1回戦の強豪コールシュライバー(34位)戦をストレートで快勝した錦織。 2回戦はIMGアカデミーで僚友だったA・クライチェク(103位)と対戦となりました。 ※IMGアカデミーは、シャラポワなども輩出しており、日本人では西岡良仁などもテニスを学んでいた学校。錦織のコーチであるダンテ・ボッティーニはそこでコーチをしており、楽観的な彼を気に入ってコーチを依頼した経緯がある。                                           錦織とクライチェクは親しい関係であり、同世代です。そのため、互いのプレーも知る仲でもあります。過去にATPツアーでは、2015年のメンフィスで対戦しています(錦織の1勝0敗)。 錦織にとっては、前もって特徴なども把握できていることもあり、最初から対応できていました。                                           試合結果         以上のようになりました。 キーとなったのは錦織のファーストサーブでした。 第1セットは82%、第2セットは57%、試合を通しては68%の入りとなりました。 このサーブの出来不出来で、錦織がペースをつかんだり、押し込まれる場面がありました。また、ネットプレーが得意なクライチェクが6/9だったのに対して、錦織は16/21と、積極的に前に出ていたのがわかります。                                             第1セットは、錦織のファーストサーブがとても好調でした。サーブは時にコースを、時に深く攻めて、良く入っていました。サーブの調子がよく、攻撃のリズムも良く、とにかく早い仕掛け、積極的なプレーが目立ちました。錦織のテニスが良いため、クライチェクにはプレッシャーがかかり、ミスも目立ちました。 クライチェクはダブルスで実績がある選手であり、ネットプレーが得意のレフティで、サービスも強力な選手です。そのネットプレーを、錦織が速い仕掛けで封じていました。 このセットは錦織が、第4ゲームをブレークして、6-3で取りました。                                            第2セットも良い流れから、錦織が第4ゲームをブレークして、一時は4-1とします。しかし、1stサーブが入らなくなり、ミスも目立つようになります。 第10ゲームでは、ストロークでクライチェクに押し込まれ、ポジションを下げられる展開が増えます。そして、肝心のゲームでブレークを許して、5-5とされ、嫌な流れとなります。1stサーブが入らず、錦織のショットが浅くなったところを、クライチェクに攻め込まれました。クライチェクは得意のネットプレーなども出して、挽回して、プレーにリズムが出てきます。 それでも、タイブレークでは、錦織のセンターへのサービスエースなども決まり、7-5で接戦を制しました。 この競ったセットを取ったことで、錦織は流れをものにしました。 一方のクライチェクは、ここを落として、気落ちした部分もあったかもしれません。                                              第3セットは、1stサーブも入るようになり、錦織が第2ゲームを早々にブレーク。そこからは、互いにキープが続いて、6-3で錦織が勝利を得ました。                                           試合後には「タフな3セット、内容は競っていた」と、スコアほどの差がなかったと語った錦織。第2セットでは深呼吸をする場面も目立ち、緊張感があったようです。 試合を振り返ると、5回のブレークポイントを握り、3回をものにしており、錦織の勝負強さが光りました。                                               2015年の終盤は、1stサーブが入らず、2ndで前に出て叩かれて、リズムが悪くなる…というシーンが目立ちましたが、その課題克服に向け、2016年は良い内容で、全豪OPの2試合を勝利している印象です。サーブが入ることで、サービスゲームが安定して、リターンでも積極的に攻めることができる…錦織の良い展開に持って行けて、リズムが良くなるという部分が見えました。                                              2試合を良い内容で制した錦織ですが、3回戦はシード選手のギリェルモ・ガルシアロペス(27位)VSD・ブランズ(151位)の勝者と対戦になります。