ATP公式サイト年末特集第3弾「2014年ベストマッチ(ATP編)」。グランドスラムに続いてATPベストマッチが選出されました(5~3位、2~1位)。まずは5位から3位までを紹介!ATP公式による動画もあるのでチェックしてみてください。 5位:アカプルコ大会準決勝 ディミトロフVSマレー スコア(4-6, 7-6(5), 7-6(3))  アカプルコはメキシコで行われるシーズン序盤のATP500大会。長年クレーコートの大会として親しまれてきましたが、今年からハードコートに生まれ変わり新たなスタートを切りました。今年のトップシード選手はフェレール、マレー、イズナー、そしてディミトロフ。  ディミトロフは波に乗っていました。昨年10月ストックホルムでフェレールを破りツアー初優勝、今年に入り全豪でベスト8入り。第4シードとして参戦したアカプルコでは準々決勝でグルビスという強敵を迎えて大苦戦したものの、2時間39分の死闘の末これを撃破、マレーの待つ準決勝へ勝ちあがりました。  ディミトロフVSマレーはこれまでマレーの3戦全勝、そして全てストレート勝ち。それを象徴するかのように第1セットはマレーが6-4で先取しました。このままでは負けられないディミトロフ、第2セット序盤の山場で27本のロングラリー、これを途中転びながらも耐え切ったディミトロフは観客総立ちの中派手なガッツポーズを見せます!両者キープを続け迎えたタイブレークではマレーの最初のサーブでディミトロフがいきなりミニブレイクを奪い、そして最後まで攻めきりました。1セットオール。  第3セットも第2セットの勢いそのままに最初のゲームでディミトロフがあっさりブレイクを奪いあっという間に5-4のサービング・フォーザマッチ。だがこの土壇場でマレーがブレイクバックを決めたのです!試合は再びタイブレークにもつれ込みます。だが最後はディミトロフがこのタイブレークを制し、2時間55分の死闘にケリをつけました。ディミトロフは決勝でもアンダーソンを相手に激戦を強いられましたがまたしても最終セットタイブレークの末に勝利し見事優勝しています。 4位:トロントMS・2回戦 ジョコビッチVSモンフィス スコア(6-2, 6-7(4), 7-6(2))   ウィンブルドンを制し世界ランキング1位に返り咲いたジョコビッチはその後結婚式も挙げ、公私ともに絶頂の時期を過ごしていました。トロントMS初戦の相手は過去9勝0敗のモンフィス。ジョコビッチの勝利を疑うものは誰もおらず、その通りジョコビッチが第1セットは圧倒します。  しかしモンフィス劇場の壮大な幕開けは第2セットからでした。見事な股抜きを見せるなど一気にノリノリになってきたモンフィスはジョコビッチにリードを許さず見事なプレーを続け、その勢いでタイブレークも奪ってセットオールに持ち込みました。  第3セットもモンフィスが先にブレイクを奪って攻め立てますがここからジョコビッチが王者の強さを見せつけました。ブレイクバックを奪い追いつくと5-6、30-30からが圧巻でした。この最終盤の勝負所で11ポイント中9ポイントを奪ったジョコビッチが勝利しています。ジョコビッチはパリMSでもモンフィスに勝利して通算対戦成績を11勝0敗としました。  だがこの時期のジョコビッチが本調子でないのは明らかで、3回戦でツォンガに敗れ、続くシンシナティでも早期敗退を喫することになるのです… 3位:リオデジャネイロ大会準決勝 ナダルVSアンドゥハル スコア(2-6, 6-3, 7-6(10))  全豪で負傷を抱えながらも準優勝したナダル。だがやはりナダルには青いハードより赤い土の上のほうが似合います。今年2014年から新設されたATP500大会、リオデジャネイロでクレーコート初戦を迎えました。準々決勝ではたった1ゲームしか失わないなど勝ち上がりは全く問題なく準決勝まで進んできました。  準決勝の相手は同じスペインのアンドゥハル。層の厚いスペインにおいて当時8番手と影の薄いアンドゥハルを撃破するのは容易いことに思われました。しかし蓋を開けてみれば猛烈な攻撃を繰り出してきたアンドゥハルが6-2で第1セットを先取したのです。ナダルも反撃し第2セットを奪い返しさらに第3セット第7ゲームでブレイクを奪いました。アンドゥハルの猛攻の前に14回のBPを握られながらよく耐えていたナダルでしたがついに3回目のブレイクを奪われて追いつかれると試合はタイブレークへ。  タイブレークこそが死闘でした。最初からいきなり5連続ミニブレイクという両者一歩も譲らぬぶつかり合い。それでもナダルがどうにか8-7とし、前に出たアンドゥハルに対して低いクロスのパッシングショット!だがアンドゥハルの見事なストップボレーが試合を終わらせません。前半とは打って変わって両者必死のキープが続きついにタイブレークは10-10までもつれこみます。しかし最後はナダルのストロークがアンドゥハルの猛攻を食い止めました。  文字通りの死闘を制したナダルは決勝でドルゴポロフを破り初代王者に。だがこれはナダルの不振を告げる今シーズンの始まりでしかありませんでした。自分の庭のように優勝を積み上げてきたモンテカルロでフェレールに完敗。過去7度優勝してきたバルセロナでもアルマグロに敗戦。マドリッドMSでは優勝こそしたものの錦織にあと一歩まで追い詰められ、ローマMS決勝ではジョコビッチに逆転負け。全仏でこそ今まで通りの強さを見せつけて9度目の優勝を飾ったものの、ただのクレーコートというだけではナダルはもう絶対的存在でなくなりつつあるのかもしれません。  「クレーキング」は来年赤土でどんな姿を見せてくれるのか? Counting down the Top 5 @ATPWorldTour matches of 2014, including a @RafaelNadal epic. Watch: http://t.co/gO1g4SEwmo pic.twitter.com/6t8nvFEJU8— ATP World Tour (@ATPWorldTour) 2014, 12月 1  次記事では錦織もランクインしている、2位&1位に続きます。