パリMS、終わってみれば杉田は初戦敗退ではありますが、準優勝者に破れたことになりました。シード32を目指しての6大会連続参戦も叶いませんでしたが、健闘を讃えたいと思います。 これで、杉田の2017年シーズンが終わりました。今季の成績です。 17大会出場、22勝16敗。 最終ランキング:40位(最高:36位) ツアータイトル1 アンタルヤ・オープン:優勝 シンシナティMS:ベスト8 バルセロナ:ベスト8 東京:ベスト8 成都OP:ベスト4 2006年にプロ転向以来初のランキング50位内にはいり、松岡修造氏の46位を越えキャリアハイとなる36位まで上げ、松岡修造、錦織圭に続く3人目のツアータイトルを獲得したことは正に偉業といってよいでしょう。 「この道のトップに触れるところまで来ている」と若干謙虚ながら肌で感じている想いを表現しているように感じます。デ杯プレーオフではエースとして2勝をあげ、見事に日本をワールドグループ残留に導きました。日本のテニス界を牽引する一人と言ってよいでしょう。来季は更に上を目指して頑張って欲しいと思います。 今季の杉田の活躍は、打ち抜くフォアハンドを武器として攻撃的なテニスを展開したことにあると思います。ベースラインをキープし安定したバックハンドを起点に回り込みの逆クロス。この武器はトップ選手にも通用するものと思います。しかし、30位より上を考えたときに杉田の弱点であるフォアハンドのクロスの改善が必要になると思います。最近、錦織はどの様にフォアハンドのクロスを打っていたのかを確認しました。フォアハンド側に振られた場合の対応です。杉田の場合は差し込まれたイメージです。下がりながら振り上げるように打つためロングします。深く返球しようとしているのだと思いますが威力に欠けます。この点、錦織は振り切ろうとします。よってウイナーを取れたり、返球を狙われることを排除しているようです。もっとも、錦織もこの振られたフォアハンド側の対応に苦心しました。高めの球をストレートに振り切った際はロングしていました。しかし、極力前で捉えて威力のあるショットを心掛けているようです。全米マレー戦でのフォアハンドクロスは鋭く決まっていました。(このフォアハンド側のショットは手首に負担がかかるように感じます。)杉田も同様に前で捉えるようにすべきではないかと思います。または、下りながらではなく、前後の動きを取り入れ振り切ることを考えるべきではないかと思います。錦織は遠い球にはオープンスタンスにし伸びきるように放つこともあります。トップ選手は相手の弱点に球を集めてきます。この点を克服する必要があると思います。 ともかく、杉田の2017年シーズンが終わりました。西岡、錦織が離脱するなか日本のテニス界を支えてきました。お疲れ様でした。そして、ありがとうと言いたいです。 杉田は背中の腫瘍摘出手術を受けるということです。心配です。早期の回復を祈ると共にコートで躍動する杉田を、来季の活躍を期待します。 杉田祐一 OFFICIAL BLOG