≪サーフェスについて≫  30日の夜、急に時間が出来、モントリオール(MSカナダ)、錦織選手のナダル戦、マレー戦を見ました。ストロークのスピードが、ナダルよりマレーよりも、錦織選手の方が10km/h以上速いんです。特に、高速コートではありますが、ナダルの回転が効いたボールはスピード自体はそれほど無く、高く跳ねて来ます。錦織選手はこのボールに対し、高い位置でヒットし、ストレートへ、クロスへと凄いスピードで打ち込んで行き、完全にストローク戦を支配しています。それで、少し閃いた気がし、書き始めてみました。 サーフェスのおさらいですが、クレー・グラス(芝)・ハードの3種類。ローマ大会の様な歴史あるコートに各選手苦労していた様に、クレーもグラスも大会によりコートに特徴がある様ですが、ハードコートは特に同じサーフェスでも全く違うコートがあります。一度、実際にコートの表面を見て、触ってみたいと思いますね。3月のインディアンウェルズの様にコートの表面がザラザラ、アカプルコも同じようなサーフェスに加え、ボールは重くて跳ねない。なんて話も聞きます。  簡単に私の感覚でまとめます。大まかに言うと、①球足が速いか遅い、②跳ねるか跳ねないか、という事だと思います。これは、コートの堅さ、表面の合成樹脂等コーティンイグ素材の摩擦が大きいかどうか、という事がその要素を左右します。 サーフェス別に特性の違いを並べて見ます。 ハードコートは、球足の速い全米と、球足の遅いMSパリ、2つに分けて比較します。詳しい方がいらっしゃれば、さらに詳しく教えて頂きたいところですが、、 (サーフェス)  (速さ) (高く跳ねる) ①グラスコート    1     4 ②ハード;全米    2     2(3) ③ハード;MSパリ  3(4)  1(2) ④クレーコート    4(3)  3(2) ①芝は、滑る為、球足が速く、跳ねない。 ②クレーは、コート面を硬くする事が困難な為、球足は遅く、高く跳ねるが、土の表面は少し滑る為、ハードコート程、高く跳ねない。 ③全米辺りの高速ハードコートは、コート面が硬く、表面のザラザラが少なく摩擦が少ない為、球足が速く、通常はそれほど高く跳ねないが、身長の高いサーバーや回転が掛かったボールは、硬いコート面によく跳ね高く弾む。 ④MSパリの様なコートはグリップがよく効き、スピードが遅めで、高く跳ねる。又、インドアほど球足が遅い気がします。ツアーファイナルのO2アリーナの様な特設コートは、コート面が硬くない為、それほど高く弾まない感じがします。  錦織選手の場合、2015年シーズンを振り返ると、苦手と思っていたグラスコートにも対応していました。という事は、球足の速い低い球に、ある程度は対応出来ていました。私としては、ちょっと嬉しい驚きでした。もう少し格上との対戦を見ないと判断が難しい所もありますが。  又、前述カナダのナダル戦のように、高く跳ねる球でも球速がそれほど速くなければ、得意球になります。 錦織選手が得意な順に並べてみます。 ①球速が遅く、高く跳ねる球。(球速はそれほど速く無く、錦織の許容範囲であれば) ②球速が速く、高く跳ねない(低い)球。 →③の方が合っているが、相手にとっても打ちやすい為②の方が錦織選手に有利。 ③球速が遅く、高く跳ねない(低い)球。 ④球速が速く、高く跳ねる球。 対戦相手のタイプ別に、得意サーフェスを並べてみます。 <対戦相手:長身の攻撃型の場合> フェデラー、ベルディヒ、ラオニッチ、チリッチ等 ①クレーコート ②低速ハードコート ③高速ハードコート ④グラスコート <対戦相手:ストローカー守備型の場合> マレー、ナダル、フェレール等 ①高速ハードコート ②グラスコート ③クレーコート ④低速ハードコート  並べはしましたが、微妙ですね。だんだん纏まらなくなって来ました。 ワウリンカ、ガスケ、ツォンガ等は、どうでしょうか?ツォンガが一番苦手と思われたクレーで錦織選手は負けました。ワウリンカも一番苦手かと思っていたクレーの全仏で優勝してしまいました。全英、全米優勝のマレーは意外と思われる方もいるかもしれませんが、2015年のプレーぶりを見ていると、オールラウンドというよりはさらに守備の選手に傾いて来た様に見え、クレーコート辺りがとてもフィットしている様に思います。  