日本時間の今朝行われたテニスの全米OP男子シングルス・ファイ ナルで日本の錦織圭は、クロアチアのマリン・チリッチに3-0のス トレートで敗れ4大大会男子シングルス初優勝を逃した。  立ち上がりチリッチのサービスゲームをブレーク寸前まで行きなが ら落としたのに対し、ゲームカウント2-3からブレークを許して第1 セットを3-6で落とすと最後まで流れを引き戻せないまま2&3セット 目も3-6で落としてのストレート負けだった。  錦織は試合後‘思った以上に緊張し硬くなった’と語っていた ようだが、やはり日本人初のファイナルという事で緊張は隠せなか ったという事だろうし個人的にはSファイナルまでの激闘の疲れが ダメージとして残っていたのではないかと思う。  4回戦でラオニッチ、Qファイナルでワウリンカ相手にタイブレー クを2セット戦った上でのフルセット勝ちだったし、Sファナルの ジョコビッチ戦も3-1と激闘を繰り広げてのファイナル進出だから ストローク戦を得意にする錦織の体に疲労が蓄積していたのだろう。  以前ベスト16からベスト8辺りで敗れていた時に‘2週間かけ て戦うグランドスラムの優勝候補達は2週目にギアが上がるのだ から、勝とうと思ったら1週目は流し気味で2週目にギアを上げ られるようにしないとダメ’と錦織は語っていたのだが4回戦とQ ファイナルで激闘を演じているので自身が語っているようにファイ ナルは厳しかったのではないか。  更にチリッチはSファイナルでフェデラーにストレート勝ちする など調子を上げてファイナルに臨み、持ち味の高速サーブだけでな く長身から繰り出すストロークも本来ならストローク戦が得意な錦 織をも凌駕するほどの好調さだったのだから完敗も仕方ない。  ただ今回は完敗ではあるが2週間にわたるグランドスラムで7試 合を戦い抜き、ファイナルのコートでプレーした経験は錦織だけで なく日本テニス界にも貴重な財産となる。  弱くなるのは一気にだが強くなるのは時間がかかるといわれるよ うに、経験は何よりも大事な要素だから今回のファイナルでの敗戦 は将来優勝するための高い授業料だったと思えばいい。  そしてファイナルで敗れたとはいえジョコビッチやワウリンカに ラオニッチらに勝った功績は色褪せるものではないのだから。