錦織はアカプルコの高く弾むコートと強風を相手にミスが目立ったものの無事にストレート勝ち、1回戦を突破して史上254人目となる200勝達成となりました。アジア人としては史上3人目。錦織が昨年一気に順位を上げるまでアジア史上最高位「9位」を保持していたスリチャバン(タイ)、1970年代後半に活躍しアジア史上最高となる通算390勝と16タイトルを挙げたアムリトラジ(インド)以来となる記録です。  今日は錦織とトロイツキが同じアカプルコで通算200勝を達成するめでたい日となりました。現役では二人を含めて現在43人の選手が200勝を達成しています。錦織は43人の中で最年少です、下からはちょうど一歳差のラオニッチが184勝まで来ているものの錦織を追い抜かすまでには至りません。 ツアー通算200勝おめでとう!! #錦織圭 "@ATPWorldTour: Top seeds @keinishikori @DavidFerrer87 prevailed Tues. http://t.co/S3YAEjYCHb pic.twitter.com/YxuBuu3Fl3"— Jaguar Japan (@JaguarJPN) 2015, 2月 25  ところで、現役で勝利数の多い選手というと誰になるのでしょうか。いい機会なのでちょっと覗いてみましょう。  まずは400勝以上を達成している11人。  気の遠くなるような数字が並びます。フェデラーの数字は歴代3位、ナダルの数字は歴代10位Tとなります。ジョコビッチはまだ27歳にして歴代19位となっています、この先どこまで数字を伸ばすのかちょっと予測がつきません。勝利数というカテゴリーならフェデラーを上回ることもあり得るかもしれません。そして彼ら3人には劣りますが6位以降の中では群を抜いた数字をたたき出しているのがマレー。マレーもまた他の選手達を凌駕する存在であることが、この表からも読み取れます。  そしてフェレールとベルディヒの数字のすごさには驚かされます。実は二人ともテニス界の中での実績は相当なものなのです。ドバイで既に初戦突破を決めているベルディヒは2回戦を突破すれば史上45人目の500勝を達成します。既に600勝を達成しているフェレールは歴代16位の勝ち星を積み重ねています。これほどの二人なのにビッグタイトルはパリマスターズ1個取るのが精一杯というのが、この時代の異常さというべきなのでしょう。  次に300勝以上の16人を見てみましょう。  なんといってもデルポトロの数字が群を抜いています。タイトル数も勝率もこの表では断トツ。5位以下まで対象にした場合でもマレーに次いで2番目となるのです。それだけに怪我が惜しい。身体の強さはツアーを戦う上でプレーと同じように大事な要素だとわかっていても、それでも怪我がなければ…と思ってしまう逸材です。一度復帰してまた再離脱となってしまったのは残念ですが、なんとか復活してほしいものです。  デルポトロの1個下にいるソダーリングも同様に惜しすぎる存在でした。09年にナダルの記録を阻んだことで有名ですがその後一気に成長してトップ10の常連となり、2度の全仏準優勝、パリMS優勝、世界ランク最高4位など素晴らしい実績を持っています。まさにこれからというところで単核症(モノ)による長期離脱…現在も正式な引退はしていないものの、復帰は絶望的とされています。  勝率50%台前半まで来てしまうとちょっと低いかなという印象ですね、ベテラン勢の中には勝率がかなり落ち込んでいる選手が何人か見受けられます。しかしたとえ年間30勝しかできなかったとしても、10年勝ち続ければ300勝になります。勝率が低いながら400勝に達しようとしている81年世代の2人、二エミネンやF・ロペスなどはそれだけ息の長い選手であるという見方ができるでしょう。  最後に錦織も新しく加わった、200勝以上の16人。  勝率6割以上が二人います、錦織とイズナーです。彼らはここに長く留まることなく、さらに上のカテゴリーへ勝ち星を伸ばしていくことでしょう。しかし何と言っても目につくのはベネトーのタイトル数0。通算200勝以上でノータイトルな選手はベネトーと1970年代に現役生活を送った二人のみ、計3人となっています、きわめて異例の記録です。チャンスがなかったわけではなく決勝進出は計10度、優勝まであと1ポイントに迫ったこともある(一昨年のクアラルンプール)のですがまだタイトルはないのです。なんとか引退までに1つ取れるとよいのですが…