近年稀に見る荒れた今シーズンでしたが、冷静に思い返すとやはり、ツアーを動かしたのは、今期も「ビッグ4」、大きなポイントは彼ら4人が動かし、結局大枠は彼らが作っていたんだなぁ、そんな印象です。 改めて、今期のビッグ4の変動ポイントを見ると異常に大きなポイントを4人だけで動かしたんだなぁという事が窺えます。 マレー(-10,120pt)とジョコビッチ(-9,195pt)2人で、19,315ptを落とし、ナダル(+7,345pt)とフェデラー(+7,475pt)2人で、14,820ptを上乗せしました。 その次に影響を与えたのが、ワウリンカ・ラオニッチ・錦織、デミトロフ・ズベレフ・ゴファン・ソックといったプレーヤー達でした。 ワウリンカ(-2,165pt)・ラオニッチ(-3,655pt)・錦織(-3,020pt)の3人が8,840ptを落とし、デミトロフ・Aズベレス・ティエム・チリッチ・ゴファン・ソック達で9,345ptを上乗せしました。 その他に、最後の最後でファイナルズの出場を逃した(補欠出場)カレノブスタ、デルポトロ、クエリー、アンダーソンが躍進しました。ただ、デルポトロはこれくらいでは全く満足はしていないでしょう。来期にかける思いは非常に強いものがあるでしょう。 この様に、躍進組の陰には、今期、途中から休まざるを得なかった不調組の存在がありました。当然スポーツですから、故障等コンディションも含めた結果が全て、今年は表が示す内容が勝負の結果です。 しかし、今年の躍進組は、実績のあるナダル・フェデラーは別として、その他のトップ8に顔を揃えたプレーヤーたちにとっては、来期にその真価が問われる事となるのでしょう。不調組5人やデルポトロらがどんな形で食い込んでくるのか? ジョコビッチ・マレーは故障が癒え、本調子なら間違いなく来年末にはトップ争いに食い込んで来るでしょう。ただワウリンカ・ラオニッチ・錦織が今期3位以下を占めた新しい顔ぶれを何人抜けるかというところが気になります。特に、コンディションが戻った錦織選手とズベレフがどんな試合をするか、観てみたいです。 やはり、錦織選手の手首が一番気になるところです。いつ頃、試合ができる状態になるのか、その後再発させないでくれればと祈るばかりです。 もう1人気になるのが、ベルディヒ(31才)、このプレーヤーが、また戻ってくるのか、このまま浮上出来ないのか。 後半戦は、なんといってもファイナルズを制覇したデミトロフ。このタイトルにより年間ランキング3位で今期を終えました。「ATPファイナルズのタイトル」、「年間ランキング3位」、「マスターズタイトル」、なんとも羨ましい響きですね。昨年まで2〜3年の錦織選手の活躍と照らし合わせると、巡り合わせの運不運を感じてしまいます。 今期後半戦は、躍進組のズベレフ、ティエム、チリッチ、カレノブスタ達にブレーキがかかってしまいました。チリッチは、昨年後半に躍進していましたので、今期もほぼ同じペースで終えた事に価値はあると思いますが、、 こうしてみると、現時点での錦織選手のピークは、マドリード・全米で準優勝、4大会で優勝した2014年です。 2015年は、安定したサービスゲームで下位からの取りこぼしが少なかったのですが、上位に殆ど勝てず各大会で大きなポイントを稼げませんでした。 しかし、2016年(昨年)は、その課題を克服し、攻撃的なリターンゲームで、全米のマレー戦、オリンピックのナダル戦を始めワウリンカ等ビッグプレーヤーから勝利を収め、ジョコビッチにも善戦しました。 セカンドサーブポイント率が非常に高かった事も目立ちました。後半戦は息切れ気味、シーズン中の故障、優勢に進めたゲームの第2セット、第3セットで落ちる不可解な現象など、課題を克服して、2017年こそはと期待した今期でしたが、思わぬというか、なるべくしてという印象が私にはありますが、手首の故障で長期離脱、離脱前も故障で錦織選手らしい活躍が出来ませんでした。 来期は、先ずコンディションが一番の課題という事になると思いますが、心身共に元気な状態で試合に出てくれる事を祈っています。そうすれば、結果はついて来るでしょう。焦らず、じっくり構えて、頑張って下さい!