今年最後のGS、我々錦織ファンが待ちに待ったUSオープンが始まりました。 錦織選手は第4シード、GSの初戦でルイアームストロングスタジアム、凄いですね。アーサーアッシュは、イバノビッチの試合より錦織戦じゃないの?などと思うのは私の感覚が麻痺して来ている証拠です。錦織選手のように謙虚に応援して行かなければ。  初戦の相手、錦織選手はペアと呼んでいましたが、スポナビに習いペールで行きます。実績を見るとクレーでしか勝ち越しておらず、ハードコートでは負け越していますので、今の錦織選手にとって、それほど心配する相手ではないかな、と思っていましたが、サーブ、バックハンド等は一級品という解説が多く、錦織選手も警戒していました。逆にプレーが粗いとも書かれています。波に乗らせて苦労しなければいいが、と思いながら試合開始を迎えました。  しかし、その不安が、、、まさか、まさか、まさかの結果となってしまいました。身体の力が抜けてしまって、全く力が入りません。本人の錦織選手はどうしているでしょうか?立ち上がれないくらいに、力を落としているのではないでしょうか?  この後の、ツォンガ(モンフィス)やチリッチ、ジョコビッチ、フェデラー・マレー達との試合を楽しみにしていましたが、今回はお預けとなりました。 あと、今日のユニクロのウェアー、鮮やかなスカイブルーに黄色のライン、いつもより好きな感じで、優勝者に似合いそう、等と早合点な想像をした事も良くなかったかな。なんて、関係がある訳もありませんが。 今日の試合を思い返し、考えて行きます。 <第1セット>  第1ゲーム、サーバー錦織、3ポイント目から、ネットにはかかりましたが、ペールのもの凄いバックハンドが出ました。噂どおりです。錦織は、マスコミ等でスロースタートと言われていましたが、このゲーム、私は、期待通り序盤からペースを上げて入って来たと感じました。第1ゲームは1ポイントしか与えずキープ。  第2ゲーム、30-40と早速BPを握ります。解説の松岡氏が、このゲームを取らないと、この試合がもつれて行く、という様な事を言っていましたが、これがまさに的中してしまいました。その後、ペールのドロップショット(DS)等でジュースになり、このゲームをブレーク出来ません。 終わった後振り返ると、松岡氏の言う通り、この試合の1番のポイントとなるゲームだったかもしれません。結局この直後のゲームをブレークされ、その後、錦織選手の我慢のプレーが続きますが、ペール独特のペースでそのまま4-6(1ブレークダウン)で第1セットを落とします。 <第2セット>  第2セットに入っても錦織のペースにはならず、第1ゲームからブレークポイントを握られますが、ペールのミスにも助けられ、何とか錦織がサービスキープ。 その後、ペールのサービスエース(SA)あり、DSあり、イージーミスありの変なリズムに翻弄されながらも、スコア的には淡々と進み、迎えた第6ゲーム、ペールのミスにも助けられブレーク成功、4-2とします。その後はお互いサービスキープ、第9ゲーム、錦織のSFSは、錦織の集中力が増し、ペールは打合いでアップアップになり先にミスをするパターンになって来ました。このセットを6-3(1ブレークアップ)で取り返し、セットカウント1-1とします。我慢し切ったという感じでしょうか。  しかし、錦織選手、第3セットの前に左の腰?モモの付け根あたりに手を当てています。左臀部は当てていませんが、大丈夫かな。 <第3セット>  第3セットに入ると、錦織のペースなのかと思うのですが、第3ゲーム、錦織のリターンゲーム、ペールのDSからネット際の攻防を制しポイントする等、素晴らしい形で15-40にします。しかし、ペールが3連続エース。ブレーク出来ません。嫌な流れです。素晴らしいプレーで押しているのに取れない。  その後ペールはSA等サーブ良く何とかキープし、錦織はポイント先行される場面もありながらキープして行き、どっちのペースか分かりません。又、ペールのワイドに放つキックサーブが高く跳ね、外へ逃げて行くため、錦織が対応できないシーンが多かったですね。 第7ゲーム、錦織のパッシング、深いリターン、15-40からBPをパッシングで決めブレーク成功!4-3で錦織のサービスゲーム、しかし、DFやミスで15-40、その後SAやペールのミス、DSから最後はペールがミスし、錦織がキープ。このキープは大きい! 嫌な流れを断ち切り、このセットも6-4(1ブレークアップ)で取り、セットカウント錦織の2-1。やりにくそうな相手でしたが、さすがにこれで、錦織選手が取ったなと思いましたね。 <第4セット>  このセットのどこかに、2度目のターニングポイントがあったと思うのですが、探しながら進みます。第4ゲームの錦織のサービスゲームだったでしょうか、ペールがDSの連発、又それが連続ミス。錦織ゲームキープなのですが、松岡氏:あんな後ろからDS、こんな選手からペースを掴むのは無理です。ミステリアス過ぎます。だったかな?この表現に笑ってしまいました。この辺は、私もまだ笑っていました。 しかし、第7ゲーム辺りで、ペールのサービスゲーム、錦織に素晴らしいショットが出て、ジュース、さらにジュースアゲインとなり、松岡氏:この辺でブレークしないと、TB迄行ってしまうと分からなくなる。ファイナルセットまで行ってしまうような事になれば、いくらファイナルの勝率1位の錦織と言えども、この選手だけは何が起こるか分からない。