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ジョコビッチが見せた別次元のプレー
photo:mirsasha
一体、誰がこのような試合を予想できたでしょうか。
5日に行われたチャイナ・オープン男子シングルス決勝で、世界ランク1位のノバク・ジョコビッチ(セルビア)が、同ランク5位のトーマス・ベルディヒ(チェコ)を、6-0,6-2のストレートで下して、大会3連覇を達成。
ジョコビッチはなんと、ベルディヒに1ゲームも与えず完勝する、いわゆる「ダブルベーグル」にあと1ポイントまで迫っていました。
全く隙がなかった、この日のジョコビッチ。その強さがよく分かる、この試合のスーパープレーから、ジョコビッチのテニスを改めて分析してみましょう。
まずはこちらのプレーをご覧ください。
Original:TENNIS HD2
全てがジョコビッチのシナリオ通り
このプレーには、ジョコビッチの持つ世界最高峰の判断力と、技術が凝縮されています。
まずは、ベルディヒのエース級のサーブに、反応するジョコビッチ!見事にリターンしますが、これではベルディヒに攻撃されてしまいます。
ベルディヒの攻撃に備えて、すかさずポジションを下げます。
そしてベルディヒのストレートへの強打には、そこから
更に斜めに下がって対処します。真横でなく斜め後ろに動くことで、より遠くのボールにも触ることが出来ます。
ここでのディフェンスも、ジョコビッチはあえて
速く低いボールで返球。
他の選択肢として、時間の稼げる
ムーンボールも浮かびますが、今回のようにネットから距離がある状態だと、ベルディヒに詰められてボレーでカットされたり、高い打点から打ち下ろされたりして、たとえ返しても決められる可能性があります。
その点、速く低いボールだと、ベルディヒは下から持ち上げなくてはならないため、強打も難しく、ネットの高いストレートにも打ちづらくなります。
ジョコビッチは、自身がリカバリーする時間を犠牲に、ベルディヒの打てるコースを絞ったのです。
案の定、ベルディヒのアプローチショットはクロスに飛んできます。
待ってました!!と言わんばかりですが、まだ少しポジションも後ろで、ここからパッシングショットを狙うのは難しい...。
ジョコビッチは一旦、ベルディヒが角度のつけにくい
正面、かつ足下にボールを沈めます。決して無理をしない、冷静な判断です。
そしてこのローボレーは、ベルディヒもクロス以外に選択肢がありません。
ここで、今度こそ待ってました!!と言わんばかりに、走り込んだジョコビッチが勝負!
ベルディヒの逆をつく、技ありのショートクロスで、完璧に横を打ち抜いていきます!
まさにジョコビッチの描いた、ストーリー通りの展開です!
無理はしていないのですが、今回ジョコビッチが放った4打は、技術的には決して簡単なものではありません。
圧倒的な判断力と、そのイメージを実現する高い技術力をもって、相手に付け入る隙を全く与えないのが、王者ジョコビッチのテニス。
絶好調の彼は、世界中の誰にも止められません...。
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