ATP公式の年末特集は第8弾が発表されました。三回に分けて送られる「2014 By The Numbers」。タイトル数や連勝数や勝ったときの年齢などなど様々な記録をかき集めた特集になります。雑学にはピッタリな特集ではないでしょうか。本文はこちら、また動画もあります。記録つながりということで、前回の特集(状況別勝敗)も合わせてご覧ください。 ★まずはタイトル数ランキング。  錦織が見事3位タイにランクイン!今年は始めてクレーでのタイトルも取りました。ただし錦織と同じ3位タイまでの5人のうち錦織だけビッグタイトルなしなのは非常に残念なところ。全米やマドリッドMSでの活躍でビッグタイトルを取る実力自体は証明したはず、来年はぜひとも大きな大会での勝利を見てみたいですね。  1位ジョコビッチ7つ、2位フェデラー5つの両者は流石。世界ナンバーワンとツーが仲良くこちらでもワンツーという結果になっています。また表を見てわかる通り、全サーフェスで優勝を積み上げたのはジョコビッチとディミトロフの2名のみ。ディミトロフはハード以外で始めてのタイトルとなるブカレスト(クレー)とクイーンズ(芝)で優勝を積み上げており、オールラウンダーぶりを証明する格好となりました。 ★お次は年齢別勝利数内訳。  最も多いのはジョコビッチ、マレーらを擁する今年27歳世代とナダルらを擁する今年28歳世代が被っている「27歳」でした。一昔前テニス界といえば24,5歳ぐらいが全盛期だった(ナダルの全盛期を2010、ジョコビッチの全盛期を2011年とすると彼らもまた24歳が全盛期)のですが、BIG4の加齢とともにピークとなる年齢も上昇している気がしないでもありません。  最も若かったのはトミッチの21歳。実はトミッチは昨年も20歳で優勝し最も若いランクインでした。来年はトミッチのV3を阻む新たな若手の登場なるでしょうか。以下22歳にはディミトロフ(5月に23歳)の2勝が入り、23歳にはディミトロフ、ラオニッチ、ゴファンのトッププレイヤー3名に加えてサンパウロを制したデルボニスが加わって計5勝。24歳は錦織だけのように見えますが1勝足りません、同世代のクリザンがミュンヘンを制して1勝上げています。  逆にベテラン勢は33歳が最高位。実は32歳勢の4勝も全て今年33歳になった面々から出ています。フェデラー(32歳2勝、33歳3勝)、ヒューイット(32歳1勝、33歳1勝)、F・ロペス(32歳1勝)の計3人が年長優勝を達成しています。この中で最年長となったのはヒューイットによるニューポート大会の優勝で33歳4ヶ月。昨年はハースが35歳にして2勝を挙げて最年長だったので、ずいぶんと若返りになりました。  年齢の話ついでにもう一つ、最も若い二人の組合せは2人合わせて43歳。ゴファンが初優勝を挙げたキッツビュールでした。対戦相手も同じように始めての決勝進出となったティエムだったのです。一方で最もベテランな2人の組合せは68歳。前述したヒューイットの今年度最年長優勝の対戦相手はこちらも大ベテラン35歳のカルロビッチでした。 ★トップ100以下の選手による優勝 ミュンヘン大会 クリザン(当時111位) バスタード大会 クエバス(当時111位) ボゴタ大会 トミッチ(当時124位)  先に取り上げたゴファンのキッツビュール優勝も当時78位と中々の番狂わせ優勝でしたがもっと下の順位から優勝した選手もいます。ランキングを落としていた選手の復活優勝というのは嬉しいものですね。その後上二人は30位台で、トミッチも56位まで上げて今シーズンを終えています。優勝はマグレじゃなかったのです。ちなみに錦織が18歳でデルレイビーチを優勝したときは244位でした。 またクリザンはこの大会予選から勝ち上がっての優勝でした。クエバスもバスタード優勝した翌週のウマグ大会で予選から勝ち上がって2週連続優勝。予選からの参戦で優勝したのは今年この2名のみとなっています。 ★国籍別優勝数 スペイン11、スイス8、セルビア7、クロアチア4、アルゼンチン4、日本4  スペインがいつもどおり最多優勝。一番トップ選手が沢山いるのがスペインで現在もトップ100に12人もの選手を抱えます。そりゃあ優勝が増えるわけです。昨年と比較すると6つ減少していますがこれはナダルのタイトル数が10から4に減ったのが原因です。  日本、セルビア、クロアチアなどの上位国ではエースの孤軍奮闘が目立つ中、異彩を放つのがアルゼンチン。4つのタイトル全て違うメンバーでデルポトロ、Lマイヤー、デルボニス、ベルロクが優勝しているのです。ちなみにスペインの優勝者は7人。ナダル(4勝)、フェレール、アグー(2勝)、Fロペス、ガルシアロペス、ベルダスコ、アンドゥハルとなっています。 ★3連覇以上の達成者 ナダル(全仏5連覇) ジョコビッチ(北京3連覇) ジョコビッチ(ツアーファイナルズ3連覇)  ナダルがついに全仏5連覇、通算では9回目の優勝です。この男はあと何回優勝を積み上げるのでしょうか。ジョコビッチの最終戦三連覇も偉業です。6度の優勝を誇るフェデラーですら達成しておらず、レンドル以来史上二人目の大記録となっています。また錦織のメンフィスを含めて7つの大会で2連覇が達成されています。  以下その2に続きます。