遅くなりましたが今週の世界ランキングを見ていきましょう。  マレーの4位復帰がなんといっても大きなニュースになるかと思います。これが真の意味でのBIG4復帰かどうかについては賛否両論でしょうが、個人的には「この4人だからこそのBIG4だとか4強」というスタンスなので素直にこの順位は順位通り捉えたいと思います。ただし11~13年と比べるとその差が詰まっているのは確かです。5位以下(正確に言えば4位以下ですが)の大混戦を抜け出せる選手がもし出てくれば、その選手はBIG4の揃い踏みを再び切り裂き、より上位に食い込んでくることでしょう。  錦織5位、ラオニッチ6位。彼らは4強の後ろにピタリとつけました。この位置が現在の二人の実力と考えてほぼ間違いないかと思います。ここから今年終わるまでにどこまで順位を上げることができるでしょう?もちろん目指すは上だけですが、下からもベルディヒやバブリンカといった今年30歳になる二人が負けじと追い上げてくることでしょう。彼らの追撃も振り切らなければなりません。  より下位を見てみましょう。キャリアハイ更新者は以下の5名。ゴファン(21位)、キリオス(35位)、ミュラー(36位)、ジャジリ(65位)、グロース(70位)。全豪ベスト8のキリオスは一気に18ランク上げてトップ選手の一人として名を連ねてきました。ここまでGSを除くATPツアーではわずか1勝しか挙げたことのないキリオスですが、これからは普通の大会でも見かけることになるでしょう。果たしてどんな戦いを見せてくれるのか非常に楽しみです。  こっからは別の話題に入ることにします。2月は小規模な大会が続きますが、続く3月はテニス界にとってちょっと特殊な1か月となります。もともと大規模マスターズ二つがどっしり居座るスケジュールだったのですが、更に今年からデビスカップが入ってきて通常の大会は一つも開催されないことになってしまいました。デビスカップ→インディアンウェルズMS(2週間)→マイアミMS(2週間)。今年の3月は下部大会を除くとこの3大会しか開催されません。そしてデビスカップの週に発表されたランキングがインディアンウェルズとマイアミのシード順を決めることになります。となると、気になるのはその時の各選手の順位。この記事では2月の各選手の動向を見ておくことにしましょう。  トップ2は悠々とドバイに参戦。ドバイの優勝者は過去6年間この二人が独占しており今年もどちらかが優勝するでしょう。ナダルはクレーコート2大会に参戦して試合勘を戻しにかかります。赤土に戻ってくるナダルがどんなプレーを見せてくれるのか注目です。  そして4位以下の各選手はチリッチを除いて全員が来週からの3週間のうち2週間に出場します。チリッチは本来今週のザグレブも含めて4週連続参戦の予定だったのですが、右肩の負傷が癒えずロッテルダムとデルレイビーチの欠場を既に表明済、残るはアカプルコのみ。アカプルコにも参戦できるかは不透明な状態となっています。おそらくこのポイント失効により1か月後チリッチは10位もしくは11位まで落ちるものと思われます。  錦織とラオニッチの若手二人は250大会で確実にポイントをセーブして500大会に挑むというスケジューリングを採用しました。錦織のメンフィス優勝は確かに濃厚ですが、ラオニッチがすんなりマルセイユを優勝できるかというと、参戦予定者を見る限りそう簡単には行かなそう…  ディフェンドするポイントが目立って多いのは800ポイントもあるベルディヒと、500ポイントのディミトロフですね。ベルディヒはロッテルダム優勝がありますが、昨日の記事でも触れたようにロッテルダムの参戦者は非常に充実しており連覇は厳しく、ナダル以外のBIG4が集結するドバイで準優勝ポイントを守るのも困難です。ディミトロフはアカプルコ連覇できれば言うことなしですがこちらも簡単な作業ではなく、できればロッテルダムでも稼いでおきたいところでしょう。ただし90ポイント以下しか稼げないとポイント増えません、準決勝進出は絶対です。  チリッチの下落も考えるとバブリンカがトップ8に復帰して1~7位+バブリンカの計8人がMS2連戦のトップシードとなる可能性が高いです。そうなると焦点は第4シードの行方に絞られます。マレーが順当に守りきるのか、錦織がアカプルコで一発逆転するのか。数字上はラオニッチにも可能性はありますが…