ナダルの去ったリオデジャネイロではフェレールがしっかり優勝し、今年早くも2つ目のタイトルをゲットしました。ナダルを破ったフォニーニでしたが準々決勝との2試合合わせて計5時間半を越える熱戦を戦ったダメージは大きく、過去0勝7敗のフェレールの前に成す術なく敗退となりました。  フェレールはこれがツアー通算23勝目。23勝のうち7勝が南米クレーシリーズ“Golden Swing”でのものとなっており、得意の季節にまた一つ優勝を積み重ねた形となりました。4月に33歳となるフェレールですが、今年は全豪で錦織に敗れたのみ、今季通算13勝1敗と年齢を感じさせない大暴れぶりを見せています。 Muy feliz de ganar en Río de Janeiro. Próximo destino Acapulco!! pic.twitter.com/haXF2g8OAH— David Ferrer (@DavidFerrer87) 2015, 2月 23  今週は3大会が行われましたが優勝者は全員が30代となりました、これは1975年以来実に40年ぶりの出来事なのだとか。圧巻だったのはデルレイビーチ。今月28日に36歳の誕生日を迎えるカルロビッチが1年半ぶりとなるツアー通算6勝目を挙げたのです。シード勢が総崩れする中で一人勝ち残った第4シードのカルロビッチは普段スライスしか使わないバックハンドで2本の見事なパッシングを決めるなど、終始ヤングを圧倒してタイトルを掴み取りました。  35歳11か月でのタイトル獲得はもちろんほかに例を見ない記録です。最近ではハースが35歳6か月という高齢でバレンシアのタイトルを獲得しているのですがそれすら上回る記録。カルロビッチの年長記録はなんとあのジミー・コナーズが89年のテルアビブで優勝して以来26年ぶりという快挙になりました。  デルレイビーチと同じく第1,2シードが敗退したマルセイユではフランス勢のシモンとモンフィスが決勝に進出してきました。お互い守備的ラリーの使い手でなおかつコーチまで同じという両者は試合通して非常に長いラリー戦を披露し、試合はもつれにもつれました。最終セットタイブレークまで譲らなかった両者でしたが、最後はモンフィスがバテバテ。最後まで変わらぬ戦いぶりを見せつけモンフィスに54本ものアンフォースドエラーを打たせた30歳シモンが久しぶりの優勝を飾りました。ツアー通算12勝目はあのヤニック・ノアに次いでフランス人史上二人目、ツォンガやガスケをも上回る名誉ある記録となりました。  またメキシコのモレロスで行われていた下部大会では先日最年長ツアー初優勝を収めたばかりの34歳エストレラが貫録勝ちで優勝しました。エストレラはこの優勝でさらにランキングを伸ばし、今週ついにトップ50入りを果たしました(48位)。この快進撃はどこまで続くのでしょうか?今週はアカプルコに参戦し、もし初戦を突破すれば錦織への挑戦となります。  今年の大会優勝者を年齢ごとに分けてみると、ある状況が見えてきます。  30歳過ぎたら現役生活はほとんど終わりみたいなもので、アガシみたいのは本当の例外だ!というのが常識だったテニス界に今何が起こっているのでしょうか。元気な30代選手達の姿を見られるのはうれしい反面、中堅クラスの選手層が厚すぎて若手陣の突破を許してくれない情勢になってしまっています。ゴファンのキャリアハイ更新の記事でゴファンが中堅選手たちに阻まれ続けていることを紹介しましたが、ラオニッチがマルセイユでボレリに、ディミトロフがロッテルダムでミュラーに敗れたように今、若手陣全体が押され気味です。この状況を現状26歳以下で唯一打破できそうなのが錦織。アカプルコと春のマスターズ2連戦でどこまで暴れてくれるのか、世界中が注目しています。