確率は90%以上 【錦織最終戦出場濃厚に!?】 Race to London分析その①
【1】上海振り返り
昨日のフェデラージョコビッチ戦のフェデラーは美しかったですね……
決勝のシモン戦も楽しみです。
一方錦織はというと上海緒戦敗退という残念な結果に終わってしまいましたが、最終戦出場を狙うレースランキング4位~11位のメンバーも、以下のようなあまりふるわない結果となりました。
初戦敗退(+10ポイント)
ワウリンカ
錦織
ラオニッチ
チリッチ
2回戦敗退(+45ポイント)
ディミトロフ
3回戦敗退(+90ポイント)
マレー
準々決勝敗退(+180ポイント)
ベルディフ
フェレール
それぞれの詳細はというと、
フェレールは、あわや1回戦敗退というところをなんとか免れ、見事マレーを下したものの、ジョコビッチと準々決勝で当たるという厳しいドロー運に阻まれました。
ベルディフはミスも多く、フルセット大好き好調シモンの前に最終セット6-0で敗れました。この試合はだいたいみていたのですが、ベルディフは厳しいとこを狙いすぎてのミスなどが多すぎました。シモンは楽天オープンから好調を維持しています。
マレーは第1セットはよかったのですが、、、 なかなか本来のマレーがもどってきません。フェレールと3回戦とあたるというのも厳しいドローでした。
ラオニッチは熱でリタイア。それでもドーピング検査が厳しくてなかなか抗生物質などが使えないそうです。今回ボトムハーフはドローが楽だったためラオニッチにしては余計残念だと思います。
チリッチはグランドスラム優勝後のプレーレベル維持はなかなか難しいよう。準優勝してもレベルが落ちない(むしろ、サーブなどはあがっている)錦織のすごさがわかります。
ワウリンカ、ディミトロフに関してもいまいち調子があがらないようです。
錦織は、さすがにここで3連戦の疲れがでたよう。これは致し方ないでしょう。あの体でむしろよくここまでプレーしたな、というのが率直な感想。3連戦は、どんなにタフなトッププレーヤーであってもきついです。普通こんな日程はくみません。
ではなぜ組んだのか、というと「前の週で早期敗退をしたときのため」です。前の週に、例えば1回戦火曜日で敗れた場合、次週にむけて時間はあります。その時のためです。でも今回は素晴らしい2週連続優勝。次の週が満足に戦えないのは、錦織陣営にとっても計算のうちでしょう。
これで10日間以上休めるのでゆっくり休養してほしいと思います。
何はともあれ、今週錦織のライバルたちが、ベスト4以上なしと軒並み上位進出できなかったため、錦織が最終戦出場できる確率がぐっとあがりました!!
【2】レースランキングから錦織最終戦出場の確率を考えてみる
その結果レースランキングは以下の通りです。
4位 ワウリンカ 4805(錦織+540)・・・※
5位 錦織 4265
6位 チリッチ 3990(錦織-275)・・・※
7位 ベルディフ 3945(錦織-320)
8位 ラオニッチ 3735(錦織-530)
9位 フェレール 3715(錦織-550)
10位 マレー 3655(錦織-610)
11位 ディミトロフ 3450(錦織-815)
(12位以下はファイナル出場の可能性はほんの少しだけあるが、今後全部優勝しても錦織を超えることがないことが確定したため省略)
・上のうち※のワウリンカとチリッチは、グランドスラム優勝者特別規定により、ほぼ出場確定という状況。共に8位以下になった時のみ下位者は出場不可だが、その可能性はほぼ皆無。(7~9位は全員1000ポイント近くかせいで、かつワウリンカが全くポイントを稼がないというのは理論値ではありうるが、実際の確率はほぼゼロ。)
・ということで錦織が出場不可になる条件は、
「チリッチ以外の下位者3人に超されること」
(←ここが一番大事。テストにでます。)である。
・これだけの点差があり、残り3大会しかなく、かつチリッチ以外の3人にぬかされる、といった状況は感覚的にはかなり低いといえるでしょう。では実際どれくらいの確率なのかをここから概算。
・もし仮にベルディフ、ラオニッチ、フェレールがそれぞれ20パーセントの確率で錦織を追い抜くとする。そうすると全員に追いこされる確率は
