手に敗退しています。昨年は戦前から、ひょっとしたら錦織選手が勝つかもと、変な期待を持っていましたが、今年はランキングも上がり身近な存在になっているにもかかわらず、ちょっと無理かなと思ってしまいます。他の選手が倒してくれないかなぁ、とか。
フェデラーは、昨年もWBで素晴らしいプレーをして、アメリカシーズンも高いパフォーマンスを見せていましたが、USのSFでチリッチに敗退しています。又、マイアミでは錦織に、全仏ではガルビスに敗退。どう見ても今年の方が強そう。錦織選手にとっても、去年の方が勝てそうな気がしていたのではないでしょうか。
マレーも昨年はまだ故障明けからのスランプを抜け出せずにいましたから、断然今年の方が強いです。
まず、USオープン優勝を考えると、まずは第4シードを取る事が大きな要素になりそうです。その時の状況によっては、第4も、第5も変わらなく感じる事がありますが、トップ3がここまで強いと第4シードのメリットは大きいと思います。第5シードの場合、最悪QFマレー、SFフェデラー、Fジョコビッチなんて事もあり得ます。そんな3人を倒して優勝なんかした日には、歴史に残る大偉業って事になりますが、流石にそれはねー。ちょっと妄想が過ぎました。本題に戻すと、ワウリンカ、ベルディヒとの争いになりますが、ディフェンドポイントを考えると3人ともいい勝負。できれば、錦織選手には疲労や故障の事を考えて、ワシントン、シンシナティーの2試合で、とも思いましたが、やはりトップでやって行く以上3つとも出るべきでしょうか。
3連戦初戦のワシントンで上位を目指して思い切ってやってみて、結果が出れば次戦カナダはそれほど勝負にこだわらず、サーブやドロップショット等、今まであまりやって来なかった事を試しながら体力を温存し、シンシナティーではまた上位を目指す。初戦、又はカナダで結果が出ない場合は、次戦まで間隔が少し空くので、その間に疲労を取って次の試合でまた上位を狙えばいい訳ですね。兎に角、故障に繋がるような疲労を残さず、十分身体をケアして、USオープンには出来るだけフレッシュな状態で臨んでほしいです。そして、昨年の様にアーサアッシュスタジアムで、キレキレのプレーを(今年はまだ見ていない気がします。)、また私たちに見せてくれる事を祈っています。