強い錦織でした。錦織は立ち上がりアンダーソンのミスにつけ込みいきなりブレイク。第4ゲームで長いデュースの末3度目のBPでブレイクバックを許したものの、その後は一切BPすら与えない盤石のサービスキープでした。準決勝までは目立ったつまらないミスも大分減ったのではないでしょうか。安心して見ていられました。  アンダーソンは単純化して言ってしまえばベルディヒをサーブ寄りに特化させたようなプレイヤー。サーブが強力ですが、ストロークはビッグサーバー達ほどではありませんがやや不得意。今日もストローク戦になるとミスが目立ちました。ならリターンを入れれば錦織の勝ちのようなものです。4-4から1stサーブに食らいついた錦織に15-40とチャンスが訪れます。ここで錦織のリターンはDTLに突き刺さってリターンエース!続くゲームを錦織がキープして第1セットをあっさり奪いました。準決勝までの3戦でいずれも落としていた第1セットを取れたのです。  第2セット以降は錦織が一方的に押し込みました。第4ゲームでパッシングのバックハンドDTLが炸裂、アンダーソンの横を抜き去ってブレイクを奪うと後はひたすら錦織がキープを続けました。最初のMPを握るまで、錦織の第2セットサービスゲームのポイント獲得率はなんと19/20(95%)!ダブルフォルトで1個落としただけという圧巻のキープでした。  MPを握ってちょっと緊張したのか、ミス3つでデュースに持ち込まれたもののそこから落ち着いて2ポイント奪い勝利。最後のラリー後勢いあまって観客席の前まで行った錦織は観客とハイタッチして喜びを表した後ネットに向かいました。素晴らしい勝利でした。 Kei had a rockin' week, didn't he? #MemphisOpen pic.twitter.com/qx3teGHf8P— Memphis Open (@memphisopen) 2015, 2月 15  一方ロッテルダム決勝で激突したのはバブリンカとベルディヒ。序盤はベルディヒが有利に試合を進め、フォアに比べると弱点とされてきたバックハンドからも容赦なく強打を叩き込みます。まず第1セットはベルディヒが先取。  だがベルディヒが第2セット中盤以降フォアハンドでミスを連発し始めると、それまでも決して悪くなかったバブリンカが一気に試合の流れを持って行ってしまいました。第2セットをベルディヒのミスに乗じて取り返すと第3セットではあっという間に2度のブレイク!特に二度目のブレイクは完璧でした。代名詞のバックハンドDTLで2度の完璧なウィナーを奪ったのです。4-0にされてようやく目が覚めたベルディヒは1ブレイクを返したものの時既に遅く、バブリンカが逃げ切ってロッテルダム優勝を果たしています。  一昨年まで250大会でしか優勝のなかったバブリンカでしたが全豪、モンテカルロMSに続いてロッテルダムも取ったことでATP全カテゴリー(09年の制度改定後)の制覇を達成しました。これはBIG4の4人に次ぐ史上5人目の快挙です。 Pick-up of the day from Stan Wawrinka http://t.co/WOBnOD79eb— TennisTV (@TennisTV) 2015, 2月 15  残る一つの大会、サンパウロでは第5シードのクエバスが優勝しています、予選を勝ち上がってF・ロペスの棄権で空いた枠に入り、奇跡の快進撃を起こして決勝まで勝ち上がったバンニを最終セットタイブレークの末に食い止めての勝利でした。クエバスは直近1年間で三度目のクレータイトル獲得となっており4月以降のクレーシーズンでは要注意選手の一人となるでしょう。