錦織は確かにもたつき過ぎました。第1セットはドディグのプレーがほぼ完璧で逆に錦織はイマイチ、2度のブレイクを許してセットを落としました。しかし第2セット以降錦織はきっちり調子を上げていきます。ドディグの1stサーブとダブルス仕込みのネットプレーが素晴らしかったので中々錦織にブレイクを許してくれませんでしたが、第12ゲームで0-30とすると錦織のフォアハンドがポトりとネットを越えて落ちました。このワンチャンスを逃さずブレイクを奪って追いつくと第3セットはドディグのプレーが落ちて圧倒します。  第4セット再びサーブを炸裂させ始めたドディグ。錦織はたった1個のBPを生かされてブレイクを許す苦しい展開でしが、ここで2セットオールには持ち込ませないのが流石世界5位ではないでしょうか。土壇場4-5から追いついて迎えたタイブレークは、バックハンドで角度をつけながらDTLも使って攻める、完全に本来の錦織でした。  さて今日からは3回戦が始まります。まずはボトムハーフ。今日の8カードは以下のとおり。 ベルディヒ×トロイツキ トミッチ×グロース アンダーソン×ガスケ ナダル×セラ マレー×ソウザ ディミトロフ×バグダティス キリオス×ジャジリ フェデラー×セッピ 【ベルディヒ×トロイツキ】  世界ランクを54位まで戻して復活しつつあるトロイツキが好調です。初日のプレビューでもトロイツキを取り上げましたがその後ヴェセリをストレートで破ると2回戦のL・マイヤーも下して全豪では2011年以来4年ぶりとなる3回戦進出を果たしました。3回戦ではトップシードの一人ベルディヒに挑みます。  今年7戦無敗の挑戦者は勢いに乗ってますが、ベルディヒとしてはここで躓くわけにはいきません。対戦成績は5勝1敗(5連勝中)と相性も悪くありませんしベルディヒの優位は揺るがないでしょう。4回戦の対戦相手もトミッチ×グロースの勝者という地元選手とはいえノーシード相手になることが既に決まっており、この楽なドローを駆け上がっていくしかありません。 【ナダル×セラ】    2回戦で敗退一歩手前まで追い詰められたナダルの原因は腹痛(けいれん)だったとのこと。よく勝ち残ったものです。1日挟んでの3回戦はセラの挑戦を受けます。運営側の配慮?により3回戦は夜の試合に回されており体力は大分回復できるでしょうが、それでも状態が気になります。4回戦の相手はアンダーソン×ガスケの勝者が相手で共にシード選手。ここでできるだけ調子を上げておかなかれば次戦は厳しくなります。  ナダル自体に問題がなければセラには申し訳ないのですが3回戦としては非常に楽な相手です。元トップ30プレイヤーですが最後にトップ50に居たのが2010年2月。それ以降は60~100位台前半を往復するようなランキング推移をしています。2012年デビスカップの入替戦で日本が添田と錦織で1勝づつ挙げた相手として覚えている方もいるかもしれません。 【ディミトロフ×バグダティス】    上位対抗シードのマレーはおそらく問題なく勝ち上がるでしょう。ディミトロフさえ勝利すれば、4回戦で注目の一戦が実現します。だが問題は元トップ10のバグダティス。小国キプロスで06年全豪準優勝と世界ランク8位を達成し母国では英雄視されている30歳の選手です。しかし2013年以降怪我や不調に苦しみ一気にランキングを落としてしまいます。一時ランキングは149位まで落ち込みました。  だがバグダティスは諦めませんでした。6月以降チャレンジャーで4勝を挙げる活躍で復活し、年末をトップ100で終えると全豪前哨戦のハッピーバレーCHでも準優勝しランキングを78位まで戻して全豪を迎えました。全豪では初戦をフルセットの末勝ち上がると2回戦ではなんとゴファンを撃破!最も相性のよいグランドスラムである全豪で久しぶりの大爆発なるでしょうか。ディミトロフとしても十分注意して臨まなければなりません。  フェデラー、キリオスは共に問題なく勝利するのではないでしょうか?両者とも勝ち上がれば4回戦で夢の対決が実現します。