こんにちは。 いやー凄い試合でした。ナダル×ラオニッチ戦です。 序盤はナダルペース。あっさりラブゲームブレークに成功するとBPを与えず難なく1stセットを取ります。 ラオニッチは序盤ストロークに苦しみ、リターンゲームでチャンスを作れず。一方のナダルはミスが少なく、ラオニッチが1ブレークダウンで食らいついていきますがスコア以上の差がある印象で第1セットを終えます。 第2セットに入ってもナダルの勢いは止まりません。鋭いボールを決めて有利な展開を作りつつありましたが、少しずつラオニッチのストロークも決まり始め面白い試合になってきました。 ナダルは6回のサービスゲーム中3回でブレークチャンスがあったのですが、要所でラオニッチのサーブが決まり5本のBPを取り切れません。 一方自らは順調にキープしていくものの、終盤で15-40のピンチ。ラオニッチのフォアハンドでの逆クロスやバックハンドからの展開がはまり、ピンチを迎えます。迎えた30-40でラオニッチがついにフォアハンドで回り込みストレートへ…が、ネット。 チャンスボールを決めきれずタイブレークを迎えます。 タイブレークでリードしたのはナダル。0-2から4-4、そしてスーパーショットで5-4とまくり、自分のサーブ2本を取れば勝利。 しかし5-4からフォアをミス。ここからキープ合戦に。 この間にタイブレークですからラオニッチサーブでナダルにMP、ナダルサーブでラオニッチにSPが来ますが、お互いなかなか取れない。 特にラオニッチはすべてのMPでサーブポイント。ただし、9-10でナダルに来た最後のMPはセカンドサーブをリターンミス。残念でした。ここがラリーになっていれば分からなかったでしょう… 逆にラオニッチは11-10からストロークでポイントを取り12-10で第2セットを取りました。 既にこの地点で流れの潮目が変わったのがわかりました。結果を知りながら見たからかもしれませんが、この地点でストローク戦はほぼ五分。ナダルが勝てるイメージは少しずつなくなっていきました。 第3セットは先にナダルにブレークチャンスが。しかしここでもラオニッチはサービスポイント。その後はキープが続き5-5になります。 この時間帯はナダルにもミスが目立ちましたが、ラオニッチがのびのびといいプレーができていることが言えます。 特にバックハンドの向上は目覚ましいものでした。ウィナー数でナダルを上回りました。バックのDTLに近いストロークで崩すことに成功する場面も多く見られました。加えてフォアの逆クロスでウィナー量産。様々な方法でポイントを取れるようになったラオニッチ、成長しています。 5-5からの第11ゲームは圧巻でした。 まず1stポイント。ラオニッチの逆クロスがネットイン。流れを感じました。 次のポイントはなんとフォアDTLから崩してドロップボレーのウィナー。0-30になります。 その次のポイントはナダルがネットプレーに成功して15-30。さらにこの場面でエースを決めて30-30。手に汗握る展開です。 そして要所の5ポイント目。スライスが甘くなったところをフォア逆クロスでウィナー。 ほぼマッチポイントのブレークポイントです。 ロングラリーから再びフォア逆クロス。しかしこれがわずかにアウト。終わったか。 ところが次のポイント、なんと再び振り回しに成功しナダルがFE、2度目のブレークポイント。 次のポイントはナダルが押したものの、ディフェンスのスライスがナダルの頭上を越えオンライン。結果ナダルが追いついたもののミス。このゲーム、平易なミスは最初のブレークポイントの打ち込みのみ。密度の濃いゲームでラオニッチが取ります。 このゲームナダルに非はあったのか?私は平易なミスの少なかった内容から「ない」と判断します。 だからこそこの勝利は今のところナダルが落ちているからではなく、ラオニッチが素晴らしかったとしたいところです。 事実第3セットはベースラインでのポイント獲得数がほぼ同数。1,2セットはダブルスコアでナダルだっただけにこの数字は驚きです。 しいて言うならなぜナダルは第3セットに落ちてしまったのか?というのが気がかりですが、正直復帰して3か月。いくら盲腸の手術だったとはいえ、もう体力は戻っていると考えるのが普通です。私はラオニッチが第3セットに入って、あの3MPを超えたところでプレーがよくなってきた。ストロークがいいように入ったこと。まるで上位なのはラオニッチかのような試合を見せたことに驚きを感じました。 こういう逆転劇をBIG4相手にできたこと。もちろんナダルは2014全仏でジョコビッチに勝って以来対トップ10の勝利はないのですが、だからこそそういう相手に勝ちきったこと、初勝利だったこと、いろいろなことを考えても大きい勝利だったと思います。ラオニッチ、あっぱれです。 ナダルはどうかというとこれはマイアミを待ちたいところです。第1セット、第2セットの大半のプレーは悪くなかった。トップで戦える内容でした。得意のIWで負けたことは痛いですが、マイアミは昨年も準優勝している場所。マレーが次勝たなければ第2シードで迎えます、どのような結果を出してくれるか注目です。 さて試算です。結局は上位が勝ちましたね。例年以上に安泰のIWです。 ラオニッチの5000p台はおそらく初めてだったはずです。 マレーは次勝つと3位です。3位は手術前以来の水準に戻ります。素晴らしいカムバックです。 ラオニッチは優勝しないと錦織を超えられません。 マイアミのシード付けですが、実は裏で行われているIW1週目敗退組のアービングチャレンジャーの結果までが左右しそうなので、まだわかりません。 一応フェデラー、チリッチ(けが)、キリオスなどの欠場が決まっています。 今のところツォンガとデルポトロが復帰大会になりそうです。 現在のシード付けは 1.ジョコビッチ 2.ナダル(2,3入れ替えあり) 3.マレー 4.錦織(4.5入れ替えあり) 5.ラオニッチ 6.フェレール 7.バブリンカ 8.ベルディヒ 9.ディミトロフ 10.ロペス 11.ツォンガ 12.シモン 13.バウティスタ=アグト 14.ガルビス 15.アンダーソン 16.ロブレド …となっています。ガスケが17~24シード帯が確定しているのがラッキーです。 明日は準決勝です。 ジョコビッチ×マレーはここのところジョコビッチが連勝中で16勝8敗。キャリア序盤は五分だっただけにそろそろ一矢報いたいところ。最後にマレーが勝ったのは2013ウィンブルドン決勝です。 フェデラー×ラオニッチは注目です。フェデラーはベルディヒ相手に完璧なテニスを展開。ベルディヒもよくなかったですがさすがにノーチャンスすぎました。それほどにフェデラーがいいです。 そのフェデラーを相手にここのところ熱戦と完敗がはっきりしているラオニッチが当たります。 パリでの不覚以降、フェデラーが2連勝中で通算8勝1敗。しかしブリスベンは惜しかった。その時以来の対戦。勢いのあるラオニッチかこの場所を知っているフェデラーか。さすがにテニスの内容がよく1時間で終わらせたフェデラーが後に試合をして3時間もかかったラオニッチより有利だと思います。ラオニッチは早く決めないと体力切れが心配です。 明日も楽しみです。それでは。