今週も世界ランキングが発表されました。早速見ていきましょう。  バブリンカが早速7位まで戻ってきました。まだモンテカルロでのポイント失効分を補えたわけではありませんが、チリッチやディミトロフにもポイント失効が控えていることを考えると、モンテカルロ後もバブリンカがトップ10を維持できる公算が大きくなってきています。 サンパウロ優勝したクエバスがランキングを23位まで上げ、大幅にキャリアハイを更新しています。クエバスは怪我で長期離脱していた選手ですが、昨年の7月、クレーで2週連続優勝を果たし一気に表舞台に復帰、その後もシーズン後半のクレーCH大会で稼ぎまくってランキングを30位まで上げ年末を迎えました。そして今年初めてのクレー参戦となったサンパウロでも昨年の好調を維持し、しっかり勝ち上がって優勝を果たしています。クエバスは数少ないウルグアイのテニス選手。これまでウルグアイ選手の最高位はフィリピーニが1990年に記録した30位でしたが、それを25年ぶりに更新したのです。この春のクレーシーズンでも要注意選手となるでしょう。  またロッテルダムでベスト8に入ったミュラーも全豪16強で大きくランク上昇した2週間前に続いてランキングを上げ、またまたキャリアハイを更新しています(34位)。ミュラーは5月で32歳になろうかという選手ですがまだまだ元気。30代でキャリアハイを更新するというちょっとおかしな現象は一昨年あたりからみられるようになっているこの時代に特異な出来事です。昨年はフェデラー世代の大躍進という現象がありましたし、13年には当時31歳のフェレールがキャリアハイの世界3位をマークしています。この流れはまだまだ続いていくのでしょうか?  先週ツアー初優勝したエストレラもさらに順位を1個上げて51位としキャリアハイを更新しています。またサンパウロで準優勝したバンニは149位からなんと41ランクもアップし109位を記録しました。29歳にして自己最高位を大幅に塗り替えたのです。  錦織は5位を死守。しかもマレーが準々決勝敗退に終わったため4位との差は広がらず、また準決勝で敗れたラオニッチもポイント加算は135ptにとどまり、もしラオニッチがマルセイユ優勝してポイントを伸ばしても錦織の4位は守られることになりました。  下の脅威はひとまずなくなったので次に目指すべきは当然、上になってきます。ターゲットはもちろん4位マレーと3位ナダルです。ナダルは今週優勝すれば錦織がアカプルコで優勝してもナダルに届きません。ナダルがしっかりポイントを維持するのか(そして翌週のブエノスアイレスで更にポイントを伸ばしてくるのか)まずはお手並み拝見といったとこでしょうか。もし早期敗退するようなことになれば一気にチャンスが巡ってきますが…  一方ターゲットがマレーの場合はこれよりもう少し可能性が上がってきます。錦織は来週のアカプルコで優勝すれば翌週のランキングで4位に浮上できる確率がかなりあります。来週ドバイ参戦のマレーが準決勝までに敗退すると錦織がアカプルコ優勝した際に上回ることができるのです。マレーは準決勝に進出した場合5連敗中のジョコビッチまたは3連敗中のフェデラーとの戦いを強いられる可能性が非常に高い状況となっています。 アカプルコではフェレールや前年優勝者ディミトロフらが錦織のライバルとなりますし、ドバイではBIG4の3人に加えて2年連続準優勝中のベルディヒも参戦するなど激戦必至です。来週は目が離せない一週間となるでしょう。