水曜日のパリMSではトップ10シードのうち8人が登場し2回戦を戦いました。直近のマスターズである上海では10人中5人が敗退する波乱の2回戦となりましたが、果たして今回はどうなったのでしょうか。  先陣を切って登場したのはバブリンカ。3大会連続初戦敗退中のバブリンカでしたがこのパリではティエムを問題にせず初戦突破を果たしています。この勝利をきっかけに復調なるでしょうか?  続いては最終戦争いで事実上の直接対決となっているラオニッチとフェレール。今年4度対戦し4勝0敗とお得意様のソックと対戦したラオニッチでしたが最終セットのタイブレークにまでもつれ込む大苦戦。しかしビッグサーバーがタイブレークで負けるわけにはいきません。一度もミニブレイクを許さずリードを守り切って望みをつなぎました。後半戦絶好調のゴファンと対戦したフェレールもフルセットの末になんとか振り切って勝利を収め、両者のサバイバルは続く3回戦に持越しです。  5週間で20試合をこなし3大会優勝を果たしたマレーも初戦を迎えました。ベネトーという難敵との対戦で勝ち上がりが心配されたマレーでしたが終わってみれば73分であっさりとストレート勝ちを収めました。マレー復活の煽りを受けて最終戦どころかトップ10からも追い出されてしまったディミトロフもクエバスを圧倒して3回戦進出。この両者が3回戦で激突します。  日本時間で日付を回った頃に登場したのは1位返り咲きを狙うフェデラー。今年のフェデラーの初戦敗退はローママスターズの1回だけ。その1回で敗れた相手がこのシャルディでした。過去1勝1敗でいずれもフルセットというフェデラーにしてみれば非常に相性の悪い相手が今日もフェデラーを大いに苦しめました。シャルディのパワフルなフォアハンドの前に何度となくフェデラーのライジングが弾き飛ばされます。最終的にはフルセットの末シャルディを振り切って勝利を収めましたが次戦以降に向けて不安を残す勝ち上がりとなりました。  日本時間の28時にもなろうかという遅い時間にようやく錦織が登場しました。錦織の相手はバレンシア決勝でマレーと死闘を繰り広げ敗れたロブレド。疲れを見せずに1回戦を勝ち上がったロブレドに対して錦織は第1ゲームでいきなり2本のBPを握りましたがこれを逃してしまうと一直線にタイブレークへ、そして錦織はこのタイブレークを落としてしまいます。  しかし第2セットに入ると錦織も徐々に試合勘を戻してきました。2度のブレイクを奪って第2セットを取り返すと第3セットも最初のゲームをブレイクします。しかし2週間空いたのが響いたか狙いに行ったストロークがアウトになるケースが非常に多く、本調子とは言えない出来が最後まで続いたのは若干心配です。しかしそれでもブレイクバックを許さず勝ち切ったのはさすがの一言。錦織は3回戦ではツォンガとの対戦です。ツォンガも日本で初戦敗退して以降休養を取っていましたが地元パリで復帰し、初戦はこちらもフルセットの末にメルツァーを下しています。結果的に上位10シード全員が勝利を収め、16人のシード選手のうち13選手が初戦を突破したパリらしからぬ初戦となりました。  残ったシード勢同士がぶつかり合う今夜の3回戦は注目です。トロントでジョコビッチをあと一歩まで追い詰めたモンフィスが地元で再びジョコビッチに挑みます。錦織VSツォンガももちろん注目の一戦、両者は昨年のパリでも対戦しておりそのときは最終セットタイブレークの末に錦織が勝利を収めています。過去の対戦成績は錦織の3勝1敗ですが、しっかりエンジン全開にして臨まないと勝てない強敵であることに違いはありません。果たして錦織はどんな戦いを見せてくれるでしょうか。  そして今夜最大の注目カードはもちろんマレーVSディミトロフ。過去の対戦成績はマレーの3勝2敗ですが今年あった2度の対決はいずれもディミトロフの勝利です。特にウィンブルドン準々決勝でディミトロフが勝利した一戦は覚えている方も多いでしょう。全米後の各大会でジョコビッチ、フェデラー、ベルディヒらに阻まれ続けて思うように勝てなかったディミトロフ、しかし最後までやられたままでは終われません。個人的には最後にディミトロフの意地を見たいと思うのですが…