車椅子テニス解説(ルール編1)
お久しぶりの更新になります。
テニスのルールやATPに関して言えばとらきちさんを始めとした諸者の方々が解説されているので、当方は車椅子テニスについて。
一般のテニスと車椅子テニスの違いを解説していきたいと思います、まずサーフィスはハード、クレー、そして芝の三種類。
使う面積も健常者と同じ、ダブルスのラインも含めて全く同じです。
では、一番の違いは何か。それは「2バウンドまでOK」というルール。これがクセモノです。
なにせ「1バウンド目が規定のポジションに落ちれば2バウンド目がコート外だろうとOK」ということになります。
何が怖いって深めに打ち込んで追いかけた結果、競技者がボールボーイや審判の方にぶつかる確率が高いということ。
そして上記に大きく影響する、ルールに付随する用具関係も上げていきます。ラケットとボールは通常のテニスと一緒。
一番の違いは「車椅子」です。皆さんが想定する車椅子だと大きな車輪2つ「のみ」付いた車椅子を想像される方が多いと思います。
(多少詳しい方だと、「電動の車椅子もあるよね」と思われますが、これに関しては後述します)
車椅子テニス用の車椅子は更に下部に補助輪が付きます。前後それぞれ小型のものが前方に2輪、後部に転倒防止も兼ねた1輪が付きます。
何故転倒防止用かというと「主にオーバーサーブのため」です。これに関しては後日改めて考察したいと思います。
また、当然のことですが、車椅子テニスでは両手が使えません。片手を「チェアワーク」と称される車椅子の制御に使用するか、あるいは「腕がない」場合があるからです。
最後に、競技主催団体について。男子ではATP、女子はWTAという競技団体が主に主催しています。
で、車いすテニスの場合はどうかというと、両団体の上位組織に当たる、ITF(国際テニス連盟)が主催しています。
ジュニアの大会及びシニアツアーとともに全カテゴリーがITF直轄です。おそらくプロカテゴリーまで運営しているのは車いすテニスのみでしょう。
例外項目としては、一般的なプロツアーでITF直轄の大会を上げると、デビスカップ&フェドカップの男女国別対抗戦。
そして夏季のオリンピックテニス競技です(公認及び提携という形でグランドスラム4大大会もありますが、あくまで公認のみで運営はしていません)。
まあ、それだけ車いすテニスというパイが小さいことの証左でもあるのですが、同時にランキングも含めた成績をITFが直轄で発表しています。
次の考では車いすテニスと普通のテニスの違いについて更に踏み込んでいきたいと思います。