いや、早いものですね。 気がつけば今シーズンも最終盤です。錦織に期待しながら全豪を迎えたことが昨日のことのように思われます。その錦織はキャリアにおいて重要な時期に怪我をしてしまいました。今季の錦織は躍動とは程遠い内容であり錦織に対する期待は徐々に薄れていったように感じとられました。そして、怪我。しかし、最近はリハビリを重ね復調している状態を発信しており、来期の活躍に向けた期待を回復している空気のようなものを感じられます。 バーゼルは、いつも不思議な思いで迎えます。昨年の錦織はこの時期に左臀部を負傷しており、欠場するものと思いこんでいましたが、出場、QFでデルポトロに勝利したのを思いだされます。この時期、マレーがNO1に向けて猛烈な勢いで追い込みをかけていました。そして、ウィーンで優勝。パリMSに望みを繋げました。マレーは凄いです。このマレーに全米QFで勝利した錦織も凄いです。この試合は個人的観戦回数断トツNO1です。そう言えば、杉田はウィーンに出場すると示唆していましたが、バーゼルに切り替えたのですね。そのままウィーンに出場すれば良かったではないかと、今更ながら思っています。最近は後ろ向き発言が多いです。 改めて今季最終盤です。コールシュライバーが3回戦に勝ち上がりました。ガスケは地元テイエムと対戦し逆転勝利とし3回戦へと勝ち上がりました。ランキング6位のテイエムは全米後、3大会連続初戦負けという内容でありましたが、今大会は初戦で勢いのあるルブレフに勝利しながらも2回戦敗退です。ペールはフェデラーと対戦し敗退。シード32に向けた闘いも熾烈です。 好調マナリノと対戦するフェデラーは微かなNO1への可能性に向け死角はありません。目指すは優勝のみです。 ディミトロフとチリッチがツアー・ファイナルへの出場を決めました。残す席はあと2つです。2525P11位のクエリーは初戦敗退と厳しい状況です。2750P8位のゴファンは3回戦へ勝ち上がり、2605P9位のカレノブスタは好調シュワルツマンに敗退しました。これを猛然と追う2選手がいます。ヨーロピアンOP優勝で2055P15位のツォンガとストックホルムで優勝した2135P14位のデルポトロです。両選手とも3回戦に勝ち上がっています。可能性はあります。 デルポトロはようやく怪我の心配も薄れてきたように思います。大会も出場し続けていますし、バックハンドも両手打ちも見られるようになりました。強烈で精度のあるフォアハンドと試合運びからトップ10の実力があることに異論を唱える方はそうはいないでしょう。いつ実力通りの位置に復帰できるのかです。前記事で取り上げましたUNDER PRESSUR RATINGですが、ランキングとの相関が高いようです。2016年度は3位、52Wでは4位と好位置をキープしています。この指数はBreak Points Converted + Break Points Saved + Tie Breaks Won + Deciding Sets Won(%)ですので、勝負強さを表します。 今季のデルポトロはランキング38位に始まり19位まで上げてきました。そのせいかビッグ4との対戦が8回あります。フェデラーと3回、ジョコビッチと3回、ナダルと1回、マレーと1回です。対戦成績は1勝7敗です。錦織のビッグ4対戦回数をバロメーターとして言及していた時期がありましたが、2014年は9回、2016年は13回でした。デルポトロの今季の成績は32勝14敗なので内8敗がビッグ4となります。ディミトロフに2敗、錦織に1敗を含みます。 最近のデルポトロには勢いを感じます。全米ではSFに進出、上海ではSFに進出、ストックホルムではディミトロフにリベンジし優勝しています。バックハンドに球を集められますが、バックハンドが弱いわけではありません。フォアハンドを打たせないためです。スライスと両手バックハンドを使いわけます。スライスはミスが少なく深く返します。フォアハンドは相変わらず威力があります。強打をしているイメージはないのですが、手首の返しがよくスピンが効いていてミスも少ないです。 レースランキングポイントは2135、カレノブスタ2605との差は470ですので逆転可能な位置です。パリMS前に180ポイント以内としたいところです。カレノブスタが2回戦敗退したのでデルポトロが決勝進出すれば170ポイント差となります。決勝で今季4度目のフェデラーとの対戦もあり得ます。2014年8月4日以来のトップ10返り咲き、さらにツアー・ファイナル出場権獲得に向けたデルポトロに注目です。