松岡氏が、第1セット第2ゲームで言った事、ここで言った事、全てが当たる事になってしまいました。  この後、このセットをTB、マッチポイントまで握りながら落とし、ファイナルセットも落とし、敗戦となったのですが、第4セット以降、どこがポイントだったのかに焦点を当てて行きます。 ①この第4セット、第7ゲームをブレーク出来なかった事なのか、でもBPを握る所までも行っていません。 ②第4セット、第3ゲーム、第5ゲームも錦織の素晴らしいショットで0-30、30-30としましたが、ペールのサーブ、錦織のミスでものに出来ませんでした。 ③第4セット、TBポイント先行で、錦織の絶妙なパッシングロブと言うのでしょうか、このポイントで6-4、マッチポイントを握りながら、フォアをミス。今日の錦織を象徴している様なショットだったのかなぁ。ポイントはこのショットでしょうか?この後、ペールはサービスから2ポイント、最後は錦織選手のミスで、6-8、TB、セットを落としファイナルに突入します。 ④第5セット、第2ゲーム、錦織のDTLリターンがやっと決まる等、2度目のジュースからペールの際どいショット、私にはアウトに見えたのですが、ペールはチャレンジ、なんと入っていました。ブレーク出来ず。(これは、要因ではないか、不可抗力というか、事実だっただけ) ⑤第5セット、第5ゲーム、錦織はサービスゲームをブレークされます。ストロークのミスが出て0-30とされ、今度はペールのミスも出30-30、しかし最後はセカンドを叩かれ、リターンエース。ブレークされます。 第4セットから見てきましたが、確かにTBで訪れた錦織サービスでのマッチポイントをストロークのミスでと取れなかった事が、1番大きいように感じます。しかし、この試合は、あのポイントだけでは無いように感じます。結局、ペールという良いのか、悪いのか。凄いのか、へなちょこなのか。分からない。奇想天外な感じで、松岡氏が言っていた「ミステリアス」な相手に対し、最後までペースを持って来られなかった事が、強いて言うなら敗因となるのでしょうか。第5セットは、緊張と我慢の連続で筋肉も硬直してしまったのか、思うように動けない様なしぐさも見せていました。(マラソンで相手のペースで走って頑張ってきた選手が、ペース配分を間違え身体が強張り動かし辛くなる様な、あんな状態でしょうか?)それこそ、MTOも選択肢としては、有りだったかもしれませんね。今日は、どんなに体力を消耗しても、次は中1日空きますから、構わず全精力をつぎ込んでもと思いましたが、んー、納得できない。  かと思えば、ペールの様な選手は、この先早い内に敗退するような気もします。今日の様に自分にかみ合った時は凄いが、そうでない時は案外あっさり負けるような選手ではないでしょうか。今日は錦織選手の、もう一つ乗り切れなかった調子と、ペールの絶好調が重なってしまった日だったのでしょう。実力は錦織選手の方が当然上だと思います。  敢えて、今日の錦織選手について言わせて頂くなら、 ① 試合開始当初の決め球を思い切って振り切ってほしかった。慎重に行き過ぎ角度の付け方が甘くなってポイントが取れなかったり、もう少し思い切って振り切っていれば入っていたかなと思うショットがアウトになったり、という所が惜しかった。こういうポイントが勝敗を分けたのかなという印象です。(ギアを上げて入っていると思ったのですが、やはりGS初戦の緊張感は計り知れないものがあるのでしょうね。) ②ペールのワイドへのキックサーブは、今後他の選手も真似てくると思います。対応の準備をして貰いたいです。 ③スライスをもう少し使ってほしい。(試合の中盤、錦織選手のスライスに対し、ペールがストロークでミス、ボレーでミス、共にネットにかけるシーンがありました。)きっと相手をもう少し翻弄できたのでは?何度も書いてしつこいですが。 ④チャレンジシステムをもう少し使ってほしい。(MSカナダでも思いました。その前からかな。)  しかし、ペールという選手、今回初めて見た気がしますが、面白い選手でしたね。錦織選手が倒された訳ですから、いい気はしませんが、私の印象では、今期ハレで錦織選手と対戦したヤノウィッツとタイプがかぶる感じがしました。第1セット、第4ゲーム、ペールのサーブは入ったのですが、手元からラケットが離れ、コートに叩き付けるような状態になってしまい、ペールは何やら審判にぶつぶつ言っています。「ラケットが一本しかない、どうすればいいんだ。」何やら、自陣コーチ陣から「お前のバックに入っているだろ。」と言われて、「入ってた!」なんて事だった様ですが、信じられないことが起きます。その時以外にも試合中ずっと何かぶつぶつ言っていますし、しょっちゅう奇声も発しています。ペールの椅子の辺りは、ラケットがあっちこっちの方向を向き、バラバラに散乱しています。錦織選手は、“Mr.ミステリアス”相手に大変でした。  今日、錦織選手のコメントを見て「また、次に向けて、ファイナル出場に向けて、頑張る。」と言っていましたので、少し安心しました。それにしても、心配していたフェレール、ラオニッチ、チリッチ、ナダルらは皆、1回戦を勝ち抜いていますね。ひとの心配をしている場合じゃなかった。ランキングは落ちてもまだ6位くらいでしょうか。レースランキングで7位くらいかな。ワウリンカ、ベルディヒ、ナダル等の結果により何とも言えませんが。まだまだ、ファイナル出場に向け、かなり高い可能性の中にいます。十分リフレッシュして、今後の秋のシーズンにトライしてください。 応援しています!