インディアンウェルズ、マイアミのシードについて
こんばんは。
昨日驚きのニュースが入ってきました。
リオ五輪のサーフェスについてですが、ITFによると高速ハードが採用されたようです。
これは完全に予想外でした。知っての通り南米はクレー文化が強い国。今月はクレーシリーズが開かれている土壌です。ボゴタのようにハードの大会も開かれていますが、リオデジャネイロは他ならぬクレー500の大会を開いている都市。どういう趣があったのかはわかりませんが、よりにもよって完全に逆の高速ハード(シンシナティなどの超高速サーフェス)だそうです。
別の施設を使うの?既存のクレーコートは使わないのか?地元勢から批判は出ないのか?
いろいろ疑問は絶えないのですが、もっと不安なのは日程です。
シンシナティのサーフェスに合わせることが納得できる理由は、8/5~8/21の会期がちょうどカナダ~シンシナティの時期だからです。
マスターズは興行面からすっ飛ばすことは考えにくいので、カナダ~五輪~シンシナティなどの3週連続強行日程が組まれることが濃厚です。
ていうかここまでするならテニスを別日程にするとか、なんか方法はないのか…と言いたいところです。
3週連続の後1週おいて全米とか死人が出てもおかしくない日程です。
そしてもう一つ興味深いコメントがありました。
ジョコビッチ断言「我々ビッグ4と錦織には差がある」「まだ練習を積む必要がある」
夕刊フジの記事ということでスポーツ専門メディア外の記事ですので訳などいろいろと不透明なところはありますが、しかしジョコビッチは以前からこのようなスタンスの意見をずっと持っている選手ですので、現在のところもこれが本心で、まだ差があると考えているのでしょう。
自身が万年3位を揶揄された経験を持っているだけに、真のトップとは何かを両側面から知っているジョコビッチの言葉は重いです。
「Young Guns」にとっては全豪の結果がまさにその証明になってしまったわけで、これからの奮起に期待したいところです。
さてここからが本題です。
ランキング予測に該当しますが、内容はシンプルに3月マスターズのシードについてです。
まずおさらいですが、シード付けは基本的にドロー抽選を行う地点での最新の世界ランキングによって決まります。
ですので例えば月曜日から始まる大会は土曜日くらいにドロー抽選があります。よってその前の週のランキング採用されることが多いです。
ですがインディアンウェルズ、マイアミは特殊です。
木曜日から次の次の日曜日まで、11日間の日程で行われ、その結果ドロー抽選は本年度で言うと3/9、3/23のランキングが採用されます。
これが特殊な理由は実はインディアンウェルズの成績がマイアミのシードに反映されるということです。
例えばカナダ→シンシナティの2週連続開催だと、シンシナティのドロー抽選はカナダの開催中に行われてしまうので、カナダの成績は反映されません。
しかしマイアミはインディアンウェルズの成績も反映されるので、インディアンウェルズで活躍すると2倍おいしいのです。
というわけでマイアミのシード付けを考えるのはあまりにも机上の空論すぎるので(1000pが動きますから)、インディアンウェルズのシードを考えていこうと思います。
現状下位と大きな差があるトップ11についての議論をしていきます。
まずは月曜付のランキングです。デ杯の失効分はちゃんと入っています。
はい。実にポイントが詰まっているのがわかるのですが、この4週間で各選手が失効対象になっているポイント(ベスト18にカウントされていない大会は除く)はこちらです。
ジョコビッチ→ドバイ180
フェデラー→ドバイ500
ナダル→リオ500
マレー→アカプルコ180
錦織→メンフィス250
ラオニッチ→なし
ベルディヒ→ロッテルダム500、ドバイ300
チリッチ→ザグレブ250、ロッテルダム300、デルレイ250
バブリンカ→なし
フェレール→ブエノスアイレス250、リオ180
