1/7 現地13:30~(日本時間12:30~) ATP250 Brisbane International presented by Suncorp 2R [2]Kei Nishikori 6-4 7-5 Steve Johnson 終わってみれば力の差を見せつける勝利でした。 相手のジョンソンは37位。250の2回戦としてはやや厳しめのカードとなりましたが、あまり心配はしていませんでした。 ジョンソンはマトセビッチにフルセット、ほぼ負けかけの状態から逆転勝ちしており、勢いはあると思っていましたが今日もその力を見せました。 アメリカ選手によくあるサーブ主体の力のあるテニスがよく決まっていました。立ち上がりほとんどリターンで錦織はポイントを取ることができません。 しかしこういう場面で2015年の改造ポイント、サーブが決まりました。 2014年も改善ポイントでしたが今年は一段とよくなっています。 ラケットの変更もあって球速がどうなるかは楽しみでしたが、相変わらず190km/hのサーブでした。しかしその分キレが良くなっているように感じました。 最終スタッツを見て納得です、エース7本は200km/hを超えるサーブをたたきつけたジョンソンの6本を上回る数字です。 去年の1試合当たりの錦織のエース本数は4.3本。5セットマッチなども含めて平均してのこの数字ですから、2セットで7本の今日がいかに良かったかがわかります。 しかもノータッチエースに限らずいわゆるフリーポイントも多く、サービスゲームはほぼすべてのゲームで終始錦織ペースで進んでいたように思います。 ほぼサービス側がポイントを取る中、第5ゲームで錦織が攻めたて初のデュース。ここは落としますが、続く第7ゲームではきっちりブレークに成功。じわじわと両者のプレーに差が広がります。 錦織はまだ100%には遠い内容で、特にリターンがあっていないように感じました。 また1stサーブからのチャンスボールのミスなどらしくない場面も多く、まだまだ上げていけると思いました。 1stセットは危なげなく6-4で取ると、第2セットはジョンソンが反撃します。 錦織の不用意なミスなどもあり、またジョンソンがこの試合初めてとなる打ち合いからのベースラインからウィナーを決めジョンソンが第4ゲームで2回ブレークポイントを握ります。 しかしこういう場面でリターンミスが出てしまうあたりがまだランキング中位という感じで、長いゲームになったものの錦織が制します。 この辺りはジョンソンが錦織の1stサーブに対して合わせてきて、厳しいリターンなどもあり、またサーブも好調、ジョンソンに流れが行った場面でした。 ここを粘ってサーブはキープしていき第11ゲーム、タイブレークになると嫌だなあと感じ始めた場面でした。 錦織得意の「ギアを上げる」がはまりました。 このギアを上げるには私も一過言ありますがそれはまたの機会に。いったんギアを上げるという表現を認めましょう。 1本目はジョンソンのサーブにやれれるものの、2本目、ついにこの試合初のストレートパッシングショットが決まります、15-15。 ここで流れが来ると思いました。すると次のポイント、ジョンソンが決め球をミスし、15-30と先行。 次も行きたいところでしたがここはサーブを沈められ、30-30に。 次のポイントでした。やっと効果的なリターンが深く決まりジョンソンのミスを誘います。30-40で一気にマッチポイント。錦織が吠え、このポイントの重要性を物語りました。 最後は錦織のボールがオンラインに。ジョンソンはアウトと判断し見送ったもののチャレンジした結果失敗。あっさりとブレークします。 最後の12ゲーム目の中だるみはまずかったですが、このゲームと第4ゲーム以外はデュースにすら持ち込ませず、完勝です。 2セット目の終盤できっちりいいポイントを決めるあたりはさすがトップ10選手です。何も言うことはありません。 もう少しリターンとストロークの精度は上げたいところですが、これは今期初戦、エキシビションも戦っていなかった錦織にとっては完全な初戦、申し分ない勝利と言っていいでしょう。 相撲でもそうですが初日は早く出るに越したことがありません。しっかり勝ち抜くことこそが初戦は大事ですし、それをストレートの80分程度で終わらせたことは大きな価値です。 次戦はベネトーを破ったコキナキスと、トミッチの勝者でどちらが来ても地元選手との対決です、金曜日の対戦になります(スケジュールは出ていませんが、従来のツアーの進行やドロー状況からほぼ確実)。 さて今日はもう一つ触れなければなりません、ナダルの敗戦です。 なんと100位以下のドイツのベテラン、ベレールに6-1と1stセットを取りながら3-6、4-6と落とし、まさかの初戦負け。ナダルが昨年バーゼルのコリッチ戦に続き公式戦2連敗です。 ベレールは第2セット以降好調でいいプレーをしていたようですが、いわゆる「勝ちビビり」もしていたようで、サービング・フォー・ザ・マッチでブレークチャンスがあったにもかかわらず取れず、相当心配な内容です。 私も第1セットを見て、「勝ったな、寝る」と思って寝ただけに今朝の衝撃は相当でした。 先ほどドルゴポロフもクリザンに敗れ、すでに3大会でシードダウンは8人。初戦を迎えていない選手もまだたくさんいる中で驚くべき数字です。ブリスベンに至っては、5~8シードが全滅しました。 今日は錦織全豪第4シードの命運を握るバブリンカがコリッチと対戦します。正直ナダルにアブダビのエキシビションで負けているのもあって、移動も鑑みてかなり厳しいのではという見方です。 そのほか大勢のシード選手が登場します。果たしてどうなるのか、ここ数日の結果が大きく左右しそうです。 このあと行われるドルゴポロフとのダブルスはあとで追記します。それでは。 ダブルスの追記です。 ダブルスは6-2、7-5で勝利でした。 途中から見ていましたが、かなりサーブが良くなっています。エースも決めていましたし、ドルゴポロフも含め、ダブルスプレイヤーがあまりやらないようなトリッキーなショットを打っていたのが印象的です。 そして何より二人とも楽しそうでした。今日はダンテコーチも観戦に来ていましたが、終盤ダンテコーチも含めてチームスタッフみんなで笑っていました。詳しく何があったかまではわかりませんでしたが、直前のドルゴポロフのシングルスの敗戦からは予想できなかったほどいい雰囲気でした。 一応この二人はジュニア時代にダブルスを組んだ経験があるようです。またお互い天才肌同士のプレーなので、何か噛み合うところがあるのかもしれません。 これで初の単複優勝すら見えてきました。もう調整には十分すぎる気がしますが、無理な体力消耗にならない限り、どんどん行ってもらいたいところです。