テニス界はたとえグランドスラムの翌週だろうと休む暇がありません。すぐに次の大会が始まります。  今週の男子は国別対抗戦・デビスカップの準決勝と入れ替え戦があり、週末金曜日から行われます。入れ替え戦のプレビューは明日に回すとして、今日は準決勝2カードのプレビューを行いましょう。  準決勝に進んできた国は2連覇中のチェコ、そしてフランス、イタリア、スイスの4カ国です。11月の決勝戦に進む2カ国は果たしてどこになるのでしょうか?ここまでのトーナメント表はこちらからどうぞ。  ◎チェコ×フランス〔ホーム:フランス〕  ベルディヒとステパネクの2枚看板を擁し、シングルスダブルス共に隙のない二人のコンビで連覇を達成したチェコ。このデビス杯最強国を打ち破るべくフランスが用意したのはなんと全仏の舞台であるローランギャロスのセンターコート、フィリップ・シャトリエでした。フランスの威信をかけたこの決戦、当然のごとくベストメンバーであるツォンガ、ガスケ、モンフィス、ベネトーの4名を揃えてきています。不動のエースツォンガは当然としてシングルス2番手の起用は誰になるでしょうか。ダブルスはおそらく一人はベネトーを起用するでしょうが相方はツォンガか?それとも?最後まで監督のクレマンは頭を悩ましそうです。  そしてアウェー感100%の敵地に乗り込むチェコはいつもどおり、ベルディヒとステパネクのみを起用することになるでしょう。クレーだからと言って特に苦手サーフェスもない二人にとっては全く問題ないでしょうが、心配なのは両者決して状態がよくないことです。全米ではベスト8に入ったもののそれまでが不調続きで最終戦進出が危ぶまれるエースのベルディヒ。そして今年の11月には36歳となるステパネクもさすがに衰えを隠せなくなってきています、全米では元気なく235位の予選勝者相手に初戦敗退でした。得意のデビスカップでこの二人らしいプレーを再び見せてくれるでしょうか。  ちなみにエース対決のツォンガVSベルディヒはベルディヒの5勝2敗。今年はドバイで対戦しベルディヒが快勝しています。しかしツォンガの勝利のうちひとつは地元フランスのマルセイユで達成したもの。母国の大歓声を味方につけて相手エースを打ち倒せば一気にフランスの勝利が近づくでしょう。  ◎イタリア×スイス〔ホーム:スイス〕  バブリンカが覚醒したことにより世界ランク3位と4位を擁することになったスイス。この勢いで、準優勝した1992年以来2度目となる決勝進出を狙います。準決勝を戦うことすら2003年豪州戦以来11年ぶりというスイス、前回はフェデラーしか柱がなく、最終日にフェデラーがヒューイットに敗れたことで敗退が決まってしまったスイスですが、今回はフェデラー一人ではありません。バブリンカと合わせて二人ならきっと悲願のタイトルに届くはず…スイス国民の期待を背にジュネーブの地で準決勝に臨みます。  一方のイタリアは準々決勝ではイギリスを下して準決勝に進出してきました。かつて1976年には優勝もしているイタリアですが、近年はエラーニやビンチ、ペンネッタなどを擁して去年を含めここ10年で4度も優勝している女子が実績知名度共に大きく上回ります。ここで男子も意地を見せたいところでしょう。フォニーニとセッピの二枚看板ではありますが、控えにもロレンツィやボレリというトップ100の選手を揃え選手層はスイスに勝ります。  ポイントはバブリンカが関わるシングルス2つにダブルスの計3戦でしょう。準々決勝ではこの3つのうち2つを落としてあわや敗退というところまで追い込まれてしまったスイス。準決勝で同じ過ちは許されません。スイス有利の予想をするのは簡単ですが、かつてないプレッシャーの元で戦うバブリンカが準々決勝のように初日で崩されてしまうようだとイタリアにも勝機が出てきます。