大分更新遅れましたがツアーファイナルも終わり、 錦織選手の2014ツアーの全日程が終了したことになります。 まずは今年の成績から見て行きましょう。 勝率.794、54勝-14敗、4勝(500x2、250x2) GS(R16,R128,R16,F)、MS(Fx1,SFx2)、WTF:SF という結果になりました。 今までのツアー成績から言えば圧倒的ともいうべきスコアですが、 実際見ていた側とすれば、数字以上の凄みや強さがあったので、 勝率が8割超え達成とならなかったのは、惜しいの一言しかありません。   今年の錦織選手の特徴としては、展開の早さが挙げられます。 展開の上手さ、多さは以前からも錦織選手の売りとされていた 部分ではありますが、今年は自分から積極的に仕掛けていく という点で、見事に自分のプレーをアップグレードしていました。   かつて錦織選手を上位選手で例える際、マレーやジョコビッチといった バックハンドが上手く堅実なプレーをする選手が挙げられていましたが 今は彼らともまた異なったプレーをしており、 あくまで例えるならアガシでもダビデンコでもなく 今はフェデラーを推したいところです。それぐらい出足、展開の早さ、 上手さには驚嘆するものがありました。 まあ当然錦織選手のプレーは錦織選手のプレーであり、 他の選手とは異なっているのですが、あくまで例えるなら、です。   さて、今年の錦織選手のプレーを紐解く上で欠かせない名場面、 名試合がいくつもありました。 その中で、印象的な勝敗3試合ずつ、挙げていこうと思います。     印象的な敗戦 3位:ウィンブルドン、ラオニッチ戦 6-4,1-6,6-7(4),3-6 2位:ATPファイナル、フェデラー戦 3-6,2-6 1位:マドリッドMS決勝、ナダル戦 6-2,4-6,0-3   3位は正直全豪ナダル戦とも迷ったんですが、やはり、今まで 接戦ながら勝ってきた年下選手に対して、この大舞台でこの結果 というのは錦織選手には大分大きい事柄だったのかなと思います。 怪我とかもない状態での年下への敗戦はおそらくこれが初めて だったと思うので、それがこれからどう影響するのか、 と考えてたところで全米でのリベンジ、非常に大きかったと思います。   2位は印象的、というか今年一番の敗戦でしょう。互いが相手を 研究して、工夫して、全力を出し切ってそれで追いつかない、 対応しきれないというのがフェデラーの凄み、そしてその中から 得られたものが次のジョコビッチ戦2セット目で出たような気がします。   1位は敗戦ではありますが、今年の錦織を象徴する試合でも あったと思います。何より、ただただ強かった。怪我がなければ、 状態が良ければというのを世界中のテニスファンに見せつけた 試合だったと思います。     続きまして印象的な勝ち試合。 3位:楽天オープン決勝、ラオニッチ戦 7-6(5),4-6,6-4 2位:パリ準々決勝、フェレール戦 3-6,7-6(5),6-4 1位:全米準々決勝、バブリンカ戦 3-6,7-5,7-6(7),6-7(5),6-4   3位に関しては、本人にとっても勝ち試合としては一番印象に 残る試合だったのではないでしょうか。全米であれだけ結果を 残した上での母国凱旋、直前の週でもきっちり勝ちきり、 体力的にも限界の中での試合。今後も競い合うライバルとの 試合でこの結果は非常に大きいことでしょう。   2位はこの試合に限ったことではなく、今年のフェレール戦 全てを含めて、ということで考えてもらったほうが適切かと 思います。ご存知、フェレール選手は2008全米での試合以来 体格的な面も含め、錦織ファンの中では共に歩んできた気もしないでも ない選手だと思いますが、実力も勿論確かな選手です。 そのフェレール選手に今年は4戦4勝とすざましい成績を残し、 更にこの試合ではファイナルをかけた試合、本当に ギリギリの状況からの逆転でした。   1位。全米ベスト16から準決勝までの3戦。どれを1位に選んでも おかしくない試合でしたが、バブリンカ戦を選んだ理由として、 一番厳しい試合だったためです。バブリンカ選手の出来も 決して悪いものではなく、正直今回錦織以外との対戦なら 率直な話、優勝していてもおかしくないぐらいの出来でした。 錦織選手も決して勝ち切ったといえる内容ではなかったわけ ですが、逆に言えばそれほどの状況でも要所要所を的確に取り、 自分のゲームを守り切った結果が勝利に繋がったのだと思います。 そもそもバブリンカ選手はバックハンドの強さから言っても 錦織選手がかなり相性悪い相手です。ぶっちゃけジョコビッチ選手 の方が勝てなくてもいい試合にはなるかなと思ってたぐらいでした。 更にラオニッチ戦で4時間試合やった上で36時間後の試合で 更に4時間マッチでの勝利。贔屓目なしに今年のATPで 一番面白い試合だったんじゃないかと思います。     こんなに書く予定無かったのですが、一度書いてしまうと 止まらないものですね。2014年の錦織選手の活躍は素晴らしい ものでした。また来週からはブリスベンも始まり、 2015シーズンが幕開けとなるわけですが、 次回更新は2015シーズン出場予定について記載したいと思います。 長文になりましたがありがとうございました。