3時間の激闘のはてに……マレーがジョコビッチから栄光の勝利!(ロジャーズ・カップ2015 決勝)
ロジャーズ・カップ2015の決勝戦のカードはノバク・ジョコビッチVSアンディ・マレーとなりました。マレーは世界ランキング2位返り咲きが決まってます。
実質世界ナンバー1とナンバー2の対決は、期待通りの激闘になりました。
今季のジョコビッチは出場したマスターズ4大会のすべてで優勝。25連勝中と圧倒的な強さを誇っています。また、マレーに対しても8連勝中、通算成績も19勝8敗と大きく勝ち越し、優位性を築いています。今季に限っても、ことごとく、ジョコビッチが立ちはだかって、マレーをしりぞけていました。
ただ、今大会では、マレーは、ロブレド(22位)、ミュラー(46位)、ツォンガ(24位)、錦織(4位)と戦って、1度もセットを落とさずに決勝に勝ち進んでいます。一方のジョコビッチは、準々決勝でガルビス相手(87位)に1セット落とし、2度のマッチポイントを握られ、あわやという場面もありました。
そんな両者の決勝戦は…
第1セット
ジョコビッチ4-6マレー
第2セット
ジョコビッチ6-4マレー
第3セット
ジョコビッチ3-6マレー
エース数
ジョコビッチ:5
マレー:7
ウィナー数
ジョコビッチ:33
マレー:39
……という結果で、マレーが優勝しています。
第1セットはマレーが第4ゲームにブレーク。しかし、ジョコビッチが第7ゲームにブレークバック。そして、第10ゲームにマレーが再びブレークして第1セットを奪いました。
第1セットは7ゲームでデュースになる長いセットになりました。
第1セットは両者が1stサーブに苦しむ中で、2ndサーブのリターンでポイントを狙う展開でした。そして、積極的な攻めの姿勢を見せたマレーが、ものにしました。
第2セットは、ジョコビッチが第1ゲームでいきなりブレークして、主導権を握りました。そこから、マレーが第6ゲームでブレークバック。第7ゲームで再びジョコビッチがブレークをするという展開。ジョコビッチがマレーのリターンに対応できるようになり、ストロークも伸びるようになって、ロングラリーで優勢になります。
結局、2度のブレークを活かしたジョコビッチが第2セットを奪い返します。このように、流れはいったり、きたりしていました。
そして、最終セットは、第1ゲームで最初の山場となります。マレーのサービスゲームを奪って出鼻をくじこうと、ジョコビッチがいきなりブレークのチャンス。しかし、マレーがサーブを2本入れてしのぎました。
第3セットは、サーブがたびたび、ここぞというピンチで、マレーを救う命綱になっていました。
第1ゲームをしのいだマレーは、再び積極的な攻めを見せ第2ゲームのブレークに成功します。そして、大きな山場が来たのは1-3で迎えた、マレーのサービスである第5ゲームでした。
ジョコビッチがブレークバックを狙い、粘りを見せて大激戦となります。実に10度のデュースとなり、マレーは6本のブレークポイントを奪われました。それでもマレーがピンチの時に、サービスでポイントを得るなどして、しのぎました。
強靭なメンタルを持つジョコビッチは、簡単にポイントを許さず、サービスキープも容易ではありません。しかし、マレーはピンチになっても崩れずに、集中力をとぎすましました。マレーもまた、強いメンタルを示したのです。
この大きな山場を越えたマレーは、3-6で第3セットを取って、今季2度目のマスターズ優勝。前回の優勝時はジョコビッチが不在だったので、初めてジョコビッチを倒しての優勝となりました。試合時間は丁度3時間。今季、ジョコビッチに土をつけた4人目になりました。
試合後にはコーチであるアメリ・モレスモコーチの出産を発表し、感謝を述べたマレー。
両者の戦いは、これぞ決勝戦という白熱した試合になりました。ジョコビッチもミスの時には、しばしば、怒りをあらわすような激闘。この試合は落としましたが、再び、ジョコビッチのモチベーションも上がってこれば、全米OPも熱戦が見られることになりそうです。
ロジャーズ・カップ2015は、素晴らしい決勝戦となりました。
ジョコビッチ、マレーの両者は、すでに開幕しているウェスタン&サザン・オープン(マスターズ)に、休む間もなく突入します。