ラオニッチが初戦敗退!衝撃的なニュースが入ってきました。最終戦争いでフェレールとマレーを抑え8位だったラオニッチが第1シードとして迎えたモスクワ大会で初戦敗退を喫してしまったのです。先週の上海を高熱によって棄権せざるを得なかったラオニッチ、しかし最終戦争いでは入れ替えポイントが全くないため依然として有利な位置につけていました。体調さえ回復していれば250P加算は堅いとみられていたのですが、肝心の体調が全く思わしくなかったようです。世界ランク116位のベランキスを相手に精彩を欠いたラオニッチは3度のブレイクを許して敗退してしまいました。こうなってしまうとポイント加算大会が全部埋まらないまま最終戦争いをしなくてはならないラオニッチはむしろ不利となってしまいます。なんとか体調を整えてバーゼルで勝ち上がることができるでしょうか。  テニス選手の戦いは自分との戦いでもあります。錦織がこれまで幾度となく怪我で涙を飲んできたように、いくらテニスの実力があってもその力を発揮できなければATPツアーでは勝てません。怪我や病気に負けずに世界中を回り続けるのは非常に大変なことです。  そしてラオニッチと同様に病み上がりでバーゼルに乗り込む選手がいます、ナダルです。手首の長期離脱から復活した矢先に虫垂炎を患ってしまったナダルですが、手術はできる限り先延ばしにして薬で抑えながら戦っています。この度バーゼルへの参加を決意しました。  ナダルが最後にバーゼルに出場したのはまだ彼が48位だった2004年のこと。ナダルがトップ選手となった2005年以降、フェデラーの地元であるこの大会で両雄がそろい踏みすることは一度もありませんでした。ようやくやってきた夢の競演は、ナダルに大きな不安を抱える中で始まることになります。パリMS、最終戦に出場するか手術を優先するかはこのバーゼルでの調子を見て決めるとのことで、ナダルの初戦に注目が集まります。  一方決勝でフェデラーを2年連続で破りバーゼルを連覇していたデルポトロは、復帰大会になるとみられていた今年のバーゼルへの参加を取消し、2014年残りシーズンの全休を宣言しました。長期離脱当初は全米もしくはアジアシーズンからの復帰を宣言していたデルポトロでしたが、アジアシーズンには間に合わず一旦インドアシーズンからの復帰に延期され、そして今回の復帰もまたも見送られることになってしまいました。世界ランキングは30位まで落ち、2011年以来となるアルゼンチンNO.1の座からの陥落となりました(現在L・マイヤーがアルゼンチントップ選手)。  デルポトロは驚異的なパワーとスピードを兼ね備えたストロークを武器とする選手。その代償としての手首の負傷は仕方ないのかもしれませんが、かつて長期離脱のあった右手首に加えて左手首でも今回これだけの離脱となってしまうと、来年以降、復帰後のデルポトロがどれだけプレーレベルを戻すことができるのか大変心配であります。今は一刻も早いツアー復帰を願うばかりです。