女子のプレミア大会、東レパンパシオープンが昨日土曜日から開幕となり現在予選が行われています。  日本のテニス大会といえば錦織が凱旋する楽天オープンが有名ですが、つい最近まで日本では女子テニスのほうがはるかに人気が高く、日本のテニス大会といえばこちらを思い浮かべる人のほうが多かったかもしれません。実際、毎年トップ選手の集う大きな大会でした。  しかし時代は変わりました。復帰したクルム伊達を上回る日本人選手がほとんど出て来ない状況が続き、一方で海の向こうの中国ではリー・ナなどの女子選手が大活躍。今年からリー・ナの出身地である武漢でプレミア5大会を開催することにしたWTAは東レから一旦は開催権を取り上げてしまいました。他大会から開催権をレンタルしてなんとか今年も継続参戦にこぎつけましたが、プレミア大会の中でもより下位のグレードに位置するプレミア700というグレードでの開催としての再出発となります。  参加選手があまり変わらなかったのは不幸中の幸いでしょうか。一年前はここで大活躍した20歳の新星ブシャールが今年はもう見られないのは残念ですが…全般的に若手の少ない大会となり、今まで何度も来てくれた中堅からベテランの選手が今年も戻ってきてくれる、そんなメンバー構成となりました。  昨年準優勝のケルバーが今年も戻ってきた他、共に準優勝経験のあるヤンコビッチとイバノビッチのセルビア勢も順当に参戦。注目すべきはウォズニアッキでしょう、全米準優勝などここに来て見事に復活(当ブログの特集記事)、2010年以来となる東レ優勝を目指して戦います。かつての世界1位時代にありとあらゆるプレミア大会で優勝を荒稼ぎしたウォズニアッキもここ2年プレミア大会の優勝からは遠ざかっています、本領発揮を期待しましょう。    そのほか、チブルコバやエラーニなどのトップ選手が参戦する今大会ですが、プレイヤーリストの真ん中ぐらいという決して上位ではない場所に見慣れたカタカナがあるのに気付けるでしょうか、ビクトリア・アザレンカです。今年は負傷等に苦しみ世界ランク24位まで落ちてしまったアザレンカ、全米では初戦で土居から逆転勝利した後なんとかベスト8まで進出したものの依然として本調子からは程遠い状態です。ノーシード選手として参戦する今大会はいきなり初戦でクルム伊達と対戦することが決まりました。1回戦として異例の好カードが実現することになりましたが、果たしてどんな試合となるでしょうか。伊達は今週行われた香港で肩を負傷しており、状態が心配されるのが気がかりです。  昨年後半から一気に実力を伸ばして日本女子トップの座を不動のものにした奈良くるみの戦いぶりにも注目しましょう。初戦でいきなり第8シード、世界ランク18位のスアレスナバロとの対戦となります。見事な急成長を見せてくれた奈良ですが、一定以上の順位の選手に全く歯がたたないという欠点があります。大ブレイクした昨年の全米で当時22位の選手に勝利したのが自己最高で、今年に限ると今回の東レにも参戦する当時27位のキーズに対しての勝利が最も高い順位の選手からの勝利となります。8月に自己最高の32位を記録し全米ではシードもついた奈良がここからさらに順位を上げていくには、トップ選手に対しても勝利を収めなければならないでしょう。1年前とは全く違う立ち位置で参戦する東レで、果たしてどんな姿を見せてくれるでしょうか。  本戦ドローはこちらから、公式サイトはこのリンクからどうぞ。錦織だけでなく、たまには女子にも注目してみては如何でしょうか。