0.2×0.2×0.2=0.008
0.8%つまり1パーセント以下です。・・・①
・そして実際に彼らがこのポイント差をひっくり返す確率は、錦織の好調さも考慮にいれると20パーセントもなく、10パーセントくらいだろう。
そこで仮に点差が近いベルディフのみ20パーセント、他の2人が10パーセントだと仮定する。
するとその確率は 0.2×0.1×0.1=0.002
つまり0.2%です。・・・②
・7位から11位までの5選手から、錦織を追い越す3選手を選ぶ組合は
5C3=10通り。・・・③
4人以上が錦織をぬかすなどの場合も考えると微妙に重複が生じますが、それが非常に低い確率であること(0.2%以下)と、それらの誤差が厳しい評価のほうに働くこと、から無視できるとします。
・以上により、②ではなく①を使って最も厳しく評価した場合でも、③を考えて、
_1-0.008×10=0.92 _
と92%以上であることがわかります。・・・④
・仮に、①ではなく②の値を使って評価し、任意に7位~11位プレーヤーの中から選んだ3人が全員②の確率にしたがうと考えると、③を考えて、
1-0.002×10=0.98 と98%であることがわかります。・・・⑤
以上、簡単な概算ではありましたが、この概算の結論としては、厳しい④の方を利用すると、
錦織は92%以上で出場可、つまり9割以上で出場可ということになります。
【3】来週以降の展望
そして上海で一攫千金をねらっていたが失敗に終わったライバル達は、錦織とワウリンカ以外みな、ここから地獄の3連戦を選ぶことを選択しました。
来週はATP250、再来週はATP500、そしで最後がマスターズ1000というAsian Swingと同じ流れが来週からもあります。
ではそのエントリー状況はというと、、、
【来週】
・モスクワ
チリッチ、ラオニッチ
・ウィーン
フェレール、マレー
・ストックホルム
ベルディフ、ディミトロフ
【再来週】
・バレンシア
フェレール、錦織、チリッチ、ベルディフ、マレー(←バーゼルの可能性もあり?)
・バーゼル
(フェデラー)(ナダル)ワウリンカ、ラオニッチ、ディミトロフ
【最終週】
全員出場
となっております。
来週はそれぞれトップ2シードによる一騎討ちといった様相。
現在レースランキング8、9、10位のラオニッチ、フェレール、マレーのポイント差はほぼなく、
「来週優勝すれば一歩だけ出場にむけてリード」
といったとこでしょう。
その意味でフェレールとマレーの直接対決がみられるかもしれないウィーンは大注目です。
しかしその一方で、ライバル達のコンディション調整が心配にもなります。3週連戦の辛さはこのブログでも散々いっている通りですが、彼らは今週も参加しているので実質5週連続や6週連続になる訳です。
特に心配なのは、
・熱を出してコンディション調整が心配されえるラオニッチ。
・金曜日まで上海を勝ち上がったフェレールとベルディフ。
・木曜日まで勝ち上がり、かつアジアンスイングを含めるとなんと6週連続となるマレー。
あたりでしょうか。どうか怪我なく勝ち抜いたうえで最終戦出場争いを盛り上げてほしいと思います。
また、これだけ過酷であるということ、そしてナダルの中耳炎などの情報もあること、などから誰かしらが調整不足で最終戦を欠場してしまう可能性は非常に高まっているといえるでしょう。
そう考えると、逆説的ではありますが、
「ライバル達がポイントを稼ぎに来週も参戦すことにより、3連戦による怪我、疲労の可能性も高まっており、最終戦の枠が欠場により一つ増えて錦織が入れる可能性もまた高まってきている」
といえると思います。
素直に喜べることではありませんが、これが厳しいツアーの現状です。
【4】タイトルの意味
【3】も踏まえて、「出場確率は95%」としたいところですが、安心しすぎないようにという意味もこめて
「出場可能性は90%以上」
としたいと思います。
以上を総合的に踏まえて、!?をとったタイトルがこれです。
錦織、最終戦出場濃厚に。
錦織には是非コンディションを整えて、最終戦でも大暴れしてほしいと思います。