水曜日、アンディ・マレーに関して2つの大きなニュースが発表されました。  一つが、マレーが17歳の頃から9年にわたり交際を続けてきたキム・シアーズさんとの婚約発表。若いころからマレーのそばにはいつも彼女がいました。数年前にはマレーの趣味であるゲームのやりすぎで愛想を尽かされ、破局したと報じられたこともありましたが、しっかり復縁し今に至ります。彼女とマレーの母親、ジュディの存在なくして現在のマレーはなかったと言ってもよいでしょう。このタイミングでの婚約発表は、同い年にして最大のライバル、ジョコビッチの結婚が影響したかもしれませんね。27歳という自身の年齢(シアーズさんは26歳)も結婚には丁度よい年齢のように思えます。 It's been a busy day for Andy Murray.... pic.twitter.com/hcplAahWP4— BBC Tennis (@bbctennis) 2014, 11月 26  しかしマレーが婚約に踏み切った原因としてもう一つ考えられるのが、このタイミングで公私ともに区切りをつけ新たな再出発とする意図。婚約発表が「私」であれば、「公」はなんでしょうか。そのニュースは婚約発表の数時間前に発表されていました。 Andy #Murray splits with coaches & close friends Dani #Vallverdu & Jez #Green. Amelie #Mauresmo to continue as coach. pic.twitter.com/5FeeDnSO6y— Sky Sports Tennis (@SkySportsTennis) 2014, 11月 26  マレーはプロに転向する前からの盟友ダニ・バルベルドとトレーナーのジェズ・グリーンを解任したのです。マレーを支え続けたコーチ”ダニ”に関してはこちらの記事(tennisnakama様)に非常に詳しく書かれているのでリンク先を読んでみてください。マレーがジュニアの頃からの友人だったダニは時にはマレーの友として、時にはチーム・マレーの一員として、時にはヒッティングパートナーとして支え続けてきました。トレーナーであるジェズも7年も前からマレーのチームに参加しており、マレーのフィジカルを支え続けてきました。彼に関しては全米優勝時のジェズ本人による手記(英語)があるので興味がある方は読んでみてください。  なぜこれほどまでにマレーを支え続けた二人がマレーと別れてしまうのか?その背景にはマレーの新コーチ、モレスモの存在があると言われています。マレーは今年5月にレンドルとの師弟関係を解消した後、新しいヘッドコーチとして女子のレジェンドプレイヤー、モレスモと契約しました。しかしモレスモとの契約がチームのメンバーに無断で行われたというのです。 今年度は両者ともプロとして自分の務めを果たしましたが、モレスモと従来のスタッフとの溝は最後まで埋まることはありませんでした。特にレンドルの厳しい指導を支持するダニにとって、モレスモの指導はあまりにも消極的に思えたようです。選択を迫られたマレーはそれでもモレスモとの契約延長を選び、ダニそしてジェズと別れることになりました。経緯はガーディアン紙の記事に詳しく書いてあるので興味のある方はどうぞ。  レンドルとチーム・マレーの厳しい鍛錬の日々がマレーの悲願達成に大きく貢献したことは間違いなく確かです。しかし腰を手術しBIG4の座を去ったマレーは、再び自分を取り戻さなければなりません。そのためのマレーの選択がモレスモ招聘でした。だがその代償に信頼できるチームを2人も失うことになったマレーの決断は各所から心配されています。ただでさえいくらかつてのトップ選手とはいえ、女性であるモレスモが男子のコーチを務められるのかということについて、就任当初から疑問の声が多数上がっていたのです。  マレーとモレスモは結果で周囲を黙らせなければなりません。もしマレーがこのままフェードアウトしていくようなことになれば、モレスモへ批判が集中することになるでしょう。マレーとモレスモの挑戦を、世界中が見守っています。 Andy Murray has split with Dani Vallverdu & Jez Green, two long-standing members of his coaching team. pic.twitter.com/wokbvyo8Fg— Tennis Photos (@tennis_photos) 2014, 11月 26