ジョコビッチは、2015年は特別な存在でした。攻撃においても守備においても、誰も寄せ付けず、NO.1でした。錦織選手はどのサーフェスで一番可能性があるでしょうか?もう、理屈では分からなくなって来ました。グランドスラムで考えると、ウィンブルドン(芝)が一番可能性の低いコートという考えは変わりませんが、全米(高速ハードコート)、全豪(遅めのハードコート)、全仏(クレー)、この3つについては、どのコートにもメリット、デメリットが有り、どれも変わらない様に思えて来ました。今期(2016年)の様子を見ながら見定めて行きたいと思います。結局、中途半端な見解になってしまいました。スミマセン。 ≪シーズン別展望≫ 1.前半ハードコートシーズン;1月~4月3日(マイアミ)迄   錦織ディフェンドポイント:1,180pt 2.クレーコートシーズン;4月~6月5日(全仏)迄   錦織ディフェンドポイント:1,400pt 3.グラスコートシーズン;6月~7月10日(全英)迄   錦織ディフェンドポイント:225pt 4.北米ハードコートシーズン;7月~9月11日(全米)迄   錦織ディフェンドポイント:870pt 5.アジア・欧州シーズン;9月~11月6日(MSパリ)迄   錦織ディフェンドポイント:360pt 6.ATPツアーファイナルズ;11月   錦織ディフェンドポイント:200pt  前半のハードコートシーズンは、全豪、インディアンウェルズ、マイアミ等、比較的低速コートが多いですね。クレーコートシーズン終了までは、昨年並みに進めば、まずまずOKだと思います。この中では、マイアミ、マドリード、全仏等で、GS、MSのタイトルを期待しています。  グラスコートシーズンは、2試合だと思いますが、芝に変わる事で、それまでのサーフェスとは違った負担が足に掛かる様ですので、怪我に十分注意をし、最低でも昨年の225ptの倍以上は獲得して欲しい所です。  ハードコートシーズンは、酷暑でハードな期間ですが、クレーと共に錦織選手に合っているサーフェス(高速ハードコート)だと思います。この期間中には、疲労もピークを迎えると思いますが、100%挑んでいく大会と、課題を確認する等、調整の為の大会や試合も織り交ぜて、上手くペース配分をして欲しい時期です。(この意見には賛否有ると思いますが。)モントリオール、シンシナティ、全米、ここでもGS、MSタイトルに期待したいところです。最低でも昨年より300pt以上を期待したい所です。  今年は、8月6日~14日までリオオリンピックもありますね。フェデラーが持っていないタイトルはオリンピックだけですから、狙っているかもしれませんが、アルゼンチンじゃ、やはりクレーコートですかね。ちょっと厳しいでしょうか。それにしても、4年前31才、当時、次は無理だろうと思いましたが、まだ第1線で頑張っています。本当に凄いプレーヤーですね。錦織選手にもチャンスが出て来るかもしれません。優勝ポイントは750ptですね。  最後に、アジア・欧州シーズン、2015年、この期間の錦織選手は故障等で散々でした。東京、上海、パリの3大会共に上手く行きませんでした。パリが低速コートなのは有名ですが、上海もいろんな記事を読む限り、遅め。東京は北米程では無いもののそこそこ高速の部類という事で良いでしょうか。私の感覚です。やはりこの期間では、最低でも昨年より300pt以上を獲得してもらいたいです。  2015年シーズンの錦織選手は、体力増強の為か?自分の限界を知るためなのか?敢えてハードなスケジュールを組んでいた様でしたが、今期は体調面を維持した上で1年間を通して活躍してくれる事を期待しています。  各シーズンで、私が最低でもと書いたポイントをクリアすると5,000ptを超えますので、後は、GSやMSのタイトル、又はビッグポイントを獲得し、さらに上へあがって欲しいです。  フェデラー、ワウリンカ、ナダルの調子次第という所もありますが、この3人に対して上を行くべき年だと思います。これで世界ランク3位。ポイントは、マレーです。マレーに対して、上を行けるかどうか?マレーとの戦いが、楽しみです。世界ランク3位、マレーを制する事が出来れば2位!やってくれると思います。    今期に勝負をかけよう!錦織選手!今年もとても楽しみにしています!