全米OP 1R敗退は単なる早期敗退か、次への布石か
錦織の1回戦敗退は日本のみならず世界のテニスファンが予想していなかった出来事でした。
私自身ももかなりショックを受け、敗因に関して様々に考えを巡らせました。
メディアの意見としてはペールが予測不能なプレーで錦織を翻弄し、勝利をもぎ取ったというものが多いですね。
スタッツを見てみるとウィナー、UE共にペールが錦織の2倍近い数字になっていました。
ペールがいかにアグレッシブに攻めてきたか分かりますね。しかしながらUEがウィナーを上回っている事を考えるとペールが最高のプレーをしたとは言えません。
では錦織に問題があったのか。私はそう思います。もちろん、いつもの錦織と比べてという意味です。
1stサーブにいつものキレはなく、2ndサーブは甘いところに入り幾度となくペールのリターンをよりイージーにさせてしまいました。2ndサーブのリターンを合わせることができずジャストアウトを連発。ラリーになるとウィナーを狙ったショットが何度もエラーになってしまいました。
と言っても単に錦織のコンディションが悪かったから負けたという結論では終わりたくありません。この数日間様々に考えました。
緊張するタイプでもないだろうし…
もしかして体調なのか?でも3週間くらい時間はあったからな…
そして錦織は「コンディションがたまたま悪かった」のではなく、「コンディションを上げ切らない状態だった」のではないかと思い始めました。憶測の域を出ませんが…
錦織の今年のGSの成績は
全豪:QF
全仏:QF
全英:2R
です。故障のため棄権したWBを除けば錦織は4Rまでかなりいい勝ち上がり方をしていました。しかしながら全豪QFではワウリンカにストレートで敗退。全仏QFではツォンガにフルセットの末敗退。どちらも錦織のコンディションが良かったとは言えない内容でしたね。
そこで錦織陣営はこの全米で、QFかSFにピークを持っていけるような調整をしていたのではないでしょうか。6割から7割くらいの力で初戦から3Rくらいまで戦えれば狙い通りにピークをもってこれる。
来年以降に本気でMS、GSを狙って、更に言えばTOP3に食い込んでいくために。
そのいわば試験のようなものがこの全米OPだったのではないかと私は思います。
結果としては1Rで敗退してしましいました。しかしながらポジティブな要素もあります。
・この程度のコンディションでは敗退してしまう可能性があるということがわかった
・今年の目標がファイナル出場にはっきりと定まった
この敗戦は間違いなくこれからの錦織圭にとって役に立つものとなる!
そう感じています。
昨年はこの全米OPで錦織は大きく飛躍し、その名を世界に轟かせました。
それから1年が経ち、全米準優勝は決してフロックではなかったということは最早世界が認めています。
その中で今年は1R敗退。昨年同様にこの大会が転機となり、更なる高みへ登ってくれることを期待しましょう!