二日間充電して準備万端です。さあ世紀の一大ショーを追いかけましょう!今回は本当に多くの人がこれについて記事を書いてくれている(全米、全豪のときとはえらい違いです!)ので、全仏プレビューはさくっと前後編で。錦織のドローを特集する前偏と、あれこれネタを詰め込む後編に分けてお送りします。 【第5シード 錦織圭】  堂々の第5シードで全仏に参戦する錦織はもちろん優勝候補の一角。海外の各種賭けサイトでもジョコビッチ、ナダル、マレーに次ぐ4番手の座をフェデラーと争っているという、なんとも夢のような状況です。そしてこのドローが発表された今、決勝への勝ち上がりを期待しても損ではない状況になっています。待ち受ける強敵を蹴散らし見事その舞台に立つことができるのか。勝負の2週間が始まります。 明日23日発売 @GQJAPAN 7月号の表紙はジャガーブランドアンバサダー錦織圭@keinishikori NEW XEとの撮影スナップも必見。 pic.twitter.com/LZryXOwMFq— Jaguar Japan (@JaguarJPN) 2015, 5月 22 1回戦…ポール・アンリ・マチュー  一昨年の全仏3回戦を覚えているでしょうか?あのとき地元勢の一人ペイルと対戦した錦織は完全アウェーな環境を体験しました。見ていた人は誰もが地元勢との対戦はもうこりごりだと思ったでしょう。今年はそれが1回戦に組まれました。長年ツアーで活躍を続けたマチューも既に33歳。ランキングは123位まで落ちており、全仏へもワイルドカードでの参戦です。ひょっとしたら今年が最後の全仏になるかもしれません。相当期待入れて臨んでくるでしょう。   錦織の初戦は初日の日曜日になる予定です。この試合はセンターコートであるフィリップ・シャトリエに組まれるかもしれません。晴れ舞台に全力を尽くすであろうマチューを退け、いいスタートを切れるか。 2回戦…トーマス・ベルッチ  続く2回戦ではブラジルのエースとして長年君臨してきたクレーコーター、ベルッチとの対戦が予想されます。実はこの両者、大昔にたった1度だけ対戦したことがあります。8年前、2007年ボゴタCHで当たってフルセットの末にベルッチが勝利しています。それ以来の激突です。 3回戦…フェルナンド・ベルダスコ  ベルダスコは初戦の相手が見事予選突破を果たしたダニエル太郎になっています。ここはダニエルにひとつ番狂わせを期待したいところですが、順当なら3回戦で当たるのはこのベルダスコということになります。  元トップ10の実力者でサウスポー。過去の対戦成績は錦織の1勝2敗ですがうち1度は錦織の棄権負けです。今年のIWでも激突し、苦戦の末退けた錦織が対ベルダスコ初勝利をマークしています。実はスペイン勢にしてはややハード寄りの選手で、この全仏は昨年など何度かマークした4回戦進出が最高。ここからシード勢との勝負が続いていきますが、その初戦できれば危なげなく突破してほしいところです。 4回戦…アグート,F・ロペス,モナコ  この4回戦が最も対戦相手の予想が難しいブロックになるでしょうか。トップシードのF・ロペスはクレーではあまり振るわない選手で、全仏は22歳の時に一度だけ記録している4回戦進出が最高、後は早期敗退を繰り返しています。となるとここは続くシード、アグートの出番でしょう。バルセロナとマドリッドで対戦したことで、おそらく錦織ファンの皆様にもおなじみだと思います。初めてトップ50を切ったのが去年という遅咲きのアグートは全仏もまだ3回目の参戦です。昨年は3回戦敗退、今度はさらに上を狙ってくるはず。  ロペスのブロックには全仏ベスト16経験者のモナコがいます。ナダルの親友としても知られる、アルゼンチンのクレーコーターです。ひょっとしたら彼が自身3度目の全仏ベスト16に進出してくるかもしれません。錦織とも旧知の仲で、2012年にはダブルスを組んだこともある選手です。 準々決勝…トマーシュ・ベルディヒ  対抗シードがベルディヒに決まったのを見てガッツポーズを繰り出した人がいるかもしれません。第4シードはこれまで何度もその特異な対戦傾向を記事として取り上げてきたベルディヒです。現在自己最高位の4位を記録中のベルディヒは、今年11位以下の選手に30戦無敗。ツォンガ、フォニーニなど注意すべき相手は多いですが順当なら彼らを下して勝ち上がってくることでしょう。初戦では予選を突破した西岡との対戦が組まれています。  一方で対トップ10は2勝9敗。ですがそのうちジョコビッチ、フェデラー、マレー相手が0勝6敗で、残りの選手への対戦成績は2勝3敗と実は競っています。もし対戦が実現すれば、2012年楽天オープンで蹴散らして以来2年半ぶりの対決。過去の対戦は錦織が3勝1敗とリードしておりまだ錦織が若いころから得意としてきた組み合わせです。  仮にも現在好調の世界4位、楽観視をしてはいけないのはもちろんですが、頂点目指すならここで躓いてはいけない相手でもあります。ベルディヒとは、そういう立ち位置で見られている選手です。ベルディヒ自身も全豪に続いてその評価を払拭しようと気合入れて臨んでくるでしょうが、錦織としてもここで譲るわけにはいきません。 準決勝…フェデラー,バブリンカ,モンフィス  ジョコビッチの43連勝を止めたあの全仏以降、フェデラーの全仏での勝ち上がりは年を追うごとに不安定なものとなっています。13年は2セットダウンから挽回してなんとかベスト8には入ったもののツォンガにストレート負け。昨年はグルビスに敗れベスト8にすら入れず4回戦敗退。おまけに4回戦で当たるだろうシード選手に最悪のはずれくじ、モンフィスを引いてしまいました。フェデラーは現在クレーでモンフィスに連敗中。ハードで当たった全米準々決勝もなんとか勝ってはいるものの死闘でした。  ラオニッチの出場辞退で第8シードを確保したバブリンカもまた勝ち上がりは不安定な選手(昨年はなんと初戦敗退!)。バブリンカのブロックには強敵シモンがいますがこちらもローマ、ニースと棄権を続けており怪我に苦しんでいます、全仏でも多くは望めません。モンフィス自体も決して安定して勝ち上がる選手ではありませんので、このブロックを勝ち上がる選手は蓋を開けてみるまでわからないというのが正直なところです。 決勝…ジョコビッチ,ナダル,マレー,フェレール  トップハーフのトップシード陣がこの4人です。ボトムハーフ(錦織側)となんという格差!錦織は彼らと準決勝まで全く対戦しなくてよいことに感謝しなくてはなりません。これは本当に大きなチャンスです。もちろんキツそうな試合も危険な相手もいますが、それでも絶対に決勝まで行ってほしいと思いますし、今の錦織にはその実力があると信じています。