錦織準決勝の記事の前にまずは錦織が追いかける側の3人をチェックしてみましょう。  まずブエノスアイレスではナダルが順当に準決勝まで勝ちあがってきました。準々決勝はわずか1時間2分、6-1,6-1での圧勝。準決勝のベルロクもかなり格下の相手でありまず負けることはないでしょう。そして決勝に先週苦戦したクエバスは来ません、モナコに敗れてしまったのです。モナコと準決勝で対戦するのはノーシードながら元トップ10選手のアルマグロ。昨年のバルセロナでナダルを破っているアルマグロのプレーに残り二日間の注目が集まります。 Great to see you happy and smile. Congrats @RafaelNadal! pic.twitter.com/i0UzrqCwDc— Rafael Nadal Fans (@RafaelNadalFC) 2015, 2月 28  一方ドバイではフェデラーが老獪なプレーを見せてコリッチの快進撃を食い止め快勝。素早い攻撃やネットプレーを織り交ぜ、コリッチに自分のリズムでプレーさせることなく6-2,6-1とわずか56分で押し切りました。その後準決勝に臨んだジョコビッチはベルディヒ相手に第1セット圧巻の6-0!しかし第2セットもあっさりブレイクして気が緩んだのでしょう。第2セットリードしたとこからブレイクバックされるいつもの悪癖で追いつかれ、さらにミスの連鎖が収まらずセットまで取られてしまったのです。しかし第3セットは立て直しなんとか6-4で振り切ったジョコビッチ。昨年の準決勝に続く両者の対戦が実現しました。 Djokovic def. Berdych 6-0, 5-7, 6-4 to reach final versus Federer at @DDFTennis. Read: http://t.co/2QzG6JuSf8 pic.twitter.com/vm1XmyxPXf— TENNIS.com (@Tennis) 2015, 2月 27  37度目の激突となる両者の対戦成績はフェデラーの19勝17敗。展望としては直近の対戦となった上海準決勝のプレビューとレビューがありますのでそちらを御覧ください。ただ違う点があるとすれば上海の時よりさらにジョコビッチの充実度が増しているということでしょうか。全米で錦織に負けて以降の成績は30勝2敗という驚異的な戦績で、さらに対トップ10に限れば14勝1敗という最早絶対王者と言ってもよいレベル。その唯一の1敗をつけたのが上海準決勝のフェデラーでした。ジョコビッチにとって本来ならそのリベンジはツアーファイナルズの決勝で行うべきものでした。だがフェデラーは負傷により棄権。あれから3ヶ月、ついに雪辱の機会がやってきました。  この二人は昨年の準決勝でも激突し、フェデラーがジョコビッチを逆転で下して勝ち上がりそのまま優勝。当時8位まで沈んでいたフェデラーの復活ロードはここから始まったのです。果たして今年はどんなドラマが待っているのでしょうか。一つだけ勝敗のポイントを挙げるとしたらフェデラーのネットプレー(とその前のアプローチショット)になると思います。素早い展開でジョコビッチからポイントをもぎ取りたいフェデラーは今夜もネットプレーを多用するでしょう。ジョコビッチがフェデラーのネットプレーをどう食い止めていくか、それにフェデラーがどう対抗するかに一つ注目です。  なおフェデラーは先日カルロビッチも達成している史上4人目の通算エース数9000本にあと5本と迫っています。そしてジョコビッチはツアー通算50勝達成に王手をかけています。どちらが勝利してもメモリアルな試合となることでしょう。