のんびりしていると気づけば前回更新から丸一月。 時が経つのは早いですね、ということで今回の更新です。 最初は錦織の3位可能性について書こうかなとも思ったのですが 各メディアで既に報道されているようで、 今回は3月のMS2連戦、インディアンウェルズとマイアミについて 記載しようと思います。 これらの大会はテニス大会のグレードの中で2番目、マスターズ(MS) と呼ばれる大会に属しており、2番目のグレードとはいえ、 トップ選手は全て出場義務があることから、事実上最高難度の大会の 1つと言えます。まあMSを最高難度と言ってしまうとGSやファイナルは どの位置づけだよということになってしまいますがそれはさておき。   MSは年間9大会あるのですが、4月にあるモンテカルロMSは唯一の 出場義務外の大会であり、それ以外のMSは基本的に56ドロー、 すなわち本戦に56名選手が入ることとなり、上位8名は2回戦からの出場、 同じく上位16名がシード選手となり、ベスト16までは対戦しないように 設定されています。また、基本的に大会期間も1週間となっており、 勝ち進むと2日連続の試合は当たり前、決勝まで勝ち上がると3日連続 というのも珍しくありません。 先の説明で、基本的にと述べたように、今回のMS2連戦は例外のMSであり、 96ドローの大会、上位32名までがシード選手となり、2回戦からの出場、 また大会期間も2週間となっており、GSと同様の長さではあるものの、 試合自体は3セットマッチと、テニス大会の中では比較的ゆとりを持った スケジュールとなっています。 そのため、詰まった日程だと体調が戻りきらないことの多い錦織に とってすれば、上位進出の見込みやすいMSとも言えるわけです。   なお、この2連戦MSのシード確定日は インディアンウェルズ:デ杯終了時点(3.9付けランキング) マイアミ      :インディアンウェルズ終了時(3.23付け) となっており、前々週大会終了時ランキングを用いる通常の大会とは システムが異なっています。 ちなみに既にエントリーリストが出ており、 錦織以外の日本男子勢は予選からの出場となっています。 これまた例外的で、通常の大会では本戦の前週に予選が組まれるのですが、 このMS2連戦は2週間あることから、本戦がある週の月火で予選が組まれており、 そのため、前週にデビスカップのある日本男子勢も気兼ねなく 予選からの参戦ができることになります。 なお、その内掲載予定の別記事で記載しますが、出場予定の男子勢の内、 添田、伊藤に関しては、今週の京都CHが好調であればそれぞれ予選の トップシードになる見込みが高く、本戦出場の可能性も十分考えられます。 また、ランクこそ140位台の西岡ですが、デルレイでベスト8進出した勢いを 考慮するとこれまた勝ち上がる可能性もあり、近年稀に見る MSでの日本男子複数出場(特に3人以上)が見れるかもしれません。   話はずれましたが、インディアンウェルズMSの結果が翌週のマイアミMS にかかってくることになります。ここで注目してほしいのが、 上位選手のインディアンウェルズMS並びにマイアミMS時点での 失効ポイントです。 まとめたものが次の表になります。   翌週 デ杯翌週 IW翌週 マイアミ翌週 ジョコビッチ 13,045 13,045 12,045 11,045 フェデラー 8,705 8,705 8,105 7,925 マレー 5,325 5,325 5,235 5,055 錦織 5,205 5,205 5,160 4,800 ナダル 5,425 5,425 5,380 4,780 ラオニッチ 4,980 4,800 4,620 4,440 バブリンカ 4,595 4,595 4,505 4,415 ベルディヒ 4,160 4,160 4,150 4,140 フェレール 4,185 4,185 4,185 4,095 ディミトロフ 3,055 3,055 3,010 2,965   久々にHTML使ったので合ってるかどうかも正直怪しいですが 上記の表のようになります。 ポイント加算なしで、各失効ポイントをそのまま減算した ポイントが上記の表となります。 見ての通り、マイアミで大きなポイントを占めるナダル、錦織が ポイントを落とし、マレーが3位、ナダルは5位まで落ちる 計算になります。   また、上記の表に対して、ランキング通りに全ての試合が 推移したと仮定したものが、次の表となります。   翌週 デ杯翌週 IW翌週 マイアミ翌週 ジョコビッチ 13,365:W,① 13,445:2W,① 13,445:W,① 13,445:W,① フェデラー 9,005:F,② 9,005:-,② 9,005:F,② 8,825:-,- ナダル 5,675:W,③ 5,675:-,③ 5,990:SF,③ 5,990:F,② 錦織 5,615:W,④ 5,615:-,④ 5,930:SF,④ 5,930:SF,③ マレー 5,460:SF,⑤ 5,540:2W,⑤ 5,630:QF,⑤ 5,810:SF,④ ラオニッチ 4,980:-,⑥ 4,980:1W,⑥ 4,980:QF,⑥ 4,980:QF,⑤ バブリンカ 4,595:-,⑦ 4,595:-,⑦ 4,685:QF,⑦ 4,775:QF,⑥ ベルディヒ 4,340:SF,⑧ 4,340:-,⑧ 4,510:QF,⑧ 4,680:QF,⑦ フェレール 4,335:F,⑨ 4,335:-,⑨ 4,425:R16,⑨ 4,515:QF,⑧ ディミトロフ 3,145:SF,⑩ 3,145:-,⑩ 3,190:R16,⑩ 3,235:R16,⑨   ポイントの右側が、前週(IW翌週ならIW)の大会での 成績(W=優勝、F=準優勝、SF=準決勝進出…)となり、 更に右の丸数字が、該当大会でのシード順位となります。 要するにこのシード順位通りの成績で推移した場合を 上記の表では指しています。 この表と前出の表の大きな違いとして、ナダルとマレーの 順位が入れ替わっている点が挙げられます。 単純に順位通りの推移をさせたので、ドバイアカプルコブエノス の週終了時の順位がそのままマイアミ終了時まで影響を 及ぼしているわけですが、 ここで注意してみてほしいのが、マイアミ大会の時点、 ナダルは第2シードとなっている点です。フェデラーが 欠場を表明していることから、3位が自動的に第2シードに なるわけですが、今週並びにIWが順位通りに進んでしまうと みすみす第2シードをナダルに譲ってしまうことになるわけです。   今週のドバイ、アカプルコ、ブエノスアイレスは、 少なくとも今試合を見てる限りでは上位陣は順当に ランキング通りの結果を残しそうに見えます。 まあディミは既に敗退してるので全てが上記表通りというわけでは ないですが、今週がランキング通りの結果となった場合、 マイアミ第2シードの争奪戦を考慮すると、 錦織はIWでナダル、マレーよりも多く勝ちあがりたいところです。   だらだらと書いてしまいましたが、今週並びにIWによっては マイアミでの第2シードも見えてくることから、それによる 更なる好成績が狙えるという好循環にあります。 逆に言えばこれを逃すと、他の選手にその好循環が回ってしまう わけで、大きい大会のためにも1つ1つの大会で着実に 結果を残していくのが重要という内容でした。 ……あれ、こんな話だっけか? まあともかく各選手が勝ち残る 今週の大会、錦織選手もいい結果を残して更に次へつなげてほしいところです。