ロッテルダムは元気な中堅選手が大いに上位陣を苦しめましたが、最終的には第1~4シードのトップ10選手が全員ベスト8に残りました。この辺はさすがと言うべきでしょう。  6年ぶりの優勝を狙う第1シードマレーは順当に勝ち上がっています。初戦はやりたい放題38本のウィナーを奪って圧巻の勝ち上がり。2回戦では第2セットでミスから一瞬崩れてSPを握られたものの、30本に及んだロングラリーを制しそこから一気に逆転してストレート勝ち。準々決勝では曲者シモンと対戦しますが過去の対戦成績12勝1敗、しかも直近12連勝中とマレーが大きくリードしています。優勝が条件となる3位復帰も見えてきました。 Best point of the match? Top seed #Murray shows why he's at the top of his game in this 30 rally epic. http://t.co/hYOWxHR0YN— TennisTV (@TennisTV) 2015, 2月 12  そのマレーを準決勝で食い止めたいのはディフェンディングチャンピオン、第3シードのベルディヒ。ここまで順調に勝ち上がっていますが内容があまりよくないのが気になるところ。初戦のカムケ戦では6-0,5-1から5-5まで追いつかれてしまう不安定な試合に。2回戦のセッピ戦も好調な対戦相手から第1セットさくっと奪ったのに第2セットDF絡みで落としてしまうという締まらない展開となりました。準々決勝では第7シードのアグーをストレートで破ったモンフィスと対戦します。ロッテルダムの層の厚さから世界20位なのにノーシードとなったモンフィスですが実力的には下位シードと全く遜色ありません。過去の対戦成績はベルディヒが3勝1敗とリードしていますが、直近の対戦となった13年全仏では4時間以上の死闘の末モンフィスが勝利を収め、ベルディヒを初戦敗退に追い込んでいます。  反対側ブロック、第2シードのラオニッチは初戦こそもたついたものの2回戦はラオニッチらしい試合で勝ち上がっています。ドローにも恵まれ、準々決勝で対戦するスタコフスキーはベスト8の8人の中で最も下位の選手です。新しくサントロを師匠につけたスタコフスキーは若干不気味な存在ですが、実力差は大きくラオニッチが負けていい相手ではないでしょう。  ラオニッチが準決勝で対戦するだろう第4シードに入っているのはバブリンカ。バブリンカは1回戦2回戦ともフルセットで何とか勝ち上がってきました。特に2回戦は厳しい戦いに、というのも対戦相手が全豪の4回戦でも激突し、先週のザグレブでは優勝を飾っている絶好調のガルシアロペスだったのです。3度のSPを逃した末に第1セットを奪われる苦しい展開でしたが、第2セットで1st確率90%を記録するなど怒涛の反撃で追いつき、第3セットは第1ゲームの15-40から代名詞のバックハンドDTLを炸裂!続く第3ゲームでもフォアハンドでリターンエースを叩き込んでもう一つブレイクを奪い勝利を決定づけました。これぞトップ選手と言うべき試合でした。  バブリンカのブロックには第5シード・ディミトロフもいましたがディミトロフは2回戦でミュラーにあっさりとストレート負けを喫しています。ディミトロフは全米以降スランプに陥っている印象があります…。初戦でもMPまで行かれてからの逆転勝ちと精彩を欠いているディミトロフ、このままズルズルと落ちて行ってしまうのでしょうか。全豪でもベスト16に入るなど好調のミュラーが今夜バブリンカに挑みます。 Kei Nishikori through to Memphis Open quarter-finals: Two-time defending champion Kei… http://t.co/BdHxyJdLoP pic.twitter.com/0cEfODkfgF— Brisbane Journal (@brisbanejournal) 2015, 2月 12  一方、オランダ・ロッテルダムから遠く大西洋を隔てたアメリカ・メンフィスで戦うのはわれらが錦織圭。明日の準々決勝ではまたしてもアメリカ勢、カルロビッチを破って勝ち上がってきたクライチェクと対戦することになりました。勝ち上がれば準決勝ではイズナー対クエリーというアメリカ勢トップ二人の勝者と対決することになります。今大会充実した勝ち上がりを見せているアメリカ勢との連戦はしんどいですが、しっかり勝ってほしいものです。