少し記事公開が遅くなってしまいましたが、錦織圭の復帰大会が発表されました! あえてタイトルを全豪欠場にしなかったのは、ブリスベン、シドニーを欠場した地点であまり期待していなかったからです。 それよりも、多くの人にとって復帰大会がほぼ確定的になったニュースのほうが喜びと、そして何より驚きをもって迎えられたと思うからです。 まずは事実を並べますが、錦織圭から全豪欠場のアナウンスがありました。 また、日を別にしてマレーからも全豪欠場のアナウンスがありました。 この二人に関しては、公式戦の前哨戦に全く出なかった地点で全豪に出る可能性は薄いかなと思っていました。 マレーについては11月にフェデラーとエキシビジョンができているので一番早く戻ってこれそうな雰囲気もありましたが、1月にムバダラでアグーに大敗しており、まだ本調子とは言えないのでしょう。 実際マレーにしても錦織にしても、出れば実は初戦突破くらいはできる状態にはあるんじゃないかなと思います。 ただGSは5セット。付け焼刃な状態で出る大会でもないし、目指す目標が高い位置である以上、今の状態で出るのはいたずらに回復を遅らせるだけなので、双方とも賢明な判断だと思います。 現在メルボルンで練習をしているナダル、ワウリンカ、ジョコビッチも正直ふたを開けないとわからないというのが現状で、3人ともまだエキシビジョン以上のグレードで今期試合をしていない状態です。ボールは打てても公式戦を戦うには不十分という可能性は考えられ、全豪1回戦が終わるまでは予断を許さない状況です。 という錦織の現状で、新たに出場大会が発表されました。 それがシーズン4週目、ニューポートビーチチャレンジャーと、シーズン5週目、ダラスチャレンジャーへの出場です。 ATP公式特集記事 私はこのニュース、以下の3点で驚きました。 ①チャレンジャーからの復帰 ここ最近トップ10を経験した選手の復帰は、ほとんどPRやWCを使った(もしくはランク落ちてもDAできているので普通に)ATP250~500クラスの大会の出場がほとんどです。 つまり、いきなりトップ100以内の選手と立て続けに戦っても、実戦慣れ、調整が可能という判断をしているということです。 初戦負けするリスクもありますが、多くの選手はこのパターンで復帰をしています。 錦織が今回出場する4週目は全豪2週目で、中堅選手のごくわずかなエントリーがあるのみで、確認しているエントリーリストでは(1/8 12:00現在)最高は79位のティアフォー、最終DAは193位のアンドレオッシです。 正直錦織がいい時の6割くらいの状態でも難なく優勝してもおかしくない中、非常に慎重な判断をしているということです。 また5週目もデ杯ウィークということで多くの選手が世界各地に出払っている状態で、エントリーリストを確認できていませんが(今週発表?)とても厳しいフィールドになるとは思えません。 もちろん200位付近の選手でも今シーズン早速大物食いが続いていますので油断は禁物ですが、錦織はまず昨年負けが込んだことも含めて、勝つイメージをつけたいのだなと私は考えています。 2週連続優勝できればいいですが後の負担を考えても微妙なところで、どちらか一つで優勝を目指すというのが現実的かなと思います。 ②デ杯回避 実は私は全豪を飛ばしてデ杯から出る可能性も考えていました。 年が明ける前くらいでは ブリスベンorシドニーから復帰 40% 全豪ぶっつけ 5% デ杯から復帰 10% ニューヨークから復帰 45% これくらいで見積もっていました。 デ杯は錦織が好きな大会の一つで、本人のやる気も十分です。 これまでもキャリアのターニングポイントになることも多く、5セットマッチであることを除けば時期的にも条件はいいと思っていました。 今回デ杯をスキップして裏のチャレンジャーに出たのは、日本チームが錦織抜きでも勝てる可能性を十分に秘めるチームになったことと、デ杯が好きな大会だからこそそれをスキップしてでも自分の復帰を最優先に考える、この考えがあったからでしょう。 ③復帰時期の(好意的な)前倒し ①②の要素は納得できるものですが、そもそもニューヨークから復帰すると考えていた人がほとんどではないでしょうか。 実際、適用されるかどうかはルールブックをまじめに読む必要がありますが、もう少し復帰を待てばプロテクトランキングを使える可能性があったようです。 このあと錦織のランキングは大会に出なければ落ちていきますが、今のところMSのエントリーが怪しくなってくるのは5月クレーMS付近、GSのエントリーが怪しくなってくるのは完全にランキングポイントがなくなる全米になります。 それまでに大会に出てポイントを稼げば問題はないわけですが、後半戦は最悪WCをうまく使って大会に出ることになるかもしれません(復帰直後のデルポトロをイメージするとわかりやすいかと思います)。 ATPの規定では、50位以上の選手のチャレンジャー出場は場を荒らしてしまうため原則禁止となっていますが、ATPに許可を得たうえでWCをもらって出場することはできます。 年間WC発行枚数は制限があり、そのうちの貴重な2枚を使い復帰スケジュールを前倒しで進めるということは、復帰に相当な自信がなければできないと私は考えています。 そうでなければニューヨークからの復帰か、ニューヨークを蹴ってその週のチャレンジャーに出ればいいからです。 今回の一報を見て、錦織の状態は着実に復帰に近づいており、よほどの再発がなければおよそ2週間後には公式戦に出る錦織圭が見れそうだと思っています。 もちろん全豪ロスはありますが、それ以上に具体的な復帰のビジョン、イメージが見えた今回の一報、私は手放しで喜びたいと思っています。