ロッテルダムではベルディヒとバブリンカが決勝へ。サンパウロではクエバスと29歳の無名選手、バンニがあれよあれよと決勝に勝ち上がりました。そしてメンフィスでは激闘に次ぐ激闘を制しなんとか勝ち上がった錦織が、第2シードのアンダーソンと対戦。決勝は明日の朝6時からの予定です。明日のブロクの見出しを「錦織3連覇!」と書ければいいのですが。  さて来週の大会を見てみましょう。来週は500大会のリオデジャネイロと、250大会のマルセイユ、デルレイビーチが行われます。 【リオデジャネイロ】  南米クレーシーズンのメイン大会となるリオデジャネイロは、今年が2回目という新設大会です。来年のオリンピックに向けての大会新設で、このまま五輪もクレーかと思いきや来年五輪直後に開催されるシンシナティMSと同様の高速ハード採用ということでこれはかなりの驚きでした。  もちろん第1シードは昨年初代王者に輝いたラファエル・ナダル。リオのカーニバルが始まり熱気が最高潮のリオデジャネイロでは気温も38度を記録しているようでテニス選手にとっては暑さが気になります。ナダル自身も「条件は皆同じ」としつつも暑さと湿気が収まることを願っているようです。まだまだ病み上がりのナダルにとっては体力を削られるような事態は避けたいところでしょうからね。初戦ではいきなり地元ブラジルのトップ選手、ベルッチと対戦します。ナダルの調子を測るには絶好の相手でしょう。  だがナダルとて昨年のクレー以降の調子なら盤石ではありません。昨年のこの大会では今年も参戦するアンドゥハルに後1歩のところまで追い詰められています。他の選手も虎視眈々と打倒ナダルの機会を狙っているはず。もちろん対抗馬の筆頭は昨年モンテカルロでナダルを破っている第2シードのフェレールとなるでしょう。  また一昨日サンパウロの準々決勝で対戦した第5シードのクエバスと今週怪我からの復帰後初勝利を挙げ上り調子のアルマグロが再び激突、今度は初戦です。二人はアルマグロの復帰戦でも対戦しており、なんと2ヶ月で3度目の対戦となりました。2回ともクエバスが勝利していますが今週はフルセットにもつれており、アルマグロにもチャンスはあります。  若手陣のヴェセリ、カレーニョ、シュワルツマンも引き続き南米周り。そろそろ勝ち上がってきてほしいなあ。 【マルセイユ】  一方欧州インドアシーズンはロッテルダムに続いてマルセイユで行われます。その次のドバイはアウトドアハードなので、ここマルセイユが欧州インドアの最終週と言ってよいでしょう。  参戦者はロッテルダムの準決勝で激闘を繰り広げたバブリンカとラオニッチ。二人共まだ入れ替りポイントには余裕があり、更なるポイント獲得を目指します。ここはATP250ながら欧州拠点のトップ選手が毎年集います。過去には03年に当時まだ6位だったフェデラーが、08年には当時11位のマレーが優勝しています。彼らはその年に大きく戦績を伸ばしフェデラーが2位、マレーが4位を記録しました。もしラオニッチが優勝すれば…?  だがラオニッチ優勝への道は中々厳しいものとなっています。マルセイユは250大会にしてはかなり充実した選手層を誇るのです。準々決勝で当たるだろう第7シードには地元モンフィスがいます。準決勝で当たりうるアグーとゴファンのブロックは混戦模様で一息つけるかもしれませんが、ゴファンの初戦相手、ザグレブ準優勝者のヤノビッツが厄介です。勝ち上がったら間違いなく脅威となるでしょう。  一方バブリンカのブロックには唯一シモンぐらいしか対抗できる選手は見当たりません。シモンはロッテルダム準々決勝で12連敗中だったマレーを破り勝ち上がったものの、過去6勝3敗と得意にしていたベルディヒとの準決勝は精細を欠いて完敗でした。ちょっと大会始まってみないと調子を読めなさそうな気がします。3回戦まで勝ち上がった全豪からモンペリエ、ロッテルダムに続く4大会連続参戦でもあり、疲労も心配となると、自滅さえ避けられればバブリンカがしっかり勝ち上がってくるのではないでしょうか。 【デルレイビーチ】  錦織が記念すべき初優勝を飾った大会として、日本人の間でもなじみのある大会です。参戦者はほぼメンフィスから錦織を抜いただけといった感じのメンバー構成となっており、第1シードにアンダーソン、第2シードにイズナーといった参戦者となっています。今週好調だったクエリーやヤングも参戦。クエリーは今度第6シードとしての参戦となります。