深夜の激戦を戦ってから20時間とたたないうちに準決勝に臨んだナダル。しかし第2セット以降急激に失速したナダルは最終セット5-6からブレイクを許しなんと敗退してしまったのです。フォニーニの最後のポイントは素晴らしかったのでここにも載せておきます。 Watch this: match point! Fabio #Fognini beats Rafa #Nadal on a sensational match point, #tennis #RioOpen http://t.co/WlcsNdWJnR— TennisTV (@TennisTV) 2015, 2月 22  さて来週の大会です。いよいよ来週を持って小さな大会が続いた1ヶ月が終わり、デビスカップ・ウィークを挟んだ後に春の山場、マスターズ2連戦が始まります。明日のランキングで3位に浮上するマレー、4位に落ちるナダル、5位から上を狙う錦織の三つ巴の争いはナダルの敗退によって一気に混戦となり来週の展開が注目されます。三人がそれぞれ違う大会で戦う来週の展望をお送りしましょう。 【アカプルコ】(ATP500、ハード)  メキシコ・アカプルコで行われるATP500大会は長年クレーの大会として知られていました。南米クレーシーズンのメイン大会だったのです。だが昨年リオデジャネイロが南米クレーのATP500として新設されたことで、地域的には南米よりむしろアメリカに近いアカプルコはメンフィスの代わりに2月北米シリーズのメイン大会となりました。メンフィスはインドアでしたがアカプルコはアウトドアハードになります。  出場者は第1シードから順番に錦織、フェレール、昨年優勝者のディミトロフ、そしてWCを使って参戦のアンダーソン。優勝候補筆頭は錦織となるでしょう。フェレールも好調ですがクレーで決勝まで戦った後の強行軍、果たして最後まで持つのかどうか。  今年のアカプルコは決勝が土曜日に組まれておりわずか6日間で大会を終える強行日程、錦織は火曜日から怒涛の5連戦となります。初戦は予選勝者のA・ゴンザレス。2回戦ではデルレイビーチでアンダーソンを撃破した台湾のルーと、最年長初優勝を達成するなど現在勢いに乗っているエストレラの勝者との対決となります。ここは序盤ながらちょっと楽しみな対戦です。  準々決勝ではおそらく第5シードのドルゴポロフまたはグロースあたりとの対決、準決勝は第4シードのアンダーソン、トロイツキ、ジョンソンあたりとの対決となるでしょう。ディミトロフやカルロビッチといった強敵は反対側に配置され錦織にとっては比較的な楽なドローとなっています。  一番きついドローとなったのは第3シード、前年優勝者のディミトロフでしょう。2回戦で先週決勝まで勝ち上がったヤング、準々決勝でそのヤングを破り優勝したカルロビッチ、そして順当なら準決勝でフェレールとの激突です。500ポイントをディフェンドするにはあまりにも過酷なロード。現在不調のディミトロフにとっては泣きっ面に蜂とも言える事態ですが、こういう時こそ意地を見たいとも思います。 【ドバイ】(ATP500、ハード)  ジョコビッチ、フェデラー、マレー、ベルディヒ。ATP屈指の高額賞金大会ドバイに今年も強者が集いました。09年以降過去6年連続でジョコビッチとフェデラーが優勝を独占しており、03年以降で見ても彼ら二人以外の優勝者はナダルとロディックが1回づつのみという、BIG4支配を象徴するような大会になっています。  第1シードはもちろんジョコビッチ。今のジョコビッチの実力から考えて負けそうな相手は準決勝まで一人もいません。第4シードのベルディヒに対しても対戦成績17勝2敗と圧倒しています。悠々と決勝に進みフェデラーとマレーを待ち構える…そんな光景が浮かんでくるようです。  昨年準決勝でジョコビッチを破り優勝したフェデラーが第2シード。通算6回目の優勝はフェデラー復活の狼煙となり、この後もの凄い勢いでポイントを積み重ねていくことになりました。初戦で対戦するユーズニー、ベルダスコ、ガルシアロペス、第7シードのアグート、ガスケ、全豪で敗れたセッピ・・・フェデラーのブロックには中堅どころの実力者達が沢山集まっています。彼らを退け無事に準決勝に進むことができるか。全豪でのまさかの3回戦敗退からしっかり立て直しているかを見るにはいい試金石となることでしょう。  順当ならフェデラーと準決勝で激突するのがマレー。ロッテルダムでは準々決勝でシモンに敗れる波乱でポイントを伸ばせませんでした。初戦で現在好調のミュラーを引いていて危険ですが、ここをしのげばきっちり勝ち上がってきそう。問題は現在3連敗中で対戦成績も逆転されてしまった対フェデラー。直近の対戦スコア「6-0,6-1」はマレーにとって一生忘れられない屈辱でしょう。そろそろリベンジしてやらなければなりません。 【ブエノスアイレス】(ATP250、クレー)  リオ敗退のショックを引きずるナダルが次週のブエノスアイレスに連続参戦します。ナダルは2月の南米シーズンでもアカプルコやサンパウロなどで優勝経験がありますが、このブエノスアイレスではありません。05年に一度だけ参戦したことはあるのですが04年全仏覇者のガウディオに敗れています。  ブエノスアイレスは南米クレーシーズンの最終戦。過去3連覇していたフェレールは今年アカプルコに参戦するためいません。ナダルの優勝を阻むものはナダル自身の調子となるでしょう。リオデジャネイロ準決勝では体力が尽きたのか急激に失速し敗れてしまったナダル。もちろんスケジュールは過酷でしたがかつてのナダルはクレーでこんな酷い敗退はしなかったものです。13年の復帰ツアーですら2大会で準優勝と優勝という結果を残しています。もしブエノスアイレスでも優勝を逃すようなら…  参戦者はリオでナダルと対戦したフォニーニやクエバス。今大会はクエバスが第3シードとしてナダルと逆側ブロックにいます。第2シードのロブレドは現在絶不調で、ナダルと決勝で対戦するのは順当ならクエバスということになりそうです。