いやあ。マレー強かったですね。とは言っても最初に押し込んでいたのはベルディヒでした。ベルディヒが第8ゲームでマレーのサーブをブレイクしたとき、ベルディヒのプレーは最高レベルだったはずです。1stサーブは実に9割近い確率で決まり、ストロークも好調。が、直後のサービング・フォー・ザ・セットをミス連発で落としてしまうと途端に崩れてしまいます。第1セットこそタイブレークの末に奪えたものの第2セットからは一方的な展開に。0-6で落としてしまった第2セットも酷かったですが、もっと駄目だったのは第4セット。5-5からDFを含むミス4発でサービスゲームを失うという最悪の展開。実力はあるのに勝てない…またしてもベルディヒは自らのメンタルの酷さを証明してしまったのでした…  一方のマレーは存分に持ち味を発揮。ストローク戦にお付き合いしてくれたベルディヒの愚策を逃さず自らの世界に引きずり込みました。ラリーも繋ぎながらその中で1本ごとにコース速度回転と様々な変化をつけ、ベルディヒにラリーの主導権を握らせません。コートカバー力も驚異的でオフシーズンのハードワークの成果が伝わってきました。マレーの必殺技、カウンターまでも冴えわたりました。公式で今日のハイライトに選ばれたプレーなど見事なプレーを披露しています。  悲願を成し遂げた13年ウィンブルドン以来となるGS決勝進出を果たしたマレーは、新コーチのモレスモに感謝の意を述べました “I think so far this week we’ve shown that women can be very good coaches.” これまでモレスモには批判の声も多かったのですが、それを結果で見返してみせた師弟コンビでした。そしてマレーは来週の世界ランキングで4位以上(優勝すれば3位)になることが決まっています。2013年6月以来となる、世界ランキング1~4位のBIG4揃い踏みが実現するのです。  それでは本日のプレビューといきましょう。マレーと決勝を戦うのは? 【準決勝第2試合 ジョコビッチVSバブリンカ】 2013年全豪4回戦 ジョコビッチ 1-6, 7-5, 6-4, 6-7(5), 12-10 バブリンカ 2014年全豪準々決勝 バブリンカ 2-6, 6-4, 6-2, 3-6, 9-7 ジョコビッチ 2015年全豪準決勝 …  かつて二度、13年全米準決勝も含めれば三度死闘を繰り広げた両雄が3年連続の激突となりました。対戦成績自体はジョコビッチが16勝3敗と圧倒的にリードし、昨年のツアーファイナルズでもジョコビッチが快勝を収めているのですが、全豪だけは何が起こるかわかりません。  バブリンカは好調です、錦織戦でも素晴らしいプレーを見せてくれました。調子に波のあるサーブも錦織戦は終始安定、20本もエースを叩き込むなど次々とサーブをぶっ放して錦織を苦しめました。ストローク戦も第3セットを除いては好調でした。だがジョコビッチを相手にするなら更なるクオリティの高いプレーが求められます。  ジョコビッチのプレーは充実しており隙がありません、倒すなら昨年の対戦と同等以上のプレーが求められるでしょう。理想は関連情報に記載した過去2年の戦いのような素晴らしいぶつかり合いを見たいところですが、バブリンカが気負ってミスを連発すると負けパターン一直線です。だがバブリンカが会心のプレーを見せられればジョコビッチにも相当のプレッシャーがかかるはず。ジョコビッチだって人間です、崩れる場面もありますし重圧がかかればミスもします。昨年の最後勝敗を分けたのも決めきれずにイライラしたジョコビッチの根負けしたようなミスでした。  ストローク戦におけるバブリンカのプレーに加えて、両者の心理状態にも注目したい準決勝です。