ディミトロフ→アカプルコ500
特徴的なのはベルディヒです。昨シーズン3月までに2000p稼いだベルディヒはロッテルダム、ドバイで稼げないと一気に順位を落としそうです。
一方昨シーズンこの時期をけがで飛ばしたラオニッチとバブリンカはチャンスです。失うものが何もなく攻めていくのみです。
もちろん各選手このポイントがそっくりそのまま消えるわけではありません。その他6大会にカウントできる大会がたくさんあれば、ポイントが消えても別の大会が補うことで最小限に抑えることができます。
例えば錦織圭のメンフィス250pは、ハレやワシントン、ブリスベンの90pが補うので実質-160pにとどまります。
このようにして各選手の2月の成績をごっそり抜いたポイント、つまり2月に1勝もできなかった場合のポイントはこちらになります。
ご覧ください。3位が大接近戦となります。
実はナダルはその他大会のポイントの置き換えがないので、なんとリオデジャネイロ500の失効は直接ダメージになります。
一方マレーはアカプルコ180がデ杯やクイーンズで置き換えられ、錦織も160pのマイナスで収まるのでポイントが縮まります。加えてラオニッチに至ってはマイナスなし。3~6位までが400p程度に収まる大混戦です。
一方ベルディヒは順位を落とし、3週連続決勝進出のチリッチも順位を落とします。実はバブリンカは何もしなくても7位まで戻れる可能性があります。
またディミトロフはアカプルコでの大幅マイナスが痛く、トップ10が遠ざかります。
チリッチは後述の理由により順位を落とすので、8~9位争いもほぼ絞られています。
さて現実的に3位争いはどうなるのでしょうか。ここで11選手の参戦予定(確定)を並べてみます。
ジョコビッチ→ドバイ
フェデラー→ドバイ
ナダル→リオ、ブエノスアイレス
マレー→ロッテルダム、ドバイ
錦織→メンフィス、アカプルコ
ラオニッチ→ロッテルダム、マルセイユ
ベルディヒ→ロッテルダム、ドバイ
チリッチ→(アカプルコ)
バブリンカ→ロッテルダム、マルセイユ
フェレール→リオ、アカプルコ
ディミトロフ→ロッテルダム、アカプルコ
特に4つの500の大会が注目です。
ロッテルダム→マレー、ラオニッチ、ベルディヒ、バブリンカ、ディミトロフ
リオ→ナダル、フェレール
ドバイ→ジョコビッチ、フェデラー、マレー、ベルディヒ
アカプルコ→錦織、フェレール、ディミトロフ、(チリッチ)
来週のロッテルダムがまずカギになります。マレーの成績も注目ですが、ここでラオニッチが優勝するようだと話が変わってきます。またバブリンカが勝つと一気に伸ばしてくるので3月マスターズ時に追いつく可能性もあります。
そして穴場に見えるリオですが、ナダルの結果が注目されます。
勝てば勝つだけ加点されるので、3位のボーダーはこのリオの結果に大きく左右されます。
またフェレールは2週連続サーフェスの違う500に出場、この判断が吉と出るか凶と出るか注目です。
チリッチは結局けがの回復が悪く、デルレイまでのすべての大会とデ杯の欠場を発表しており、アカプルコの欠場の可能性もかなりあるとみています。オフィシャル発表がないのでカッコ書きしています。チリッチが出るかどうかでアカプルコの密度が変わるのでこの動向も注目しておきたいところです。
さて最後に。今のところ錦織はメンフィス+アカプルコ連続優勝で5615pまで伸ばせます。
ナダルがリオで優勝してしまえば意味はなくなりますが、仮にリオで優勝できなかった場合、ブエノスアイレスは最大でも250pなので、3位の可能性は十分にあります。
マレーも不気味ですが、ドバイ優勝はジョコビッチ、フェデラーがいるので相当難しくロッテルダムで優勝がないと5615pを上回ることはないでしょう。(一応ロッテルダムF+ドバイSだと錦織を上回る)
ここからわかる通り、来週はものすごく大事な週になります。メンフィスの結果はもちろん、ロッテルダムの結果が3月を大きく左右しそうです。それでは。