世界ランキングを振り返る前にまずは今週の大会について見て置かなければなりません。今週はATP250が3大会開催されます。  この週は毎年デビスカップが行われていた週です。しかし今年からデビスカップは3月頭に移動となりました。錦織含むトップ選手は全豪後に1週間休みを取れるようになったわけです。その代わり昨年2つ行われていたこの週にはさらに新しく大会が追加されました。中位~下位の選手達にとってはここが稼ぎどころとなるでしょう。  ザグレブとモンペリエは「欧州インドアシリーズ」の幕開け。新設されるキト大会は「南米クレーシリーズ」の開幕戦となります。  【ザグレブ】(インドアハード)  クロアチアで開催される250大会。クロアチアは地味にと言ったら失礼ですが多くのトップ選手がいます。この大会は地元勢の一人チリッチが連覇してしましたが、全豪欠場の原因ともなった肩の怪我が未だ癒えず出場を取りやめています。代わりに第1シードに座ったのは同じく地元勢のカルロビッチ。実はカルロビッチは今月末に36歳の誕生日を迎えるにもかかわらず地元大会の優勝がありません。今回は絶好のチャンスとなるでしょう。  地元の期待を背負ったコリッチは先ほど敗れてしまいました。注目勢力を挙げるとしたら「カムバック勢」でしょうか。前哨戦のシドニー大会で復活優勝を飾り全豪でも3回戦まで勝ち上がったトロイツキや、同じく全豪で3回戦まで勝ち上がりディミトロフをフルセットまで追い詰めたバグダティスといったかつてのトップ選手達が参戦しています。トロイツキは46位、バグダティスは67位までランキングを戻してきています、彼らの更なる順位上昇はあるでしょうか?  日本勢は添田豪が参戦しています。初戦は予選勝者との対決で、勝てばトロイツキへの挑戦です。 【モンペリエ】(インドアハード)  こちらは同じインドアハードでもフランスで開催される250大会。こちらも昨年優勝者は地元勢の一人モンフィスでした。ディフェンディング・チャンピオンのモンフィスは今年第1シードとして参戦します。もちろんフランス勢の参戦者が多く、モンフィスの後に続くのはガスケやシモンといった面々です。期待の若手の一人、プイユもWCを貰って参戦します。  日本勢は伊藤竜馬と、予選を勝ち上がったダニエル太郎が参戦しています。伊藤はベルギーのダルシスと、ダニエルは地元勢のマチューとの対戦となりました。ふたりとも勝てない相手ではないのでぜひ初戦突破を果たしてほしいものです。 【キト】(インドアクレー)  南米クレーシリーズの開幕戦は今年から1週前倒しになりました。その新設大会の開催地に選ばれたのはエクアドルのキト。トップシードにはF・ロペスやベルダスコが入って一応見栄えは整ったものの、少々さびしいメンバーとなってしまいました。南米勢ではトップシードとなる第2シード・コロンビアのヒラルドの奮起に期待しましょう。  逆にこういう大会はどの選手にとっても優勝のチャンスです。日曜日にはツアー初優勝の選手が出ているかもしれません。  来週は欧州インドアハードシリーズが本番のロッテルダムを迎えます。現在マレー、ラオニッチ、ベルディヒ、バブリンカ、ディミトロフがらが集結予定とハイレベルな激戦に期待です。またアメリカでもインドアハードシリーズが始まり、メンフィスに錦織が参戦します。来週以降の戦いをあれこれ想像しながら皆さん1週間を過ごしてください。