”By the numbers”最終回全編。今回のテーマは「ランキング」。ランキング大幅アップした人たちにスポットを当てて見ていきたいと思います。来年注目が集まるだろう選手達を一足早くチェックしておきましょう。原文は先の記事と同じこちら。 ★100RANKアップ&TOP100入り達成者一覧 どの選手達も見事なランクアップです。彼らの中から何人か取り上げて見ていきましょう。 ボルナ・コリッチ  11月にようやく18歳になったばかりのコリッチは昨年の全米ジュニアチャンピオン。今年はフューチャーズ、次いでチャレンジャー(以下CH)と大会に出て実戦を積み重ねるシーズンとなり、目立った成績はないもののじわじわと順位を上げていきました。この間にはデビスカップに参戦しており、なんと当時21位のヤノビッツをフルセットの末撃破するという快挙を成し遂げています。  204位で全米に参戦したコリッチは予選を突破すると1回戦でロソルと対戦、見事これをストレートで破り17歳にして四大大会初勝利をマークしました。その後初めてのCH優勝も達成するなど124位まで順位を上げたコリッチはワイルドカードを手にしてバーゼルに臨んだのです。バーゼルではグルビス、ゴルベフを撃破しさらに体調不良で満足に動けなかったとはいえナダルをも打ち破り準決勝に進出、準決勝でもゴファンから1セットを奪う健闘を見せました。そしてこの快挙によりそのナダル以来となる17歳でのトップ100入り(93位)を達成。来年以降に更なる期待がかかります。 ニック・キリオス  20歳のキリオスは昨年の全豪ジュニアチャンピオン。今年は地元勢としてWCを得て全豪に臨むと初戦でベンジャミン・ベッカーを倒し四大大会初勝利をマークします。これが快進撃の始まりでした。クレーシーズンのCHを2勝、さらに予選から臨んだノッティンガムで8連勝しCH3勝目を挙げ勢いづいてウィンブルドンに乗り込みました。ウィンブルドンは接戦の連続でしたがガスケ戦の9本のMPを凌いだり、ナダル戦で二つのタイブレークを制するなど勝負所で素晴らしい集中力を見せてなんとベスト8進出。強力なサーブに怖いもの知らずのストロークが次々と実力者を葬っていったのでした。  キリオスはその後の大会でもヒラルド、ユーズニー、セッピ(全米3回戦進出)、イストミンといったトップ選手を撃破して事あるごとに自らの実力を証明していきました。その代償もあったようでクアラルンプールで一足早くシーズンを終えてオフに入らざるを得なかったものの、先日行われた大規模エキシビジョン(IPTL)では元気な姿を見せていたようです。地元全豪で大暴れなるか? 復活した選手達  ミュラー、ボレリ、クエバスといった選手はもともとトップ100どころかトップ50に入った経験もあったりします。しかしいずれも怪我でランキングを落としていました。もう若手とは言えない年ながら彼らのカムバックは見事でした。  膝の怪我で半年以上離脱したミュラーは今年3週連続を含むCH5勝を挙げて一気にトップ50へ。かつて記録した42位まであとわずかに迫っています。右手首の怪我で離脱していた元36位のボレリもCH4勝を挙げる活躍でトップ100に戻ってきました。ボレリは全仏以降全てのGSで勝利を収め、錦織やロブレドを相手に先に2セット奪って追い詰める大健闘も披露。来年もGS序盤の見どころを作ってくれそうな予感がします。  特筆すべき活躍を収めたのがクエバス。全仏ダブルス覇者であり、シングルスでも約2年間トップ100に入っていたクエバスでしたが2011年に膝を負傷してしまい2年近く長期離脱となりました。復帰後当初はプロテクトランキングを使用して南米クレー大会に参戦したもののあまり結果を残せずCHへ向かいます。CHでは2勝を挙げ順位を111位まで戻してバスタードへ。クエバスはここで奇跡のカムバックを成し遂げたのです。シャルディ、ベルダスコ、ソウザといった実力者をなぎ倒し怪我前ですらできなかったシングルスのツアー初優勝を達成。続くウマグ大会は予選からの参戦だったものの勢いは止まらず今度もセッピ、フォニーニ、ロブレドといった選手を倒してなんと2週連続優勝。シーズン最終盤にも2週連続CH優勝でポイントを加えたクエバスは30位でシーズンを終えています。  次の記事では50RANKアップ&TOP50入り達成者についてお送りします。この記事で取り上げなかったジョンソンにも触れる予定です。