今週も世界ランキングが発表されましたので早速見ていきましょう。  マレーが3位に復帰を果たしました。マレーにとっては2013年10月以来となるトップ3です。代わりに4位に落ちたのがナダル。ナダルの4位陥落は13年8月以来となりました。またデルレイビーチの優勝ポイントを失ったチリッチがさらに落ちてとうとうディミトロフに抜かれてしまいました。ディミトロフは半年ぶりのトップ10復帰となりましたが、前年優勝しているアカプルコで準優勝以下になると再び11位に戻ってしまう見込みです。  前回記事でベテラン選手の好調をお伝えしましたが、ランキングのほうでもベテラン勢の勢いが見られます。昨年キャリアハイの14位を記録した33歳のフェリシアーノ・ロペスが現在絶不調のグルビスの代わりに13位に浮上、再びキャリアハイを更新することになりました。ロペスは負傷で離脱中のツォンガとの差もわずかとしており、来週さらに順位を更新する可能性があります。先週優勝した35歳カルロビッチもランキングを一気に6つ上げて09年5月以来となる23位に浮上しました。CH大会で優勝した34歳エストレラも48位に浮上してキャリアハイを再更新、自身が目標として語っていたトップ50入りをあっさり達成しています。  下位のほうではリオデジャネイロのベスト4に入ったハイダーマウアー(57位)や地元ブラジルでベスト8に入ったソウザ(77位)、それからグロース(69位)などがキャリアハイを更新しています。彼らはいずれも26~27歳の中堅選手となっています。   さてここからは今週皆さん大注目の3位争いに焦点を絞って見ていきたいと思います。  マレーは昨年アカプルコでベスト4に入った失効ポイントがあり(デビスカップの65PTに入れ替わる)、したがって加算前のポイントはナダルのほうが上になっています。錦織は準優勝でも4位までは浮上する可能性がありますが、マレーがベスト8までで早期敗退するという他力本願は考えないことにすると、キャリアハイのためには優勝が必須です!  錦織が優勝した場合、ナダルとマレーともに優勝を逃せば3位となります。ナダルの状態の不安定さとフェデラージョコビッチが控えるドバイのメンバーを考えれば実現可能性は決して小さくありません。ただしマレーが準優勝だった場合マレーには翌週のデビスカップで逆転できる(錦織はデビスカップ勝っても入替Pに届かない)可能性が残ります。  ナダルがきっちりブエノスアイレスで優勝した場合、マレーが敗退すれば錦織は4位となります。4位でももちろんキャリアハイ更新、そして4位は非常に大きな意味を持ちます。全員参加のマスターズやグランドスラムで第4シードまでに入ることができるのです。ただし、もちろん来週キャリアハイを更新できれば最高の結果ですが、戦いはむしろ再来週以降が本番です。たとえ5位のままでも皆さんには落胆しないでいただきたいと思います。これからいくらでもチャンスはあるのですから。