タフマッチながらアルマグロを振り切って初戦突破!(2015全豪1R)
1/20 現地11:00~(日本時間9:00~)
Grand Slam 2000 Australian Open
1R
[5]Kei Nishikori 6-4 7-6(1) 6-2 Nikolas Almagro
やはりアルマグロ、難敵だった。しかし終わってみればストレートの貫録勝ちでした。
アルマグロは非常にアグレッシブなプレーを見せてくれました。
先週の内容からは想像できないくらいオフェンシブでいいプレーを続け、正直第1、第2セットは取られても何らおかしくないいいプレーだったように思います。
ガスケ、ハースといった選手に未勝利であることからも分かる通り、錦織は片手バックの回転の強くかかったアグレッシブなプレーに対して少し苦手な傾向があるようで、この日もアルマグロのバックのストレートなどに手を焼くことになりました。
以前錦織のスタッツは「ウィナー+アンフォースドエラーの合計」が、相手を上回ることが勝ちスタッツの条件であると説明しました。
今日のスタッツは、アルマグロウィナー40、アンフォースドエラー50、錦織ウィナー30、アンフォースドエラー21。明らかにラリーの主導権がアルマグロにあったことを示すデータです。
しかしアンフォースドエラーの単純な比較からわかるように、やはり錦織がミスを最小限に抑えていることも分かります。試合を振り返っていきましょう。
アルマグロが先にブレーク。錦織がブレークバックし、5-4まで進みました。
アルマグロはストロークだけでなくいいサーブも入れてきて、錦織がリターンできていない印象を強く覚えました。
しかし第10ゲームではきっちり先行し、サーブで切り抜けられるものの3本目のラリーを取り切り、あっさりと1セット目を取りました。
これがわずか35分程度でできてしまう、恐ろしいと思いました。
こういうところで躓かないのがトップ選手です。ローコストで守勢の中取った価値のあるセットでした。
第2セットはさらにアルマグロの攻勢が強まります。
錦織は2-3から苦しみながらも5-3と連続ブレークでサービング・フォー・ザ・セットを迎えました。
このあたりの攻防は見ものでした。錦織もさすがにプレーレベルを上げてきて、しかしアルマグロもきっちり踏ん張っていました。
ここでキープ…と行きたいところでしたが、アルマグロのいいショットに錦織のミスも重なってしまい、大事なゲームを落とします。さらにオールキープが続き、勝負はタイブレークへ。
第12ゲームでもセットポイントがあっただけに非常に悪い流れでした。
この地点でこのセットは1時間経過。ここで追いつかれると嫌な展開です。
しかし、ついに錦織が目覚めました。
ここまでの数ゲーム、コーナーでもないサーブを取りにいかないなど、個人的には消極的すぎるローリスク、ローコストなプレーが続いていた錦織でしたが、タイブレークのサーブから飛びつくように取るシーンが見え、明らかにプレーレベルを上げていきました。
隠し玉を使うかのようにすべてのショットのキレが上がり、またミスを少なくすることでアルマグロにミスをさせて3-0。さらにサーブポイントを2本重ねて5-0とし勝負あり。第2セットも苦しい中錦織が取り切ります。
さすがの世界5位。0-2でもおかしくなかった2セットを2-0に変える力は本物です。これでトップギアに入ったらむしろ怖すぎる…
この2セットをふまえてわかったことは、明らかに地力が違っていたということです。
アルマグロは力のある選手ですし、今日はいいプレーをしていたのですが、結局今日出せる上限のプレーを続けていたということです。タイブレークで踏ん張りが利かなくなったのも、錦織が上げてきたときに自分が上げることができないためにこのような差がついてしまったということです。
第3セットはアルマグロの自滅もありました。タイブレークで完全に気持ちを折られてしまい、ミスも早くなり、第2セット途中からぽろぽろと出ていたイージーなミスで錦織が難なくリードする展開。
最後が楽に終われ、サービスエースも連発できたことで少しは錦織も気持ちよくプレーできたのではないでしょうか。
まだストロークミスも多く、抑えているのかリターンが不完全燃焼ではあるのは気がかりですが、結果はストレート勝ち。強い相手にしっかり受けて振り切り第5シードの貫録を見せる勝利でした。
次戦の相手は今試合中で、勝った方が上がってきます。追記する予定です。
グランドスラムを1回勝つのだって本当は大変なのに、もう1回戦では心配がなさ過ぎて全く心拍数が上がらなくなったなあ…本当に強くなったと思います。